ジーンシャフト
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『ジーンシャフト』 (Geneshaft)は、2001年4月5日から2001年6月24日にかけて、WOWOWで放送されたテレビアニメである。全13話。
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[編集] 概要
23世紀、自らの遺伝子を高度に調整し、受精時点で人生のほとんどが決定される男女比1:9の人類社会において主人公の成長を描く。 3Dオブジェクトの大胆なCG描画はサテライトの手に成るもの。本作は「地球少女アルジュナ」とともに同社の代表作となっている。極端にソフトウェアに依存した兵器「シャフト」の設定は興味深い。用語の多くはイタリアサッカーから取られているが、これは監督の赤根和樹の趣味。また一部の登場人物の名前、サブタイトルなどは有名なSF作品から取られている。
[編集] シャフト
シャフトは巨大な人型兵器でガニメデの遺跡から発掘された。主兵装はマイクロ・ブラックホール砲。パイロットはデバイス・ユニット(DU)と呼ばれる現用機器で構成されたコックピットに乗り、母艦からシャフト内にDUごと移送されて出撃する。シャフトはソフトウェアによる制御が特徴で、機能毎のデバイス・ドライバーをOSが統合し全体として機能する設計となっている。OSはイエローボックス、ブラックボックスなどのサブシステムに分かれているが古代異星人の言語によって書かれており、現用の言語に機械翻訳され一応の稼動状態にはあるが、誤訳によるバグが多く、パニック(機能のバッティングによる起動失敗)、フリーズ(運用中の動作急停止)などの問題を抱えており、システムとしてはいまだ未完成である。しかしながらリングの出現とその攻撃による状況の変化は地球統合機構をしてシャフトの完成を待たずに実戦に投入せざるを得なくなり、主人公ミカ・セイドウを含む訓練中だったドライバー(シャフトのパイロット)候補生達はシャフト母艦で超光速航行が可能な人類最初の戦艦ビルキスに集められて出撃することになる。ビルキスには「人類最高のプログラマー」であるドルチェ・サイトウと複数のデバッガーが集められ、不眠不休でバグをつぶしているが戦闘中の不具合が絶えない。
[編集] 登場人物
- マリオ・ムジカノーバ (18歳/GT:ゴールデンオレンジ/H:180㎝/CV:浜田賢二)
- セルゲイ・IV(フィーア)・スニーク (25歳/GT:ノラール/H:186㎝/CV:川田紳司)
- シビル (CV:夏樹リオ)
- スニーク卿のレジスタ。
- ジュディ (CV:浅野瑠璃)
- ビルキス艦橋オペレーターの一人。
- カミングス (Cv:松尾貴司)
- 元老院メンバーの一人。
- チャタ (CV:宮本充)
- リリィ (CV:小林沙苗)
- ジャンのレジスタ。職場環境のせいか、少々いじけ気味。
- ビスマルク
- 愛称ビス。ダッチ・パートリッジ・ハウンド。ミカの母親がDNA操作によって生み出した犬で高い知能を持つ。
[編集] 用語
- 政府組織・社会制度
- I.E.O.
- 地球統合機構。
- イモータル
- 元老院直属の秘密組織。
- 元老院
- 地球統合政府の顧問機関。
- ステーション・マラカナン
- 宇宙ステーション。Sミッション参加メンバーの集合ポイント。
- シューレ
- 男性種の教育機関。
- 人口管理局
- 遺伝子情報の管理と遺伝子制御された子供を産み出す機関。
- 生存権の剥奪
- 死刑。
- DNA凍結
- DNAの完全な消去。
- 統合軍
- 地球統合政府が保有する唯一の軍事力。200年間、本格的な軍事行動をしたことがない。
- ニーブン基地
- 木星の衛星ガニメデにある基地。
- 遺伝子・スキル
- グリーンベレーパス
- 身体能力と格闘技術が特に優れている者に与えられるライセンス。
- ジーンタイプ
- ジーンタイプ試験紙による適正判断テストに応じて色分けされる遺伝子型。通常成人する15歳までに判明する。
- スキル
- 遺伝子にプログラムされた適正または能力。
- 同位体
- 同じDNAを持つ個体。
- 脳の疲労暴走
- レジスタが糖分補給を怠り、脳機能が著しく低下した状態で日頃抑えている感情が表に出ること。
- ハイスキルDNA保有者
- 標準以上のスキルを持ち、その能力を開花させた人間。
- ホワイト
- ジーンタイプ・ホワイト。
- ライフ・サイクル
- DNAにプログラムされた寿命。15歳で成人し45歳の誕生日を過ぎると身体能力が衰え眠るように死に至る。
- レジスタ
- 人口管理局に属する女性種で主に男性種の行動を監視する役目を負う。遺伝子操作により感情を極端に抑え、脳の副処理能力を強化している。
- 統合宇宙軍の戦力・装備・システム
- エゲリア
- 1発で1個艦隊を壊滅させる威力を持つ量子拡散弾を搭載するエゲリア特殊艦。
- Sユニット
- シャフトの遠隔操作用コンソール。
- F.S.I.
