ニック・メイスン
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ニック・メイスン(Nick Mason、1945年1月27日-)は、イギリス・バーミンガム出身のミュージシャン。プログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイドのドラマーとして1967年にデビュー。ヒゲがトレードマーク。ピンク・フロイド結成時から現在まで、一度もバンドから籍を外したことがない唯一のメンバーである。
大の車好きであり、特にカー・レースではル・マン24時間レースへ参戦、完走も果たしている('79年18位 '80年22位)。'83年に童夢社設計(製作はマーチ社)のRC-82iが出走した際のドライバーの一人でもあった(レースは7時間でリタイヤ)。また、自動車販売会社を経営していた事もあり、フェラーリ・コレクターでもある。
ニックのドラムの特徴は、ビートが非常に緩やかであるという点。他のドラマーとは違い、タイトでパワフルなパフォーマンスはあまり見られない。しかし、このドラミングの効果により、幻想的なフロイド・サウンドが演出されているとも言える。
フロイドのメンバーの中では、音楽業界での交友関係が最も広く、多くのミュージシャンのレコーディングやツアーに参加している。ダムド、ロバート・ワイアット、ゴング、スティーブ・ヒレッジ、マイケル・マントラーなどの作品に携わってきた。
1981年『空想感覚』、1985年『プロファイルス~ピンクの進化論』(元10ccのリック・フェンとの共作)の2枚のソロ・アルバムを発表している。
2002年ロジャー・ウォーターズのツアーに飛び入りして、他のピンク・フロイドのメンバーより一足早く、公に和解する。
2006年『狂気』完全再現で話題になったロジャー・ウォーターズのツアーにスペシャル・ゲストとして数回参加する。 同年5月31日、デヴィッド・ギルモアのロンドン公演にゲスト出演していることも確認されている。この、ツアーにはリック・ライトも参加していたため80年代後期~のフロイドのメンバーが揃った事になる。これらについてインタビューで『ギルモア側、ロジャー側、どちらで演奏しても何か欠けている』と発言している。
現在では執筆家としても活動しており、2004年にはメンバー自身による初のピンク・フロイドの伝記が著されている。また、米タイム誌には2006年7月死去したシド・バレットへの追悼文や車に関する記事を寄稿している。
[編集] ディスコグラフィ
- 『空想感覚』 Nick Mason's Fictitious Sports (1981)
- 『プロファイルス~ピンクの進化論』 Profiles (1985) *元10ccのリック・フェンとの共作名義
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