ベリー
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ベリー(Berry)は、ブールジュを州都とするフランス革命以前のフランスの州。現在の県ではサントル地域圏の一部であるシェール県とアンドル県にあたる。この州の(あるいは現在でもこの地方の)住民のことは、ベリション(Berrichons)という。これは、古代ローマ時代の古称ビトゥリゲス=クビ(Bituriges-Cubi)に由来する。
[編集] 歴史
カロリング朝期には独立した伯爵領であった。11世紀末にはフランス王領が占領をしていたが、完全にフランスに帰属したのはその2世紀も後のことである。
ベリーは、1360年に公爵領へ昇格した。善王ジャン2世が、子であるベリー公ジャン1世(ジャン・ド・ベリー、1340年-1416年)に親王采地として委ねたためである(なお、このジャン1世は『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』の作成を命じた人物として知られる)。この公爵領は1434年にフランス王領に再び戻った。公爵家の直系が絶えた際に、それを見越していた当時の当主が、領地を没収されることなく自分の(公爵家の血を引かない)子どもに所領を継がせようと一計を案じたためである。
ベリー公の称号は以降、フランス王家の王子らが襲名したが、中でも有名なのは、シャルル10世の次男で1820年に暗殺されたベリー公である。