パルスフィールド電気泳動
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パルスフィールド電気泳動とは、分子量の特に大きいDNA断片を分離するためのゲル電気泳動の1方法である。
10キロ塩基対(キロは1000を示す)程度以下の断片はアガロースゲル電気泳動などで分子量による分離をすることができるが、数十キロ塩基対を超える場合には分子ふるい効果が働かずうまく分離しない。この場合の対応として考案された。
[編集] 原理
DNA鎖がゲル中を移動するには電場の方向に長く延びる必要がある。電場の方向が変わると、分子量の小さいものほどこの配置変化が速く起きるため、結果的に速く移動できると考えられている。
[編集] 手法
まずある1つの方向に電場をかける。一定時間後に電場の方向を、最初の電場の方向と交差する方向に切り替える。さらに一定時間後にもとの方向に電場をかける。この電場の切り替えを繰り返すと、2つの電場方向の中間の方向にDNAが移動し、分子量の小さいものほど移動度が大きくなる。