パスカグーラ
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パスカグーラ(Pascagoula)はアメリカ合衆国ミシシッピ州ジャクソン郡の郡庁所在地。パスカグーラという地名は「パンを食べる者」を意味するアメリカ先住民の言葉に由来している。2000年現在の人口はおよそ26,200人。
アメリカを代表する造船所で州最大の民間雇用主でもあるインガルス造船所が存在するなど、パスカグーラはミシシッピ州における産業の中心である。第二次世界大戦以前は人口5,000人程度の小さな街であったが、大戦需要による造船業の発達と共に人口を増加させてきた。この街の人口は冷戦による軍拡需要で防衛産業が隆盛を極めた1980年付近を境に減少に転じていたものの、ハリケーン・カトリーナ発生前の数年間は再び増加していたようである。
[編集] ハリケーン・カトリーナ
2005年8月29日、パスカグーラを含むアメリカ南海岸を非常に強力なハリケーン「カトリーナ」が襲った。パスカグーラにおいても、面積の約9割が浸水し、沿岸部の住宅の大半が破壊されるなど大きな被害が出たが、マスコミの関心はニューオーリンズに集中したため、パスカグーラ市民の多くは「自分たちの被害は無視されているのではないか。」という思いを抱いたという。
また、アメリカ海軍はインガルス造船所で当時建造中だったアーレイバーク級ミサイル駆逐艦2隻が、マキン・アイランドと同様、ハリケーンにより損傷したと発表した。
[編集] UFO事件
1973年10月11日、地元の釣り愛好家チャールズ・ヒクソンとカルビン・パーカーの2人が、「自分たちはパスカグーラ埠頭でUFOに連れ去られた」と主張。各種マスメディアが大々的に報道したため、パスカグーラは一躍有名になった。この事件を機に、アメリカ国民は1947年のロズウェル事件以来ともいえるUFOへの強い関心をもつようになった。
1983年、ヒクソンは『パスカグーラにおけるUFOとの遭遇』と題した手記を発表した。
[編集] 地理
アメリカ合衆国統計局によると、パスカグーラの総面積は47.2km²である。このうち陸地は39.3km²で、残りの7.9km²は川・湖沼などが占めている。
[編集] 人口統計
2000年に行われた国勢調査時点では、パスカグーラの人口は26,200人。世帯数は9,878で、6,726家族が暮らしている。また、人口密度666.4人/km²、総住居数10,931件、平均278.0件/km²である。人種別の構成比率は白人67.15%、アフリカ系アメリカ人28.97%、アメリカ先住民0.18%、アジア系0.97%、太平洋諸島からの移民0.02%、その他の人種1.67%、2つ以上の民族を親にもつ者は1.04%、ヒスパニック系3.89%となっている。