バリー・リンドン
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バリー・リンドン Barry Lyndon |
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監督 | スタンリー・キューブリック |
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製作総指揮 | ヤン・ハーラン |
製作 | スタンリー・キューブリック |
脚本 | スタンリー・キューブリック |
出演者 | ライアン・オニール マリサ・ベレンソン |
音楽 | レナード・ローゼンマン |
撮影 | ジョン・オルコット |
編集 | トニー・ローソン |
公開 | 1975年12月18日 アメリカ |
上映時間 | 185分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
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『バリー・リンドン』(Barry Lyndon, 1975年、アメリカ)は、スタンリー・キューブリック監督が、18世紀のヨーロッパを舞台に撮り上げた映画である。時代考証はもちろんだが、ライティング、美術、衣装に至るまで、完璧主義者であるキューブリックは見事に18世紀を再現してみせている。また、この時代のムードを忠実に再現するため、ロウソクの光だけで撮影出来るレンズを求めてNASAのために開発されたレンズを探し出しこの映画のために使用したのは有名な話である。原作は、ウィリアム・メイクピース・サッカレーの小説。アカデミー賞の撮影賞、音楽賞、美術賞、衣裳デザイン賞を受賞した。日本での公開は1976年7月。
目次 |
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
18世紀半ば、アイルランドの農家に生まれたレドモンド・バリーは、初恋相手の従姉の婚約者のイギリス将校を決闘の末に銃殺してしまったと思いこみ、(実際にはバリーの銃には麻弾が装填されていたため、致命傷にはならなかった)警察の追求をかわすために村を出る。
ダブリンへと向かう道で追いはぎにあい、一文無しになったバリーは、英軍の兵員補充に志願して大陸に渡り、七年戦争に参加する。兵隊の中で頭角をあらわすバリーだが、親友の死をまのあたりにして脱走を決意。将校の服・身分証・馬を奪って同盟国のプロイセンに渡るが、プロイセンの将校ポツドルフ大尉に偽装を見抜かれてしまい、プロイセンの軍隊で兵卒となることに。
戦地でポツドルフ大尉を救出した功績により、今度は身分を隠してプロイセン警察でスパイとして働くことになった。バリーの任務の対象となったのが、スパイ嫌疑をかけられていたギャンブラーのシュバリエ・ド・バリバリであった。
シュバリエの召使いとして潜入しようとしたバリーだが、シュバリエが同郷人だと知ったバリーはプロイセン警察を裏切り、シュバリエの相棒として二重スパイをこなすようになる。やがてシュバリエが国外追放になると、バリーはシュバリエと同行し、ヨーロッパ各国の社交界でイカサマによって荒稼ぎする。
そんな中、バリーは病弱なチャールズ・リンドン卿の若い妻レディー・リンドン(ファーストネーム:ホノリア、爵位:リンドン「女」伯爵、兼イングランドのバリンドン「女」子爵、兼アイルランド王国のキャスル・リンドン「女」男爵。リンドン卿の従妹)に出会い、彼女を籠絡する。バリーの企み通りチャールズ・リンドン卿はまもなく病死し、バリーはレディー・リンドンと結婚してバリー・リンドンを名乗るようになる。
一年後、バリーとレディー・リンドンの間に子供が生まれる。バリーは、ブライアンと名付けられたその子供を溺愛するが、家庭をまったく顧みない放蕩な生活に、レディー・リンドンと前夫リンドン卿との子であるバリンドン子爵との間に亀裂が入りはじめていた。
やがて、バリンドンの挑発に乗ったバリーが公衆の面前でバリンドンを殴りつけるという事件が起こり、バリーの社交界での評判は地に落ち、爵位を授かる望みも断たれてしまう。追い打ちをかけるようにブライアンが馬の事故で亡くなり、絶望したバリーは酒におぼれ、レディー・リンドンは精神を病んでしまう。その惨状に対し、バリンドンはみずから家を建て直す決心をし、バリーに決闘を申し込む。
決闘の結果、バリーは足を切断する大怪我を負ってイギリスから追放されることになる。バリーは、アイルランドの地でひっそりと孤独に生涯を終えた。
注:「女」伯爵:countess, 「女」子爵」viscountess, 「女」男爵:baroness
[編集] キャスト
- バリー・リンドン(ライアン・オニール)
- レディー・リンドン(マリサ・ベレンソン)
- シュヴァリエ・ド・バリバリ(パトリック・マギー)
- ポツドルフ大尉(ハーディ・クリューガー)
[編集] 音楽
- アイルランド民謡
- ザ・チーフタンズ
- ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲ホ短調RV.409から第3楽章
- ヘンデル:組曲第11番ニ短調HWV.437〔第2集第4番〕からサラバンド
- J.S.バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調BWV.1060から第2楽章
- パイジエッロ:歌劇「セヴィリアの理髪師」より
- モーツァルト:歌劇「イドメネオ」K.366から行進曲
- シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番ホ長調D.929,Op.100から第2楽章
- 五つのドイツ舞曲より第1番ハ長調D.90-1
など
民謡とオリジナル音楽以外の音楽は、ほとんどがこの作品の設定と同時代である18世紀に作曲されたバロック音楽、古典派音楽のものだが、唯一の例外が19世紀に作曲されたシューベルトの作品である。
[編集] 豆知識
- キューブリックは当初、ナポレオン・ボナパルトの映画化を目論んでいたが主に予算の都合で断念し、代わって製作されたのが本作である。
- 軍隊はすべてアイルランド陸軍の歩兵を利用した。
- 撮影当時、北アイルランド紛争の激しい時で、スタッフ・キャストの移動にも細心の注意をはらったという。
[編集] 外部リンク
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