スター・ウォーズ

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Disambiguationこの項目では『スター・ウォーズ』シリーズについて説明しています。「スター・ウォーズ」として公開された第1作についてはスター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望をご覧ください。

スター・ウォーズ』 (Star Wars) シリーズは、ジョージ・ルーカスが温めていた構想を元に映画化された、スペースオペラの代表作である。

目次

[編集] ストーリー

遠い昔、遥か彼方の銀河系において、銀河共和国という巨大な共同国家体が存在した。しかし、時が経つにつれ政治の腐敗が生じ、統治秩序は崩壊、共和国も存亡の危機を迎えた。こうした状況の中、古より銀河共和国を陰で支えてきたジェダイと呼ばれる騎士団が、共和国の秩序を回復させるために奮闘する。だが、彼らの前に、数千年も前に滅びたといわれる恐怖の信奉者シスが現れる。彼らの理想は恐怖で人々を支配する国家の樹立とジェダイの排除。そんな中、ある辺境の惑星で一人の少年がジェダイとして導かれ、銀河共和国・ジェダイ・シスの運命に関わっていく事となる。この少年と後のその子供達、ジェダイとシスの攻防、そして、銀河共和国から銀河帝国へ、そして、再び銀河共和国へと復活を遂げる変遷を描いた壮大な物語である。

[編集] シリーズ構成

本シリーズは、6部構成からなるサーガの形式をとっている。製作順第一作にあたるエピソード4が成功したのち、9部作として発表されたが、現在の公式見解では、6部作ということになっている。エピソード1以前や7以降、各作品の間を埋める物語はルーカス公認の数々のスピンオフ作品が小説として発表されている。しかしルーカス本人はそういった他人が作った「外伝」については全く関心が無く、ほとんどの作品を読んですらいない(スピンオフ作品は多数出版されているおり、中には新三部作が公開される以前に書かれた作品もあり、一部の設定などで矛盾している作品もある)。 また、ルーカスの要望によって製作されたエピソード2と3の間に起きたクローン大戦を描いたアニメ作品「スター・ウォーズ クローン大戦」もルーカス本人の公認を受けている為シリーズを構成する1つの作品であると言える。

  1. スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
  2. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
  3. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
  4. スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
  5. スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
  6. スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(*ジェダイの復讐)

[編集] 映画スター・ウォーズシリーズ

  • 1977年製作: 『スター・ウォーズ』(エピソードIV)(後に、新たなる希望、という副題がつけられた)
  • 1980年製作: 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(エピソードV)
  • 1983年製作: 『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(エピソードVI)
  • 1997年製作: 『スター・ウォーズ 特別篇』(エピソード4)
  • 1997年製作: 『スター・ウォーズ 帝国の逆襲 特別篇』(エピソード5)
  • 1997年製作: 『スター・ウォーズ ジェダイの帰還 特別篇』(エピソード6)
    • 当初原題でも「ジェダイの復讐 (Revenge of the Jedi)」だったが「ジェダイは復讐しない」との理由から「Return of the Jedi」に変更。しかし、日本はすでにメディア露出していたためタイトルを変更せずに公開した。そして、2004年DVD化の時に正式な原題訳通りの『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』に邦題を改題。しかし、エピソード3公開直前の地上波放送時にはTBS系から「ジェダイの復讐」の副題で放映され、多くのファンから批判を浴びた。
  • 1999年製作: 『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』(ファントム・メナスの意味は見えざる脅威)。
  • 2002年製作: 『スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃』
  • 2005年製作: 『スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐』

1977年から1983年にかけてエピソード4・5・6が発表された。その後ルーカスは当時のSFX技術が自分の空想を表現できないとして制作を中断。

しかし1993年スティーヴン・スピルバーグの映画『ジュラシック・パーク』におけるCGの技術革新を見て、まず、エピソード4・5・6をCG技術を用いて化粧直しとシーンの追加を行い、1997年に特別篇として再発表した。その時に培われた技術を応用、発展させてエピソード1・2・3の制作を開始した。

又、『スローン3部作』(ティモシー・ザーン著)を始めとする小説・コミック・アニメ・ゲーム等、「スピンオフ」「拡張宇宙」とも呼ばれる物語が多く創られていて、現在も進行中である。全エピソードを小説に直した小説版の映画スター・ウォーズも販売されている。

エピソード4・5・6は先に作られたので「旧三部作」(クラシック・トリロジーもしくはトリロジー)、エピソード1・2・3は後に作成され、新しいので「新三部作」(プリークェル・トリロジーもしくはプリークェル)と呼ばれる。2005年7月(米では5月)に公開された『エピソード3 シスの復讐』で、映画としての本シリーズは完結となった。

ちなみに、全6作の3D版が、2007年から毎年に1作ずつ2012年まで公開する事が決まっている。

[編集] 特徴

映画作品として、登場するキャラクター・メカなどの関連グッズを製造・発売した初めての映画である。さらに本シリーズに登場する機械や建物は生活感のある「汚れ」がほどこされてあり、黒澤明は「この映画は汚れがいいね」と評価したほどである。このように徹底してリアリティーを追求しており、その手法はCGが多く使われた新三部作でも見ることができる。

世界で最も有名で、人気のある映画とも言われている。他の映画と比べても、自分の名前をダース・ヴェイダーに改名したり、車を反乱同盟軍の戦闘機風に改造する等の多くのコアなファンがいる(大抵の映画は見て時間が経つと忘れたり、人気がなくなったりするものだが、この映画は時間が経っても人気があり、それが衰える事がない)事でも有名である。映画に登場するものの設定が非常に細かい(普通なら兵士A、兵士Bで済まされるキャラにもちゃんと名前と簡単な経歴がある)事もコアなファンが多い一因となっている。映画専門の音楽関係者の「最も良い映画音楽」では1位を、「科学者がみせたいSF映画」でも3位をとった。

