トウルヌソル
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性別 | 牡 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1922年 |
死没 | 1946年8月 |
父 | ゲインズバラ |
母 | Soliste |
生産 | |
生国 | イギリス |
馬主 | |
競走成績 | 24戦6勝 |
獲得賞金 | 6625ポンド |
トウルヌソル(Tournesol)は、昭和初期(1930年代から1940年代)の日本を代表するサラブレッド種牡馬である。日本史上最多(2006年3月現在)の6頭の日本ダービー優勝馬の父。1935年から1939年の5年連続の日本の種牡馬チャンピオン。直系子孫は日本の内国産馬としては最も成功を収め、クモハタが日本の種牡馬チャンピオンになり、4代連続の重賞勝馬が出た。競走馬時代はイギリスでプリンセスオブウェールズステークスなど6勝をあげた。
目次 |
[編集] 血統背景
祖父バヤルドはゲイクルセイダーとゲインズバラの2頭のイギリスの三冠馬の父で、1917年と1918年にイギリスの種牡馬チャンピオンになった。このうちゲインズバラは1915年にイギリスで三冠を達成して種牡馬になると、1925年から1927年までイギリスの種牡馬ランキング4位になった。
トウルヌソルはこの時期の活躍馬で、1926年にプリンセスオブウェールズステークスなどに勝ち、1927年のアスコットゴールドカップ4着の後、脚部故障により引退すると、日本に輸入されて千葉県で繋養された。同じ1922年生まれのゲインズバラ産駒には、アスコットゴールドカップを勝ったソラリオがいる。
その後、ゲインズバラの子にハイペリオンが出て、ゲインズバラは1932年と1933年にイギリスの種牡馬チャンピオンになった。ハイペリオンは1940年代に5回チャンピオンサイヤーになってゲインズバラの系統の歴史的な成功を決定したが、同時期の日本ではトウルヌソルが5回チャンピオンサイアーとなった。
トウルヌソルの名前は「向日葵」を意味するフランス語である。トウルヌソルは当時の二大主流のセントサイモン(4×4)、ハンプトン(4×4)の近親交配をもつ。半妹のラソローニュ(父プリンスチメイ)はナッソーステークスの勝馬。祖母シーの妹、マテルはヴェルメイユ賞の勝馬。
[編集] 競走馬時代
24戦6勝、2着5回、3着3回
- 1924年(2歳)0勝
- 1925年(3歳)3勝、2着4回、3着1回
- 1926年(4歳)1勝、2着1回、3着1回
- 1927年(5歳)2勝
- 収得賞金 6625ポンド
- 1着
- プリンセスオブウェールズステークス(12ハロン=約2400メートル)
- ダッチェスオブヨークプレート
- ゼトランドプレート
- クイーンズプライズ
- グレートノーザンハンデキャップ
- 2着
- ハードウィックステークス
- ノースアンバランドプレート
- 3着
- アスコットステークス
- 4着
- アスコットゴールドカップ
[編集] 種牡馬時代
1927年(昭和2年)、宮内省より依頼を受けた獣医学博士の丹下謙吉がイギリスに赴き、約8100ポンド(当時の日本円で約98000円)で購入した。(輸入に要した経費も含めると9450ポンド、約11万4500円。)トウルヌソルは千葉県の下総御料牧場で種牡馬となった。種付料は500円。
最初の活躍馬のワカタカは1932年(昭和7年)に創設された東京優駿大競走に勝って初代日本ダービー馬となり、帝室御賞典、連合二哩、横浜特別も優勝して当時の大競走を制覇した。これ以降もハッピーランド、ワカミチなどが活躍し、1936年トクマサ、1937年に牝馬のヒサトモが日本ダービーを連覇した。一年あいて1939年クモハタ、1940年イエリュウも連覇。1943年には牝馬のクリフジが変則三冠を達成した。
小岩井農場のシアンモアと種牡馬成績で争い、二大種牡馬と言われ、下総御料牧場の黄金時代を築いた。1944年種牡馬を引退。産駒数374頭。産駒の獲得賞金の総額は150万円を超える。1946年死亡。死後建立された記念碑が残っている。
