パワプロクンポケットシリーズ
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パワプロクンポケットとは、コナミ(※)の野球ゲーム『実況パワフルプロ野球』シリーズの任天堂携帯ゲーム機における外伝シリーズである。略称はパワポケ。 タイトルの英字表記は、『PAWAPUROKUN POCKET』(略称は『PAWAPOKE』)となっている。
※2006年12月7日に発売されたパワプロクンポケット9より、コナミデジタルエンタテインメント(以下、KDE-J)からの発売になる。
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[編集] 概要
パワプロで人気の高いサクセスモード(選手育成モード)を独立させたもので、シリーズを重ねるごとに世界観が広がり、現在では独立したパワポケシリーズとなっている。
初期作品ではハードの性能上、サクセスモードがメインで、野球はミニゲーム感覚で「ボールを打つだけ」だったが、ハードの性能向上などで、守備が可能になったり実況が搭載されるなどの仕様向上が図られている。
ブラックジョークたっぷりのシナリオは人気がある。ほとんどのソフトで2本のシナリオが収録されており、メインとなる話は各作複雑にリンクしている。もう一本のシナリオは「裏サクセス」と呼ばれ、表版以上の破天荒なストーリーが展開される。パワプロシリーズのサクセスとのストーリー面でのつながりはパワポケ1に限り、パワプロ「高校野球編」とつながりはあるもの、シリーズが続くにつれ、時間の経過があるので、ほぼ独立した状態である。基本的にパワポケ2から登場するプロ野球球団「ドリルモグラーズ」(パワポケ5から大神モグラーズ、パワポケ8から大神ホッパーズに名前変更)を軸に進んでゆく。ちなみに毎回、メガネ一族と呼ばれる姿がほとんど同じキャラが登場する。
パワポケ7までは公式なジャンル表記が「スポーツ・育成」だったが、パワポケ8からは「野球バラエティ」となった。シリーズを重ねるごとに、「スポーツ」の域から大きくはみ出ている裏サクセスやミニゲームの存在がクローズアップされてきた為と思われる。
なお、パワポケシリーズで作成した選手はNINTENDO64、及びニンテンドーゲームキューブで発売されているパワプロシリーズで使用できるが、プレイステーション版やプレイステーション2版では使用できない。
[編集] シリーズ
ゲームボーイでは1998年3月26日に『パワプロGB』が発売されているが、これはパワポケシリーズには含まれない(サクセスモードがなく、開発元もKCE名古屋になっている)。また、2006年8月3日にKDE-Jから発売された『あつまれ!パワプロクンのDS甲子園』も公式サイトでパワポケシリーズとして扱われていないため、含まれない模様である。
[編集] パワプロクンポケット
1999年4月1日発売のGBC用ソフト。収録シナリオは極亜久高校編(高校野球編)。
- 極亜久高校編
- 不良の集まり、極亜久高校に転校してきた主人公。夢の甲子園を目指すために野球部へ入部するが、他の部員たちはろくに練習もおこなわない。
- ある日、事故で主人公と外藤先輩以外の部員が皆入院してしまった。以前から野球部を毛嫌いしていた教頭先生は、これを機に野球部を廃部にしようとするが、
- 公式戦での勝利を条件に廃部を見送るよう主人公は頼む。こうして主人公は、新たな部員集めから甲子園を目指す事になった。
- 本作の相棒キャラクターは「亀田光夫」。
[編集] パワプロクンポケット2
2000年3月30日発売のGBC用ソフト。収録シナリオはモグラーズ編(プロ野球編)と、戦争編。主人公は前作とは別人だが、共通の登場人物も何人か居る。
- 本作の相棒キャラクターは「凡田大介」
- モグラーズ編
- プロ野球選手を目指していた主人公は、最弱チーム「ドリルモグラーズ」にドラフトで入団する。ところが、3年目になって、成績不振によりチームを解散すると社長が発表。
