トップ・ギア
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トップ・ギア(Top Gear)は自動車及びモータースポーツについて、イギリスのBBCテレビジョンの長寿番組である。この番組は現在第7シーズンに入りw:BBC2上で日曜日8 PM (UTC) に放送されている。新車情報、自動車に関する一般的な情報などを取り扱う情報番組。BBC によって Top Gear magazine も発行され多くの話題を共有している。
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[編集] 歴史
[編集] 1977年から2001年まで
- 1977年にスタートした長寿番組である。もともとは単なる自動車情報番組に過ぎなかったが、1990年代初めにジェレミー・クラークソンが番組に加入して方向性が変わってから国民的な人気を得た。
- ジェレミーが他の分野での経験も積みたいという事で番組を降板してからは番組の人気も下火となり、2001年には番組が一旦終了してしまう。番組の出演者であったティフ・ニードルなどはファイブ・チャンネルのフィフス・ギアに移ってしまう。しかし翌2002年にはジェレミーが再び番組を立ち上げ、新たなスタートを切る事となった。
[編集] 2002年から現在まで
- 主な内容としては新車情報の紹介などに加え、番組独自のコースで様々な(スポーツカーに限らない)クルマのラップタイムを比較するコーナーや、自動車を使った実験のコーナー、イギリスの芸能人、著名人などに番組のコースで同じクルマを使ってタイムを競ってもらうコーナーなどがある。
- 実験のコーナーは「実験」といってもかなり激しい内容となっており、公共交通機関とフェラーリの612スカリエッティとでスキーのリゾート地までどちらが早くつけるかといった競争や、WRCのWRカーとボブスレーの競争、ポルシェのカレラ911の耐久性を検証するために硫酸をかけたりピアノをクレーンから落としたりしてわざとクルマを壊す実験、様々なクルマの「実際の安全性」を検証するために番組専属のドライバーが実際に乗った状態で時速約30マイル(時速約48キロ)でぶつけたりする実験を行ったりした。(ちなみにWRカーとボブスレーの競争はボブスレーの勝ち、公共交通機関とフェラーリの競争はなんとゴールのホテルに向かう最後の直線で、フェラーリが歩いている公共交通機関組を追い抜いてフェラーリの勝ちという結果であった。ポルシェの実験ではクルマを壁にぶつけ、硫酸をかけ、ピアノをクレーン車から落とし、ショットガンで撃ってもまだ動いた。)
- ときには番組の内容が行き過ぎることもあり、視聴者から借り受けたアンティークカーの車軸を曲げてしまい、オーナー激怒させてしまった事もある。また、韓国などのアジア製(日本は含まない)の安価なのクルマの出来を検証した際に「このクルマの乗り方は一つだけ。覆面をかぶって載る事だ。じゃないと自分がこんなクルマを買ったっていう事が近所に知り渡って恥ずかしいからね。」「(ヒュンダイ・アクセントに対して)なんだっけこのクルマの名前?えーっとアクシデント(=「事故」)だっけ?」などかなりの暴言が飛び出した上に、「韓国車なら僕らにだって作れる」と言って洗濯機、乾燥機、電子レンジなどの使用済みの電気製品を組み合わせて作った自作のクルマを紹介して間接的に揶揄したことなどがあり、このことから韓国のファンから反感を買ったこともあった。もっとも、この辛口の批評が番組の人気の元となっている部分もある。しかし、同じ韓国車でも大宇・マティスに関しては2000年に同番組の「Best Value Car」を受賞している。
- 2005年12月現在出演者はジェレミー以下リチャード・ハモンドとジェイムズ・メイの3人である。また、これに加えてラップタイムのコーナーでのドライブを担当するスティッグと呼ばれる覆面ドライバーも存在する。彼に関してのプロフィールは一切明かされておらず、元F1テストドライバーではないかと見られている(これはスーパー・ライセンスが必要となるF1マシン(番組で使用したのはルノー製のマシン)を使用した事もあったことからである)。2003年には番組の実験においてクルマの操作を誤り海に車ごと転落し、スティッグは死亡してしまい(実際には生きていた)、そのよく放送分を持って「新スティッグ」へとバトンタッチする事になる。同年、ウィリアムズ、アロウズ、ベネトンなどのF1チームでテストドライバーを務めていたペリー・マッカーシーが自著の中で自身がスティッグだったことを明かした。新スティッグについては未だ経歴は明らかにされていない。
リチャード・ハモンドがジェットエンジンを積んだ自動車で最高速度を計測中に事故で現在、放送を中止している。ちなみにこの事故はBBCのニュース速報にもなった。
[編集] 放送
[編集] 本国イギリス
トップ・ギアは日曜日の夜にBBC2 上で初回が放送され木曜日の午後に再放送されている。それ以上の再放送 (再編集版) は w:UKTV People で見る事ができる。
[編集] BBC World
トップ・ギアは BBC World 上で見る事ができるが、おおよそ30分から35分長の再編集版である。
[編集] オーストラリア
オーストラリア FTA 放送局 w:SBS は2005年12月から自国内で始まるトップ・ギアの放送権を獲得した。オリジナル版または、再編集版、BBC World 版を放送するかは知られていない。
[編集] 日本
日本ではBBC WORLD が放送開始以来、30分間の再編集版 (同時通訳) を専門番組として放送を行っている(2006年2月に一旦放送終了。2006年7月から再開予定)。 BBC JAPAN が放送開始後、トップ・ギア・エクストラ (日本語字幕付き) として1時間の専門番組を放送している。
[編集] 北アメリカ
アメリカではディスカバリーチャンネルが放送していたが、2005年11月現在では放送されていない (しかし近日中に放送が再開する旨を明らかにしている)。
カナダの視聴者向けに、w:BBC Canada は本国イギリスの BBC2 上で放送しているオリジナル版を、まもなく放送予定であると発表した。