フットワークインターナショナル
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フットワークインターナショナル株式会社(英文名称:Footwork International Corporation)は、「うまいもの便」などの通信販売を主力事業とする小売業者。
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[編集] 概要
かつては宅配便業界で国内第3位に入るほどの大手運送業者だったが、バブル景気の崩壊の余波や乱脈経営がたたり2001年に倒産。2002年には旧首脳陣が、粉飾決算などにより証券取引法違反で逮捕されている。その後、運送部門をオリックス傘下のフットワークエクスプレス株式会社に譲渡し、現在はアートコーポレーション傘下で再建を図っている。同社のトラックにはヘルメットをかぶった犬(ダックスフンド)のイラストが用いられている。
[編集] 沿革
- 1981年 全日本流通株式会社として設立。
- 1984年 社名をフットワーク株式会社に変更。
- 1986年 大阪証券取引所第2部に上場。
- 1990年 F1チームのアロウズを買収。社名をフットワークインターナショナル株式会社に変更。
- 1995年 アロウズを売却。
- 2001年 大阪地方裁判所に民事再生法に基づく申し立てを行い事実上倒産。
- 2003年 運送部門の子会社(旧フットワークエクスプレス株式会社)を営業譲渡。
[編集] 同人誌業界での知名度
コミックマーケットなどの同人誌即売会において宅配の引き受けを永らく行なってきた関係で同人誌業界に於いての知名度が高く、単に「犬」と言えば同社及び同社のトラックを指すほど浸透していた。宅配便撤退後は同社およびフットワークエクスプレス共に同人誌との関りは無くなったが、即売会会場へ向かう途中にフットワークエクスプレスの長距離トラックを見た参加者から「犬の亡霊を見た」などと親しみと懐かしさをこめて茶化された事もある。
他方、同人誌即売会において寡占的な地位を占めていた頃には、イベント参加者から「荷物の扱いが荒い」「輸送中の荷物の破損が目立つ」という苦情が出る事が慢性化していた。これによる苦情が目立ったためコミックマーケットなど多くのイベントで引き受け運送業者の複数化が行われる事となったが、従来の「破損が多い」というイメージから、事実上の新規参入となったヤマト運輸や日本通運などの競合相手にたちまちにシェアを奪われ、この分野においても凋落してゆくこととなった。