プロトアクチニウム
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一般特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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名称, 記号, 番号 | プロトアクチニウム, Pa, 91 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | アクチノイド | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 3 , 7, f | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 15370 kg/m3, 3.0 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
色 | 明るい光沢のある 銀色 |
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地殻含有量 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子量 | 231.03588 amu | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原子半径 | 180 pm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Rn]7s25f26d1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 18, 32, 20, 9, 2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 5 (弱塩基性酸化物) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 斜方晶系 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
物理特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融点 | 2113 K (1839.8℃、2912 °F) |
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沸点 | 4300 K (4026℃、7281 °F) |
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モル体積 | 15.18 ×10-3 m3/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 470 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 15 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | 5.1E-5 Pa (2200 K) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | no data | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | 9 ×10-11 % | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 1.5 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | 120 J/(kg*K) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
導電率 | 5.29 106/m Ω | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 47 W/(m*K) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1イオン化エネルギー | 568 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
プロトアクチニウム(Protactinium、古くはProtoactiniumと書いた,鏷)は、原子番号 91 番の元素。元素記号は Pa。アクチノイド元素の一つ。安定同位体は存在しない。
銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、正方晶。比重は、15.37(理論値)、融点は摂氏1575℃、沸点は摂氏4000℃(融点、沸点とも異なる実験値あり)。
空気中での酸化はゆるやか。酸には溶ける(やや難溶)。酸素、水蒸気と反応。アルカリには不溶。展性、延性があり、化学的性質は、ニオブやタンタルに類似する。原子価は、5価。
天然にはプロトアクチニウム231(半減期32760年)や、プロトアクチニウム234(半減期6.7時間)などが存在。
プロトアクチニウム231がアルファ崩壊して、アクチニウム227となる(このアクチニウムの元という意味で、この元素名が付けられた)。
トリウム232→ウラン233の過程の途中にプロトアクチニウム233がある(→トリウム)。
目次 |
[編集] 用途
プロトアクチニウムは存在量の少なさと強い毒性のためあまり用途はない。 しかし、ウラン235のアルファ崩壊の際に生じるプロトアクチニウム231は核燃料に使用されると思われる。 現在、プロトアクチニウム231は海底沈殿層の年代測定に利用されている。
[編集] 歴史
1871年、メンデレーエフが91番元素として、その存在と性質を予言、エカタンタル (ekatantalum) と呼んだ。
当時はウラン崩壊の際に生じる準安定状態のプロトアクチニウム234を偶然発見しただけであったが、その後1917年、リーゼ・マイトナー、オットー・ハーンがプロトアクチニウム231を発見した。1918年にProtoactiniumと名づけられたが、1949年にProtactiniumに短縮された。1961年には99.9%純粋なプロトアクチニウムが作られるようになった。
[編集] 発生
プロトアクチニウムはウラン鉱に微量存在しウラン崩壊の際に極微量生成する。
[編集] 同位体
プロトアクチニウムは29の同位体が存在が確認されているが安定同位体は存在せず、すべてが放射性である。一番半減期が長いのはプロトアクチニウム231で32760年の半減期を持っている。この元素は2つの準安定状態の同位体217mPa(半減期1.15 ミリ秒)と234mPa(1.17 分)が存在する。
[編集] 警戒
プロトアクチニウムは非常に有毒で、高度に放射性である。プロトアクチニウムはプルトニウムのアルファ線と同じく強い発癌性を持つ。
[編集] プロトアクチニウムの化合物
- 酸化物
- PaO
- PaO2
- Pa2O5
- フッ化物
- PaF4
- PaF5
- 塩化物
- PaCl4
- PaCl5
- 臭化物
- PaBr4
- PaBr5
- ヨウ化物
- PaI4
- PaI5