ニザーム
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ムガル帝国皇帝から「ニザーム・アル・ムルク」(王国を取り仕切る者)という称号を賜ったミール・カマルッディーン将軍が、ハイデラバードに拠って独立を宣言した藩王国が、その称号からニザーム藩王国と呼ばれる。彼を始祖とするニザーム家は、非常に裕福な一門としても知られており、例えば、ニザーム家9代目、ミール・マフブーブ・アリ・カーン(アサフ・ジャー6世)は、同じ衣装を二度と身に着けなかったと伝えられている。彼の宮殿の一区画は、全て彼の洋服箪笥でぎっしりと満たされ、その高さは2階にまで達したそうである。
ニザーム家の妃達は、宝石をちりばめた王冠、黄金の装飾品や真珠そして高価な宝石で飾り付けられた金糸の豪華なドレスで身を飾っていた。さらに彼女達の首は、着けられるだけの真珠や宝石の首飾りで飾りたてられ、宝石の帯のついた靴、豪華な銀の足飾り、真珠や宝石のブレスレットという豪華そのものの装いだったようである。
膨大な量のダイヤモンド、サファイヤ、エメラルド、ルビーが宮殿の地下貯蔵庫に満ち溢れていたとか、ライムの実ほどもある280カラットのジャコブダイヤモンドが文鎮に使われていたとか、またある時には、金塊を運んでいた12台のトラックが、あまりの金塊の重さのために宮殿庭園の泥濘で立ち往生したなどの伝説も残っている。