- 主人公たちは、「活躍すれば人気が出て、解散は出来ないはずだ。」と、日本一を目指す事になる。
- 戦争編
- ある日、主人公が目を覚ますとあたりの景色が古臭くなっていた。わけのわからないうちに、主人公は友人の凡田君と共に徴兵され、補給兵として戦地に送られてしまう。
- 運がないとすぐに死んでしまうシュールでシビアな内容。
- 第二次世界大戦の日本軍に関するブラックジョークが多数登場する。
- モグラーズ編と同じキャラが立場を変えて登場する。
- 元々はスタッフがパワプロ5のサクセスで入れようとしていたもの。しかし、これをメインにしようとした為採用されなかった。
- マインスイーパをモチーフにしたミニゲーム「地雷だドッカン」も用意されている。
[編集] パワプロクンポケット3
2001年3月21日発売のGBA用ソフト。収録シナリオはサイボーグ編(社会人野球編)。主人公は1と同一人物。
- サイボーグ編
- プロスポーツで世界を支配しようとする、悪の秘密結社プロペラ団(選択肢しだいでは過去2作品にも登場)。
- 極亜久高校出身の亀田は、プロペラ団を脱退し、対プロペラ団組織ネオプロペラ団を結成する。
- 事故で既に死亡していた主人公(1と同一人物)は、亀田の手によってサイボーグとして蘇る。
- 記憶を失った主人公は、極亜久高校の卒業生と出会ったり、野球をする事により徐々に記憶を取り戻し、亀田と共にプロペラ団の殲滅を目指す。
- 地雷パニック
- 実質的な第2のサクセスモード。サイボーグ編で選手を3名以上登録すると出現。
- 前作「2」戦争編にあったミニゲーム「地雷だドッカン」に近いが、数ステージごとに能力アップパーツを購入し、
- 能力の向上が図れること、サイボーグ編で育成したキャラクターでもこのサクセスでさらなる能力アップが図れる事が異なる。なお、地雷を踏むとゲームオーバー。
- サイボーグ編のキャラクターで遊んでいてゲームオーバーになった場合、キャラクタのデータは消えてしまい、二度と使えなくなる。
[編集] パワプロクンポケット4
2002年3月20日発売のGBA用ソフト。収録シナリオは日の出高校編(高校野球編)とファンタジー編。本作から新しくペナントモードが搭載された他、過去作品や他機種版の登場人物が条件を満たすとアレンジで使えるようになっている。本作の相棒キャラクターは「山田平吉」。
- 日の出高校編
- 離島にある日の出高校で、主人公は慰霊魂を倒して呪われてしまう。その呪いにより次々に消されていく野球部員たち。呪いを解くために甲子園優勝を目指す。
- ファンタジー編
- 野球人形の一体が悪党に盗まれた。それを新たに作るため、勇者(主人公)は冒険に出る。
- 野球人形を作る為には心、体、技の3つの珠が必要なのだが…?シリーズ初のRPG形式。
- ちなみに勇者である主人公は日の出高校編で神隠しに遭い、RPGの世界へ飛ばされたという設定になっている。
- とあるイベントを全て発生させると、「実況パワフルプロ野球」に出演した4名のキャラクターを、サクセス選手枠に登録できる。
- 相棒キャラクターは「ヤマダ」
[編集] パワプロクンポケット5
2003年1月23日発売のGBA用ソフト。収録シナリオはモグラーズ編(プロ野球編)と忍者戦国編。 今作から俺のぺナントモードが出来る様になっている。
- モグラーズ編
- 球界のスター選手、小杉優作であった主人公。ある日、球場の廊下で最弱チーム「大神モグラーズ」の二軍選手と衝突し、心が入れ替わってしまう。
- 仕方なく二軍選手のまま生活をする主人公だが、身体の元の持ち主は野球も下手で性格も悪く、クビに1番近い選手だった。
- 主人公ははたして元の身体に戻る事が出来るのだろうか・・・。:本作の相棒キャラクターは「凡田大介」(2と同一人物)
- 忍者戦国編
