ベートーヴェンの三大ピアノソナタ
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一般的にベートーヴェンの三大ピアノソナタ(ベートーヴェンのさんだいピアノソナタ)として知られているのは、ベートーヴェンが作曲した以下の三つのピアノソナタである。
- ピアノソナタ第8番(悲愴)
- ピアノソナタ第14番(月光)
- ピアノソナタ第23番(熱情)
この3曲が三大ソナタと呼ばれる所以については、次のような話がある。それは、実はこれらは音楽的な観点から選ばれたものではなく、レコード会社の意図から始まったというものである。販売戦略上、人目を引きやすいように表題の付いている曲を3曲選び、それを「ベートーヴェンの三大ピアノソナタ」と銘打った。それ以来、この三曲が「ベートーヴェンの三大ピアノソナタ」として人々の間に定着したというのである。
ここにさらに次の1曲を付け加えて、「ベートーヴェンの四大ピアノソナタ」と呼ばれることもあるようである。
- ピアノソナタ第21番(ワルトシュタイン)
他にも、表題つきの以下の曲を含めた中から適当に3曲取り出して、「ベートーヴェンの三大ピアノソナタ」と呼ばれることもある。
- ピアノソナタ第17番(テンペスト)
- ピアノソナタ第26番「告別」
また、これとは別に、以下の三曲が「ベートーヴェンの三大ピアノソナタ」呼ばれることも多い。
この3曲は、ベートーヴェンのピアノソナタ32曲のうちの最後に作曲された3曲である。作風は前の3曲のような、前期から中期のものとはやや異なり、ベートーヴェンの後期の内容的に円熟した孤高の音楽となっている。前の3曲と紛らわしいので、「ベートーヴェンの後期三大ピアノソナタ」と呼ぶことが多い。
また、後期三大ピアノソナタに以下の2曲を加えて、「ベートーヴェンの五大ピアノソナタ」ということもある。
- ピアノソナタ第28番
- ピアノソナタ第29番(ハンマークラヴィア)
純粋に音楽的観点から選ぶとなるとなかなか難しい。個人的な趣味、などの問題も避けて通ることはできないであろう。しかしながら、
- ピアノソナタ第23番(熱情)
- ピアノソナタ第29番(ハンマークラヴィア)
- ピアノソナタ第32番
の3曲の評価は非常に高く、仮に3曲選ばなければならないとしたなら、少なくともこの3曲のうち1つ、2つは含まれているべきだと考えるのは妥当なところであろう。しかしいずれにせよ、音楽の「新約聖書」(ハンス・フォン・ビューローはベートーヴェンのピアノソナタをこのように表現した。)という言葉にも表れているように、ベートーヴェンの32のピアノソナタは、そのほとんどが非常に高度の内容を持っており、また32曲の総体としても非常に価値の高いものである。このため、もはや「純粋に音楽的」であることを追求するのであれば、「名曲を3曲に限定してしまうこと」こそが最も非音楽的であると考えるのが妥当であろう。