セマルハコガメ
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セマルハコガメ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Cuora flavomarginata (Gray, 1863) |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
セマルハコガメ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Chinese box turtle |
セマルハコガメ (背丸箱亀、Cuora flavomarginata) は、爬虫綱カメ目潜頚亜目イシガメ科アジアハコガメ属に分類されるカメ。 ワシントン条約付属書II類。
なお、亜種のヤエヤマセマルハコガメは日本固有種で国の天然記念物であり、絶滅危惧II類(環境省)に指定されている。
目次 |
[編集] 分布
- C. f. flavomarginata チュウゴクセマルハコガメ(基本亜種)
- C. f. evelynae ヤエヤマセマルハコガメ
[編集] 形態
甲長11~17cm。種小名のflavomarginataは「黄色い縁のある」の意で、英名のYellow-margined box turtleと同義。縁甲板の縁は明褐色になることが多い。
和名は背甲がドーム状に丸く盛り上がることが由来だと思われる。背甲は黒から褐色。椎甲板と肋甲板の中央部が赤やオレンジ色になることが多く筋のように盛り上がる(キール)。
頭部はオリーブ色から褐色で側面に黄色からオレンジ色の斑点が入る。
腹甲は全体が黒や黒褐色で、腹甲の前足の後方に蝶番が真横に走っている。そのためハコガメの名の通り頭部と四肢を甲羅に引っ込めた後、腹甲を折り曲げて箱の様に蓋をすることができる。
2亜種があるが区別は難しい。
[編集] 亜種
- Cuora flavomarginata flavomarginata (Gray, 1863) チュウゴクセマルハコガメ
- Cuora flavomarginata evelynae Ernst & Lovich, 1990 ヤエヤマセマルハコガメ
[編集] 生態
森林の中にある渓流や沼、湿地の周辺に生息する。ほぼ陸生で、あまり水中に入ることはない。陸棲傾向が強いことからオカハコガメ属としてアジアハコガメ属から分割する説もあるが、近年ではこの分割は無効とする説が有力。
食性は雑食性で昆虫、ミミズ、カタツムリなどの貝、動物の死骸、果物等を食べる。
繁殖形態は卵生で1回に1~4個の卵を産む。
[編集] Status
ENDANGERED (IUCN Red List)
[編集] 人間との関係
中国では食料や薬用とされることほかペットとして流通、飼育されることもある。前述の理由による乱獲や環境破壊により、個体数が激減しているため生息地では保護されている。
[編集] ペット
ヤエヤマセマルハコガメは1972年(当時はセマルハコガメの日本個体群)に国指定の天然記念物に指定されたため飼育は禁止されている。
ペットとして流通するのは基亜種で以前は大量に流通していたが、2000年にアジアハコガメ属全種がワシントン条約附属書II類に記載されたため輸入は大幅に減少している。中国や台湾でも個体数が大幅に減少しているため飼育下で繁殖された個体が流通の大半を占める。産卵数は少ないが飼育下での繁殖例は多い。
[編集] 移入の問題
古くからペットとしての海外からの持ち込みや、島を越えての移動が行われた。そのため、少なくとも沖縄本島には定着している。これは八重山産のものとも、中国産のものとも言われるが定かではない。
また、すでに沖縄本島特産のリュウキュウヤマガメとの交雑によると思われる個体が複数個体発見されているという。生態系や遺伝的な個体群の攪乱が心配されている。
[編集] 関連項目
カテゴリ: Endangered | カメ | 絶滅危惧II類 | 動物関連のスタブ項目