- とある国のお姫様の「野球人形が見てみたい」の一言から、風賀の国で3つの陣営の戦争が始まる。敵の城を攻め落とし、野球人形の元となる珠を集める。
- シミュレーションRPG形式。
- 前作のファンタジー編と違い、主人公の体力が0になってもゲームオーバーにはならない。
- 前作のファンタジー編同様、ある連続イベントを発生させることで、「実況パワフルプロ野球」から、4名の選手を登録することができる。
- 相棒キャラクターは「凡田」
[編集] パワプロクンポケット6
2003年12月4日発売のGBA用ソフト。収録シナリオは社会人野球編としあわせ島編。
- 社会人野球編
- 将来、重大な発明をする町工場「和桐製作所」を見守るために、未来からやってきたタイムパトロールの主人公。ところが、町工場は借金で風前の灯。裏から手を引いているものも居る様だ。
- 主人公は野球で工場を守りながら、黒幕を探す事にする。
- 本作の相棒キャラクターは「山田平吉」(4と同一人物)
- しあわせ島編
- 破産した人が強制労働のために連れてこられる「しあわせ島」。町工場を潰してしまった主人公も、この島に連れて来られる。
- 彼は過酷な労働に耐えながら、脱出の機会を伺う。
- パワポケ2のモグラーズ編出で来たキャラクターが多数出場する。
- しあわせ島編では、相棒キャラは「落田太ニ」。
- この作品のみ、この裏サクセスがメインストーリーとなっている。
[編集] パワプロクンポケット1・2
2004年7月29日発売のGBA用ソフト。1と2のリメイク。 リメイクだけあって値段は他の作品と比べ安くなっている
[編集] パワプロクンポケット7
2004年12月2日発売のGBA用ソフト。収録シナリオは甲子園ヒーロー編(高校野球編)と大正冒険奇譚編。
- 甲子園ヒーロー編
- 地区予選で大苦戦する主人公たち花丸高校野球部。そこへ、謎の仮面のヒーローが現れて無事ピンチを切り抜ける事が出来る。
- ところが、時間がたつにつれ次第に増えていくヒーローたち。一体彼等の正体は・・・?
- 本作の相棒キャラクターは「湯田浩一」
- 大正冒険奇譚編
- 新発見と発明の時代、大正。主人公は野球人形を作るため、探偵としてありとあらゆる難事件を解決し、資金を集める事にする。RPG形式。
- ランナーが一塁にいてセンターに速いゴロを打つと素早く二塁に送球されてセンターゴロになってアウトになる、初期版では特殊な手順を踏むと何度でも選手が作り直せる。一塁から三塁まで走ることも可能など不具合が多い作品でもあった。
- パワポケポイントを2ポイント持っている状態で「まわしてポン」をやって0にした後、プロフィールが出てきた時にAを押し続けているとポイントが無限になるという裏技があった。
[編集] パワポケ甲子園
2005年8月4日発売のDS用ソフト。自分が野球部のキャプテンとなり、甲子園を目指すという外伝的な作品。
ある特定の条件で、キャッチャーがパスボールをしてしまうか、ピッチャーが暴投してしまうことによって、ボールがキャッチャーの後ろに行ってしまった場合、ボールが後ろのフェンスにめり込んでしまい、ボールが捕れなくなってしまう不具合(最悪の場合、その時塁上にいたすべてのランナーは生還することになる)や、ランナー一、三塁の時、敵COMが一塁にけん制したとき、いとも簡単に三塁ランナーはホームスチールが出来てしまう(けん制球を受け取った一塁手は、絶対にホームへは刺さない)など、様々な不具合が発見されている。
シリーズ初の実況にフリーアナウンサーの堀江良信を起用。
- 本作の相棒キャラクターは「玉田」
[編集] パワプロクンポケット8
2005年12月1日に発売されたDS用ソフト。収録シナリオは「特命ハンター編(プロ野球編)」と「昭和冒険編」。 球場が3Dグラフィックになり、「エラー率」と「弾道」のパラメータが出現。
- 特命ハンター編
- 人間にまぎれて悪事を働く、人間と見分けがつかないサイボーグ達。彼等を取り締まるCCRのエージェントである主人公は、今回プロ野球界に派遣された。
