マンドローネ
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マンドローネ(mandolone)はマンドリン属の最低音域を受け持つ楽器であるが、通常のマンドリン属の楽器とはやや様相を異にする。
[編集] マンドローネとは
現在広く使われているのは「高調マンドローネ」というもので、その調弦はマンドロンチェロよりやや低いA-D-G-Cであり、ヴァイオリン属の最低音域楽器であるコントラバス(調弦はE-A-D-G)よりも最低音が高い。そのため、オーケストラ曲の編曲などを行う場合、コントラバスのパートをマンドローネにそのまま移すことはできないので、出ない音は8vaするなどして演奏されることが多い。変則調弦がされることもあるが、ごくまれである。
かつては、コントラバスと調弦を同じにする「低調マンドローネ」というものがあった。またイタリア・カラーチェ社によってアルチリュート(Arciliuto)とよばれる、低調マンドローネにさらに3本の単弦(調弦はC-D-E♭)を加えた楽器が製作されていたことがあったが、名手の少なさからすぐに廃れた。
楽譜はコントラバスと同じく、ヘ音記号で表記される。
[編集] 演奏方法
他のマンドリン属の楽器とは異なり、エンドピンを本体の下部に差し込み、そのエンドピンを右膝裏に挟み込んで、ネックを左上に立てた形で構える。また、他のマンドリン属の楽器は一般的に鼈甲製のピックを使うことが多いが、マンドローネにおいては弦の張力の強さからエレキギターなどに使われるプラスチック製ピックが用いられる(というよりも、マンドリン・マンドラ・マンドロンチェロにはそれぞれ専用の厚さの鼈甲製ピックが存在するが、ローネ専用のものはない)。従って、演奏するには他のマンドリン属の楽器とは異なる技術を要するが、根本的な基礎は同じである。
[編集] マンドローネの現状
現在のマンドリンオーケストラでは最低音部はコントラバスが担うことが大半だが、コントラバスは擦弦楽器であり、撥弦楽器であるマンドリン属の音と異質であることから、その間を埋める(特に音の立ち上がりをカバーするために)目的でマンドローネが用いられる。
しかし、楽器そのものの台数の少なさから、マンドリンオーケストラに所属していても見たことがないという人は多い。このような事情もあり、マンドローネのプロ奏者が存在しないので、カリスマ的な指導者がおらず、マンドローネ奏者は少なからず自分でメソッドを確立していかなければならないという事態が発生する。それが演奏の未熟さに繋がって、不完全・不必要な楽器などと勘違いされることもあり、マンドローネ奏者にとっての課題にとなっている。
なお、アメリカのマンドリンオーケストラではマンドローネの代わりにマンドバスが用いられる。