デハビランド
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デハビランド(de Havilland Aircraft Company)は1920年にエアコー(Airco)社のチーフ・エンジニアだったジェフリー・デハビランド(Geoffrey de Havilland)が創設したイギリスの航空機メーカーである。
[編集] 概要
はじめAirco社の単座または複座の複葉機のDHシリーズの生産を引き継いだが、エンジンは自社製のジプシーシリーズを用いた。この頃の機体としては、ジプシーとタイガーモスがある。これらの機体は当時の航空記録を立てた。エミー・ジョンソンは1930年にタイガーモスで、イギリスからオーストラリアへ単独で19.5日かけて飛行した。
モスシリーズはより洗練され、ホーネットモス、モスマイナーなどの機体になった。モスマイナーは木製の低翼単葉機である。
デハビランドは双発の高性能機DH88コメットを生産し、 コメットは1934年のイギリスからオーストラリアへの長距離レース、マックロバートソン・エアレース(豪ビクトリア州創立100周年記念レース)で優勝した。
高性能な機体の設計技術と木製構造にたいする経験がデハビランドの機体でもっとも有名なモスキートを生んだ。戦時下のアルミニウムの不足に対応するものでもあった。
第二次世界大戦後の1954年1月、初めてのターボ・ジェット旅客機、DH106 コメットを就航させたが、金属疲労による連続的な事故により経営が悪化し、1959年にホーカー・シドレーに買収される原因になった。
[編集] 機体リスト
- 複葉機
- ジプシー・モス
- DH82 タイガー・モス
- 1930年代の代表的な英空軍の複葉訓練機。7000機以上が生産され、退役後は民間でも使用された。
- 単葉プロペラ機
- 民間ジェット機
- 軍用ジェット機