- Finished System and Idling の略。
- F.R.B.
- シャフトの後背に取りつけられたロケットブースター。
- MBH(Micro Black Hole)砲
- シャフト胸部から放ったエネルギー球で空間を湾曲させ、発生した極小のブラックホールを使用し対象を通常空間から消滅させるシャフトの最強兵装。
- クァンタム・イニシャライズ
- ビルキスのメインコンピュータである量子コンピュータを初期化すること。
- セキュリティポール
- ミカが突っ込んだ光の列柱。強力な電磁バリアが張りめぐらされている。
- 第一級戦列艦
- 統合宇宙軍が保有する主戦力。
- 対爆防御機能
- 艦橋内で起きた熱や爆風を密閉する自動防御システム。
- タンデム・システム
- 2台のディバイス・ユニットの双方からメイン/サブの切り替えが任意に行えるシステム。
- Dユニット
- シャフトドライバの乗り込む操縦席。
- テレメーター・システム
- クルーが任務で艦を降りる間、心拍数や血圧など生体反応を艦内においてリアルタイムでチェックするシステム。
- フェイズコードSSJ
- レジスタ不在時、レジスタ専用端末を介さずキャプテンが直接ビルキスのメインコンピュータに指示を音声入力できるモードに切り替えること。
- マスドライバ・ジェネレーター
- 宇宙ステーション内のドッグ側に設置されている超電導の原理を用いた艦の発進システム。
- レジスタ権限
- キャプテンの監視役であるレジスタが時として任務遂行のため行使するキャプテン以上の権限。
- ワームホール航法
- ワープ航法。
- ワームホールユニット
- ワームホール航行時にリング状に展開する特殊装備。
- プログラム
- アーラ・スクリプト
- 航行用プログラムの名称。
- アタカンテ・プログラム
- 攻撃用プログラムの名称。
- カテナチオ
- 防御用プログラムの名称。
- スクリプト“デッレ・ステラ”
- 外宇宙航行用プログラムの名称。
- セッションアプリ
- 各プログラムの調整用アプリケーションの名称。
- トリクワトリスタ
- 艦橋内のキャプテンエリアに立つキャプテンの存在を認識してから艦の全プログラムを起動させる認証プログラム。
- バグ
- プログラムの齟齬。
- バロンドーレプログラム
- ビルキスのメインコンピュータのOSの名称。
- 物質転送プログラム
- シャフトのマイクロブラックホールを利用した物質転送装置を制御するプログラム。
- プログラムエンジン
- 艦の航行上欠かせない重要なプログラムの起動・動作を確認するソフト。
- オベラスの戦力・装備・システム
- オベラス
- リングを操り、太陽系の知的生命体の進化を監視してきたシステム。
- 量子(クァンタム)ビーム
- リングの放つ光の柱。カリフォルニアにある統合軍司令本部を直撃した。
- リング
- 直径約500㎞の金色に輝く輪。オベラスの端末。変幻自在、神出鬼没のエネルギー体。
- その他
- Sミッション
- オベラスの位置と目的を解明することが主目的の極秘任務。
- ガイア
- 人為的進化を否定する反政府組織。
- Gファイル
- オベラスの能力を解析したファイル。
- ビルキス抜錨
- 制御・推進システムを立ち上げ、艦を出航させるの意。
- レジスタキャンディ
- レジスタが効率よく血糖値を上げるために必要不可欠な、果糖の100倍もの甘さを持つドロップ。
[編集] スタッフ
- 原作: サテライト、赤根和樹
- 監督・シリーズ構成: 赤根和樹
- キャラクターデザイン: 大島康弘
- メカニックデザイン: 竹谷隆之、高倉武史
- 色彩設計: 千葉賢二
- 美術監督: 片野坂悟一
- 音楽: 高崎晃
- 音響監督: 明田川仁
- 音響効果: 小山秀雄
- 音響制作: マジックカプセル
- 音響制作担当: 松瀬直仁
- 製作: バンダイビジュアル、電通
- アニメーション制作: サテライト、スタジオガゼル
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ 「SHAFT DRIVE」
- 作曲・編曲:高崎晃
- エンディングテーマ 「BROKEN CAMERA」
- 作詞・作曲・編曲・歌: JI-ZO
- ※JI-ZOは 高崎晃のプロジェクトである。
[編集] 放映リスト
日付は放映日である。
- 「惑星(ほし)を継ぐもの」 (2001年4月5日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:赤根和樹、演出:しのだよしの、作画監督:竹内進二
