ブロック・レスナー
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ブロック・エドワード・レスナー(Brock "Edward" Lesnar、1977年7月12日 - )は、アメリカにあるWWEプロレスに所属していたプロレスラー。現在は新日本プロレス所属。アメリカサウスダコタ州ウェブスター生まれ。
[編集] プロフィール
ビスマルク短大でレスリング部に所属しNJCAA王座に着くも、レスリング部が消滅してしまったためミネソタ大学に編入し、そこでNCAA(フリースタイル)レスリング選手権王座を獲得する。その後WWEのスカウトによりブラッド・レイガンズの道場で指導を受ける。その後WWEの下部団体OVWに1年半在籍し、ミネソタ大学の先輩だったシェルトン・ベンジャミンと共にタッグ王座を獲得して活躍した。
2002年にWWEに昇格するとポール・ヘイマンをマネージャーにし、デビュー戦でジェフ・ハーディーに勝利。同年6月のKing of the ringでババ・レイ・ダッドリー、ブッカー・T、テスト、ロブ・ヴァン・ダムを破り優勝。さらに同年8月のサマースラムでザ・ロックを破り統一王座を獲得。秋にはジ・アンダーテイカーと抗争し勝利。とどまる事を知らない勢いだったが、11月のサバイバー・シリーズでヘイマンが裏切り、ビッグ・ショーに敗れ王座転落。
2003年のロイヤルランブル戦で優勝すると、レッスルマニア19でカート・アングルと王座を賭けて対戦、試合終盤にシューティング・スター・プレスを仕掛けるも首から落ちる誤爆で意識も朦朧とする中勝利して王座奪還。その後ビッグ・ショーと担架戦などで抗争後、6月のヴェンジェンスでカート、ビッグ・ショーとの三つ巴戦で敗れ王座転落するとヒールターン。義足のスーパースターザック・ゴーウェンを痛めつけたりと非道の限りを尽くし、サマースラムで再びカートと対戦するも関節技でタップして敗北。
その後観客から登場するたびに「You Tapped Out!(タップ負け)」と、タップした事を責められ、元凶となったカートと雌雄を決するためにビッグ・ショー、Aトレイン、マット・モーガン、ネイサン・ジョーンズといった大型ヒールレスラーとチームレスナーを結成するも、カートの組織したチームに敗北。2004年にはエディ・ゲレロに敗れついに王座からも転落してしまう。レッスルマニア20でのビル・ゴールドバーグ戦を最後に退団。なお、この時点で対戦する両者ともWWEを退団するという事があらかじめ分かっていたために、両者に対するファンからの批判が相次ぎ、WWE副社長のジム・ロスがこの件に対しての声明を出した。また試合においてもファンから多くのブーイングを浴び、特別レフェリーを務めたストーン・コールド・スティーブ・オースチンが両者に対して試合後スタナーを繰り出してファンの気持ちの沈静化を行った。
一方でレスナーは以前からアメリカンフットボールの最高峰であるNFLに挑戦したいという意思を持っており、2004年3月には本格的にNFLに挑戦するためWWEを退団。その後NFLのトライアウトを経て一度はミネソタ・バイキングスに入団するものの、開幕ロースター入りはならず同年8月にチームを解雇された。以後は無所属状態となり、プロレスへの復帰話が出てくる。またハルク・ホーガンが雑誌のインタビューで「プロレスに復帰すべきだ」と語るなど、多くのレスラーも復帰を呼びかけていた。
2005年1月には来日して新日本プロレスの東京ドーム興行を観戦に訪れ、新日参戦を噂される。同年10月の新日本プロレスの東京ドーム興行にて新日マットに正式参戦し、いきなり挑戦者としてIWGPヘビー級王座選手権としては初の3WAY決戦(藤田和之・蝶野正洋)に臨み、圧倒的な力を見せつけ王座を獲得する。初防衛戦として2006年1月4日の東京ドームにおいて前王者の藤田和之との試合が決定していたが、藤田の参戦拒否により対戦相手が中邑真輔に変更となった。
12月のシリーズで中西学を5分以内、永田裕志を10分以内で仕留めているが、特に中西戦はあまりにも早すぎる決着のため一部ではただ強いだけで華やかさのかけらすら見えない事から、元WWEらしくないと批判されている。その上、ドーム大会後のアンケートの結果でレスナーがエースであることを観客は全く望んでいないことが明らかとなった。
プライベートではWWEのディーバだったセイブルと婚約しており、2006年1月の東京ドーム興行での来日時にもセイブルを伴っている。
また、K-1 WORLD GP 2006 IN LAS VEGAS(2006年4月29日現地時間)において リング上より、総合格闘技HERO'Sへの参戦を表明。 試合後のインタビューではボブ・サップ、ホイス・グレイシーとの対戦を希望する。
7月17日、札幌でIWGPの防衛戦を行なう予定だったにも関わらず契約上のトラブルを理由にキャンセル。新日本プロレスは15日、レスナーのIWGPヘビー級王座を剥奪しレスナー政権は終焉を迎えることとなってしまった。
子供の頃は、よく農業の手伝いをしていた。
[編集] 必殺技
- バーディクト (旧F5。F5という名前はWWEが権利を保持しているため改名。)
- バーディクト(旧F5)は、相手をファイヤーマンキャリーの形で持ち上げ、旋回させつつそのまま相手をうつ伏せの形でマットに落とす技である。相手を落とす際に、自らも倒れ込みながら相手の頭をマットに押し付ける為、フェイスバスターとしてのダメージが大きい。レスナーはかなり大型の選手が相手でもこの技を決める事ができる。(WWE所属時にはビッグ・ショーという225kgの相手にも決めた事がある)。しかし、ロブ・ヴァン・ダム、エディ・ゲレロ(故人)、カート・アングルにスイングDDTで返された事がある。スイングDDTで返された場合、バーディクト(F5)の旋回力が大きい程、レスナーに返るダメージも大きくなる。バーディクトとは「評決」という意味である。2006年3月19日、両国国技館での対曙戦では曙にバーディクトを決めようとしたが、失敗して腰に重症を負ってしまった模様。曙の体重はビッグ・ショーとほぼ同じだが、曙の腹部の大量の脂肪によりバランスがとりにくかった為と思われる。
- ブロック・ロック
- ブロック・ロックは、レスナーが自ら作り出した関節技である。マフラーホールドとシングル・ボストンクラブの複合技で、一度極まってしまうと相手は抜け出す事も、ロープに逃げる事も、返し技に繋げる事もできない。読み合い放棄になってしまうので、プロレスとしては面白みに欠けてしまう技である。
- シューティング・スター・プレス
- シューティング・スター・プレスは、リングで倒れている相手に対し、トップロープから相手に向かって飛びつつバク中をして相手にボディプレスを当てる技である。OVW時代に必殺技にしていた。しかし、WWEのレッスルマニアXIXのメイン戦で使用した際にOVWとWWEのリングの大きさの差から目測を誤って頭から落下してしまい、後に封印宣言をしている。レスナー程の大型選手でこの技を使えるのはとても凄い事で、普通では考えられない。ちなみに、トップロープからのプレス系の技を得意とする獣神サンダーライガーによれば、ただのボディプレスに比べ、ムーンサルトプレスやシューティング・スター・プレスといった、回転式のボディプレスはダメージが10倍になるらしい。ファンに夢を与えるプロレスラーの鏡ともいえるライガーらしいコメントであり、見栄えがよく、説得力とも言われる華が生まれる技である。
[編集] タイトル履歴
- WWE
- OVW南部タッグ王座:3回(&シェルトン・ベンジャミン:3回)
- 新日本プロレス
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