ポルシェ 968
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ポルシェ 968(Porsche 968)とはポルシェ社により1991年にリリースされた水冷FRスポーツカーの(現在のところ)最終モデル。924→944→968の系譜となる。
北米の好景気に大量に売れた944が中古車市場で値崩れを起こし始めた中で、根本てこ入れ策としてモデルチェンジが必要となったポルシェ社はかって924のデザインを手がけたHarm Lagaayに日本車にコピーされオリジナリテイーが希薄となった944のデザインをリニューアルさせるとともに、S2のエンジンをベースにポルシェ特許の可変バルブタイミング機構であるVarioCamを組み込み、NAで240馬力の新エンジンを与え部品の83%を作り変えた新作として発表した。
しかし4気筒エンジンを根本的にリニューアルできなかったことが944の焼き直しと受け取られ、値段の設定も悪く当初販売は不振を極めた。
対応策として1993年にCS(クラブスポーツ)をリリース。これはいわば911RSの968版といったもので、パワーウィンドウ、エアコン、後部座席などを取り払って50kg軽量化し、フルバケットシートやレース対応の足回りを組み込んだ。純粋にスポーツ性能を高めたモデルで価格も16%安く設定してあった。これはヨーロッパでは好評で若干だが販売に寄与することとなった。(市場性の違いから日本仕様CSではパワーウィンドウやエアコンが残された)
サーキットトラックでの走行モデルとしてCSは現在でも最高のバランスと評価されている。結局コード986として開発されたBoxterがデビューする1996年を待たずして1995年に生産を終了した。