- 「歌う戦艦(ふね)」 (2001年4月12日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:赤根和樹、演出:山田徹、作画監督:海人乃蒔潟
- 「宇宙(そら)のランデブー」 (2001年4月19日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:赤根和樹、阿部雅司、演出:阿部雅司、作画監督:向山裕治
- 「前哨」 (2001年4月26日)
- 脚本:浅川美也、絵コンテ:石踊宏、演出:石踊宏、作画監督:君塚勝教
- 「天使と宇宙船」 (2001年5月30日)
- 脚本:浅川美也、絵コンテ:坂本郷、演出:しのだよしの、作画監督:竹内進二
- 「過去からのホットライン」 (2001年5月10日)
- 「リング・ワールド」 (2001年5月17日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:阿部雅司、演出:阿部雅司、作画監督:野田康行、渋谷一彦
- 「月は無慈悲な闇の帝王」 (2001年5月24日)
- 脚本:浅川美也、絵コンテ:石踊宏、演出:佐藤英一、作画監督:江口摩吏介
- 「人間以下」 (2001年5月31日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:坂本郷、演出:しのだよしの、作画監督:竹内進二
- 「女たちの知らない男」 (2001年6月7日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:山崎たかし、演出:山田徹、作画監督:海人乃蒔潟
- 「成長への儀式」 (2001年6月14日)
- 脚本:浅川美也、絵コンテ:石踊宏、演出:阿部雅司、作画監督:野田泰行、渋谷一彦
- 「ガニメデの優しい男」 (2001年6月21日)
- 脚本:時村尚、絵コンテ:竹下健一、演出:竹下健一、作画監督:松山光治
- 「幼年期の始まり」 (2001年6月24日)
[編集] 参考文献
日付は発売日である。
- 「星を継ぐもの」(1980年05月)
- 著:ジェイムズ・P・ホーガン、出版社:東京創元社
- 「歌う船」(1984年01月)
- 著:アン・マキャフリー、出版社:東京創元社
- 「宇宙のランデヴー」(1985年09月)
- 著:アーサー・C・クラーク、出版社:早川書房
- 「前哨」(1985年04月)
- 著:アーサー・C・クラーク、出版社:早川書房
- 「天使と宇宙船」(1965年03月)
- 著:フレドリック・ブラウン、出版社:東京創元社
- 「未来からのホットライン」(1983年01月)
- 著:ジェイムズ・P・ホーガン、出版社:東京創元社
- 「リングワールド」(1985年06月)
- 著:ラリイ・ニーヴン、出版社:早川書房
- 「月は無慈悲な夜の女王」(1976年10月)
- 著:ロバート・A・ハインライン、出版社:早川書房
- 「人間以上」(1978年10月)
- 著:シオドア・スタージョン、出版社:早川書房
- 「愛はさだめ、さだめは死」(1987年08月)
- 著:ジェイムズ・ティプトリー・Jr.、出版社:早川書房
- 「降伏の儀式 <上>」「降伏の儀式 <下>」(1988年12月)
- 著:ラリイ・ニーヴン、出版社:東京創元社
- 「ガニメデの優しい巨人」(1981年07月)
- 著:ジェイムズ・P・ホーガン、出版社:東京創元社
- 「幼年期の終わり」(1979年04月)
- 著:アーサー・C・クラーク、出版社:早川書房
[編集] 関連商品
日付は発売日である。
- 漫画単行本 角川書店 「月刊エースネクスト」2000年7月号~2001年9月号連載 角川コミックス・エース
- 作画: 山口恭史、原作: 金子良馬、原案: 東青龍、協力: サテライト
- 「未完兵装ルナシャフト」 第一巻 (2001年03月29日発行)
- 「未完兵装ルナシャフト」 第二巻 (2001年10月1日発行)
- ※アニメとは異なるアナザーストーリーとなっている。
- 小説文庫本 角川書店 角川スニーカー文庫刊
- 主題歌マキシシングルCD
- 「SHAFT DRIVE」 高崎晃 (2001年5月2日)
- サントラCD
- アニメDVD
- 「ジーンシャフト 01」 (2001年08月25日)
- 「ジーンシャフト 02」 (2001年09月25日)
- 「ジーンシャフト 03」 (2001年10月25日)
- 「ジーンシャフト 04」 (2001年11月25日)
- 「ジーンシャフト 05」 (2001年12月21日)
- 「ジーンシャフト 06」 (2002年01月25日)
- 「ジーンシャフト 07」 (2002年02月25日)