[編集] メールライン
クモハタ 顕彰馬 日本ダービー 東京5歳特別 6年間種牡馬チャンピオン
|メイヂヒカリ 顕彰馬 年度代表馬 最優秀4歳・古牡馬 菊花賞 有馬記念 天皇賞
||オーシャチ 東京大賞典 大井記念 東京オリンピック記念 名古屋新春グランプリ
|||アイアンハート カブトヤマ記念
||キクノヒカリ ダイヤモンドステークス
||ブラックメイジ 大井記念
||ミオソチス オールカマー
||ハーバーヒカリ 目黒記念
|キヨフジ オークス
|ニューフォード 菊花賞
|カツフジ 天皇賞
||ギンヨク 日本ダービー3着
|ミツハタ 天皇賞
||グレースタイバー 東海菊花賞
|ハタカゼ 天皇賞
||トパーズ 京王杯
|||ウエルスワン 報知グランプリカップ 大井金杯 報知オールスターカップ
||ハタノボル カブトヤマ記念
||ユウセイ 大井記念 大井金杯
|ヤシマドオター 桜花賞 天皇賞
|クインナルビー 天皇賞
|ワカクサ 阪神3歳ステークス 神戸杯
|タカハタ 朝日杯 目黒記念 ダイヤモンドステークス 日本経済賞
|ヤマカブト 中山大障害 東京障害特別
|ケニイモア 中山大障害2回
クレタケ 中山記念
|サチフサ 金杯
トキノチカラ
|ケンチカラ 東京大賞典
|トキノデンコー 京都記念
|クラックソール 中山特別
|キャプテンオー 京都4歳特別
[編集] 主な産駒
- ヒサトモ 日本ダービー 天皇賞
- クリフジ 日本ダービー 菊花賞 オークス
- ワカタカ 日本ダービー 帝室御賞典 連合二哩 連合二哩(横浜)
- イエリユウ 日本ダービー
- クモハタ 日本ダービー
- トクマサ 日本ダービー 帝室御賞典
- テツバンザイ オークス
- ソールレディ 桜花賞
- クリヤマト 皐月賞
- トキノチカラ 天皇賞
- ハッピーマイト 天皇賞 連合二哩
- アカイシダケ 帝室御賞典
- アトランタ 帝室御賞典
- キンチャン 帝室御賞典
- キョクジツ 帝室御賞典
- ダイナモ 帝室御賞典
- アサヤス 帝室御賞典
- イサオ 帝室御賞典
- オーシス 帝室御賞典
- リョウゴク 帝室御賞典
- ツキタカ 帝室御賞典
- スモールジャック 帝室御賞典 連合二哩(阪神)
- イワヰカブト 帝室御賞典 連合二哩(横浜)
- ハッピーランド 連合二哩 連合二哩(横浜)
- ワカミチ 連合二哩
- ピュアーソール 連合二哩
- ヒサニシキ 連合二哩
- クヰンアスパー 連合二哩(阪神)
- スパージョン 連合二哩(阪神)
- ジャンダークトマス(ジャンヌダークトマス) 牝馬連合二哩
- アサハギ 牝馬連合二哩
- ツキヤス 連合二哩(横浜) 目黒記念
- アヅマダケ 連合二哩(横浜)
- テツバンザイ 連合二哩(横浜)
[編集] 血統表
トウルヌソルの血統 タッチストン系 | |||
父
Gainsborough 1915 栗毛 イギリス |
Bayardo 1906 鹿毛 イギリス |
Bay Ronald | Hampton |
Black Duchess | |||
Galicia | Galopin | ||
Isoletta | |||
Rosedrop 1907 栗毛 イギリス |
St.Frusquin | St.Simon | |
Isabel | |||
Rosaline | Trenton | ||
Rosalys | |||
母
Soliste 1910 黒鹿毛 イギリス |
Prince William 1903 黒鹿毛 イギリス |
Bill of Portland | St.Simon |
Electriclight | |||
La Vierge | Hampton | ||
Elizabeth | |||
Sees 1899 鹿毛 イギリス |
Chesterfield | Wisdom | |
Bramble | |||
La Goulue | Prism | ||
Rosary F-No.27-a |
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