ファンファーレ
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ファンファーレ(fanfare)
ファンファーレ(fanfare)とは、トランペット(特に専用のファンファーレ・トランペット)やその他の金管楽器で演奏されるごく短い華やかな楽曲である。パーカッションともに演奏されることもあり、普通式典用に演奏される。
また日本の公営競技では、各競走の発走に先立って演奏が行われる。(大半はテープ演奏となるが、競馬の一部競走(例:有馬記念など)では、生演奏が行われる。)
「ファンファーレ」は、トランペット、フリューゲルホルン、フレンチホルン、チューバ、サクソフォーン、パーカッションからなるオランダやベルギーに典型的な大規模管打楽器アンサンブル(ファンファーレバンド)を指すこともある。
「ファンファーレ」という用語は、たとえば派手な騒ぎや宣伝・誇示活動などをあらわすときに象徴的に使われることもある。
日本のプロ野球の応援では選手が打席に入った後に通常の応援歌演奏の前に1度だけトランペットで演奏される曲のことをファンファーレという。
[編集] 起源
ファンファーレの起源は中世に遡り、軍隊や狩猟、式典の際の合図などがもとであった。(ただし、一般的に古代ローマを描写するとき、式典などの場面でファンファーレを登場させることがあるが、当時存在したという証拠は乏しい。)18世紀フランスでは、ファンファーレとは、エネルギーのある、旋律の繰り返しによる楽章であった。近代的な意味でのファンファーレは19世紀、イギリスでの戴冠式やその他重要な機会のために作曲されたときに遡る。例えば、エドワード7世のために作曲されたヒューバート・パリー(Hubert Parry)の『アイ・ワズ・グラッド(I was glad)』である。
[編集] ファンファーレを使った曲
ファンファーレを主題に使った作曲家も多い。
- アーロン・コープランド 『市民のためのファンファーレ』(1942年)
- モートン・グールド 『ファンファーレ・フォー・フリーダム(自由のためのファンファーレ)』(1943年)
- ベンジャミン・ブリテン 『聖エドモンズ墓地のためのファンファーレ』(1959年)
- イーゴリ・ストラヴィンスキー 『新しい劇場のためのファンファーレ』(1964年)
- ジョン・ウィリアムズ『リバティー・ファンファーレ』(1986年)