ジョラス・シボース
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ジョラス・シボース (Jorus C'baoth) は、SF作家ティモシー・ザーンによるスター・ウォーズのスピンオフ作品(『スローン3部作』等)に登場する架空の人物。人間。男性。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
シボースは銀河共和国末期に活躍したジェダイ・マスターの1人。惑星ボートラス出身。数々の外交任務や、皇帝即位以前のパルパティーン元老院議員の私的顧問を務めたこともある高名なジェダイである。 自らが提唱した、共和国の境界を越えた外宇宙の探査を行うアウトバウンド・フライト計画(外宇宙航行計画)への参加を最後に、その消息は途絶えている。
後に、彼らの宇宙船はスローン大提督(当時は銀河帝国軍に所属していたわけではないので、正確には大提督ではなく、チス防衛艦隊の司令官である)率いるチスの艦隊に攻撃され、探査チームは壊滅していたことが判明。ジョラス・シボースを含むジェダイ達もその際に命を落としたものと考えられている。
強力なフォースの持ち主ではあるが、その性格や物事に対する考え方はジェダイの中にあっても異端であり、良く言えば個性的、平たく言えば傲慢で頑固である。後年、ホログラムでシボースを目撃したことのあるウィンターは、「物事の中心にいたがる人物のように見えた」とルークに語っている。ジェダイ・マスターの称号も、ジェダイ評議会から直接与えられたものではなく、自分で勝手に名乗り始めたらしい。
ジェダイの伝統に対しては懐疑的であり(ジェダイの訓練を開始する年齢制限を馬鹿げた規則と切り捨て、マスター・ヨーダに対してすら、ためらうことなく批判を浴びせている)、またあらゆる事を自分で管理しないと気が済まない性格である。最もこれは個人的な利益や権力を志向してのことではなく、ジェダイの役割は単に「人々に仕え、彼らを守ること」だけではなく、「人々を導き、あらゆる脅威を打ち砕く」(端的に言えば、ジェダイが共和国を治める)ことである、と言う彼なりの信念の表れでもあると思われる(彼の性格からして、功名心もあったであろうが)。
伝統を重んじ、どちらかと言えば受身の姿勢であるジェダイ指導部に対し、彼は過激とも言えるほどに行動的な人物であった。彼はフォースを通じて、やがて共和国を襲うであろう大いなる脅威(クローン大戦と思われる)をいち早く察知しており、そうした不測の事態に対処するため、アウトバウンド・フライト計画を推進したのである。そうした意味で言えば、彼のやや強引とも思える考え方や行動も、ジェダイの伝統にとらわれない、柔軟な方法と見ることも出来る。
しかしながら、「ジェダイは生まれつき他者より優れており、人々から尊敬され、指導者となって当然」と言うような選民的な思考の持ち主であったのも確かである。実際の所彼の行動は、他人の眼には自己中心的で独裁的な振る舞いにしか映らなかった。
このため、アウトバウンド・フライトの艦内でも次第に独裁的な振る舞いを見せ始め、人々の反発を買うことになってしまう。その行動は次第に常軌を逸し始め、ついには、行く手を阻むスローンに対する憎悪から、ダークサイドに堕ちてしまう(恐らくは、艦内での重苦しい空気や対立の影響もあったのであろう)。そしてフォースでスローンの首を締め上げ、後わずかで殺害する所であったが、チス側の反撃によってアウトバウンド・フライト艦隊は壊滅。この攻撃により、おそらくはシボースも命を落としたものと思われる。
後にスローン大提督に見出されるダーク・ジェダイ、ジョルース・シボース (Joruus C'baoth) はジョラスのクローンである。
シボース (C'baoth) の名は、当初の翻訳では「クボース」と表記されていた。この他「スボース」などの表記も見られるが、最近の翻訳では「シボース」で統一されている。