- 本作の相棒キャラクターは「湯田浩一」(7と同一人物)
- 昭和冒険編
- パワポケ2の地雷のリメイクである。難易度がかなり下がっている。鈴音の依頼で古代遺跡に行く主人公であったが他国からもこの遺跡に来ている者がいた。
- 主人公に古代遺跡を荒らされない様に他国の者が地雷を撒く。これが発端で地雷ゲームが開始される。
- ゲームを進めていくと、依頼人候補が増える。
- 最終的に8で登場してきた人物全員でオリジナルストーリーができる。ただし、最初から話が崩壊している。
- ホームラン競争
- 新たに追加されたモード。成績によってパワポケポイントが貰える。ホームランは99本まで打てる。99本打つとポイントが100ポイントもらえる。
- 音楽を聴く画面でラブラブビックバンという歌がはじまる瞬間にDSを閉じると歌と音楽がずれる。
また、他にも外野にボールをちょうどフェンスに当たるくらいの打球を打って、外野の選手はボールを追わずにフェンスに向かってXボタンを連打するとフェンスの中に入るという不具合が存在する。
[編集] パワポケダッシュ
2006年3月23日に発売されたGBA用ソフト。収録は「おやじボール編」と「地獄ダンジョン編」。野球の試合はカードゲーム形式。
- 本作の相棒キャラクターは「無田」
[編集] パワプロクンポケット9
2006年12月7日に発売されたDS用ソフト。パワポケシリーズとしては、初めてKDE-Jからの発売となる。収録シナリオは「さすらいのナイスガイ(社会人野球編?)」「スペースキャプテン編」「少森寺編(高校野球編)」の3本。さらに動かす守備を教えてくれる「かけ声システム」が導入。また、パワポケダッシュで使用されたカードスロット野球も搭載される。
- さすらいのナイスガイ編
- 主人公は「謎の風来坊」。舞台は近隣に大型スーパーが進出して客が来なくなったというとある商店街。問題事はすべて野球で解決させるという。また、前作(パワポケ8)まで1週間1コマンドだったが、1日1コマンドといった進行方法となった。
- スペースキャプテン編
- 少森寺編
- 主人公をはじめとする高校野球チームは、夏休みの強化合宿に「小森寺(こもりでら)」を訪れることに。しかし、寝坊してバスに乗り遅れたという主人公は間違えて「少森寺(しょうしんじ)」という拳法の修行寺に迷い込んでしまう。
[編集] パロディ
このシリーズには数々のゲーム・アニメ・特撮テレビドラマのパロディが登場している。
- おじょじょじょおじょみ(おジャ魔女どれみ)
- ポリキュア(ふたりはプリキュア)
- メキメキR(ときめきメモリアル)
- さおりちゃん(ときメモの藤崎詩織)
- 超時空基地モコロス(超時空要塞マクロス)
- マイティートム(マイティジャック)
- 超人ライダー(仮面ライダー)
- グランドマン(ウルトラマン)
- ガンダーロボ(機動戦士ガンダム)
- 怪傑キバット(快傑ズバット)
- 怪獣プスカ(快獣ブースカ)
- ボボゴン(がんばれ!!ロボコン)
- モバQ(オバケのQ太郎)
- ベックリマン(ビックリマン)
- ガガガのゲ太郎(ゲゲゲの鬼太郎)
- 忍者マッタリクン(忍者ハットリくん)
- 超人ドロム2(超人バロム・1)
- ゴメラ(ゴジラ/ガメラ)
上記はパワプロクンポケット8のオークションに登場するものであり、この他にもゲーム中の文章やキャラクター、アルバム等に様々なパロディが存在する。 特にガンダーロボについては、本家パワプロにも登場しており、パワポケシリーズでは裏サクセスのラスボスとして登場する。
[編集] 関連項目
- 赤田勲(3までのプロデューサー)
- 藤岡謙治(4からのプロデューサー)
- パワプロプロダクション(同シリーズの開発組織)
- コロコロコミック(6から一部のキャラに当誌の読者が考えたキャラを採用している)
- 実況パワフルプロ野球 サクセスモード
- あつまれ!パワプロクンのDS甲子園