ちなみに、元々ルーカスはフラッシュ・ゴードンの映画化を望んでいたのだが、様々な問題が絡み不可能だったため仕方なくそのエッセンスを取り入れた本作を制作したところ、大ヒットしてしまったという逸話もある。

[編集] 反響

1977年に公開された初回作『エピソードIV』は、当時1978年公開の映画『未知との遭遇』や、日本で放送されていたTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』等とともに、世界的なSFブームを巻き起こし、これまでB級映画としてしか認識されていなかったSF作品への評価を完全に変えた。さらに、シリーズ全体で得られた興行収入の記録はいまだ破られていない。又、今日に至るまで多くの映画、SF作品に影響を与え続けており、現在でも本シリーズに登場する宇宙船や武器、さらにセリフを模倣したものが多く見られる。作中で用いた音楽はジョン・ウィリアムズによるもので、これは当時の映画のBGMで廃れつつあった管弦楽の復活にも作用した(ちなみに当初のルーカスの構想では、『2001年宇宙の旅』のように既存のクラシック音楽を用いる事になっていた)。これらの印象的なBGMは今日でも様々なTV番組で流れているのを耳にする。

「エピソードIV」公開当初は、評論家から「スター・ウォーズは子供騙しの映画」と酷評される事が多かったが、近年は「親子の絆を描いた叙事詩」「現代の神話」と高い評価を受けるようになった。又、エピソードI・II(新三部作)に対してファンや各メディアの反応はあまり良くなかったが、エピソードIIIが公開されると、逆にエピソードI・IIのまとまり具合が評価されるようになり、新三部作全体の評価も見直されてきている(ただしまだ新三部作の評価についてはファンの間で隔たりがある)。

新三部作の各エピソードで流れるBGMはそれぞれのテーマ音楽は新鮮味に溢れているが、過去の作品で流れた音楽の使いまわしも多く、それに対しての不満も出ている。ただ、この傾向は旧三部作にも見られる事でもある(エピソードVで使用された「帝国のマーチ」がアレンジされて後のエピソードVIでも多用されている、等)。

他には主なスピンオフ(映画を中心に考えた場合の、その他の物語)としてエピソードIIとIIIの間を描いたカートゥーン ネットワーク共同制作のアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』があるが、こちらはなかなかの出来で絵に拒絶反応をしめす人も大量の動画枚数からくる絵の滑らかさと場面の切り替わりの早さに悪い評価はなく、逆にルーカス自身の最近の作品より楽しめると言う人もいるようである。この作品のみは数あるスピンオフの中で違和感なく話が繋がっており、ルーカスも正史に入るとしているとし、さらに、この続編の製作も決まっていて、3D化されるという噂もある。 又、エピソードIIIとIVの間を描いた1時間×100話の連続ドラマを作る事を公言している。

又、旧三部作のDVDにおいてはリファインされた『特別編』しか市場に流通しておらず、映画公開時のオリジナルバージョンを見る事が大変困難になっている事に対して一部ファンからは不満の声もあった。ルーカスとしては自分が当初から構想していた通りに作り直した『特別版』こそが真の『スター・ウォーズ』なのだ、という想いがある様なのだが、やはりファンとしては“あの頃のまま”で見たいという欲求も強いのであろうと思われる。その意向を汲んで(かどうかは不明だが)、2006年に北米地域を初めとした世界各地域で旧三部作の映画公開時バージョンのDVD化が決定。日本でも9月に特別篇とのカップリングで発売された。

[編集] 日本におけるテレビ放映

本シリーズの日本においてのテレビ初放映作品はもちろん初回作である『エピソードIV』。1983年10月5日に日本テレビ系映画番組「水曜ロードショー」(現「金曜ロードショー」)でお目見えになった。

この日の日テレはお祭り騒ぎで、朝から生番組にC-3POとR2-D2を出演させて宣伝していたり、夜7時からの一時間枠は「ウルトラ宇宙クイズ・秋のSF大決戦 スターウォーズまで後60分!!全国子供博士大集合」という特番を放映したほか、「水曜ロードショー」も通常夜9時からの放映枠を1時間前倒して8時からの3時間の特別編成を敷いた。しかし、「水曜ロードショー」が始まっても日テレ局舎内で行われたタモリ研ナオコらによるグダグダの寸劇(ちなみに愛川欽也による解説も寸劇の中という形で行われたが、すぐに終わってしまう)が続いてなかなか本編が始まらなかったり、主役級の吹き替えに声優としての実績が皆無の有名芸能人(ルーク: 渡辺徹、レイア: 大場久美子、ソロ: 松崎しげる)を起用して「作品をぶち壊した!」と苦情が殺到するなど、気合いが空回りして不評を買う。なお、その数日後にテレビ朝日系映画番組「日曜洋画劇場」でこちらも本邦初放映された『スーパーマン』に視聴率では後塵を拝した。

二番目のテレビ放映もやはり日テレの「金曜ロードショー」枠(水曜から放送曜日移動)で『エピソードIV』。この時からの吹き替え陣は、ルーク: 水島裕、レイア: 島本須美、ソロ: 村井国夫という、その後のシリーズ作でも続けた組み合わせでなされた。ただし、2005年6月~同年7月に行われたNNNJNNANNのエピソード3公開を控えた5作一斉放送(リレー形式での放送なので順番がめちゃくちゃになってしまった・1(NNN)-4(ANN)-2(NNN)-5(ANN)-6(JNN)の順)では一部の声優が変わってしまった。

現在の新シリーズでは劇場公開時の日本語吹替版にオープニングのナレーションを加えただけのものを放送しているため、旧シリーズから通して同じ声というわけではない。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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スター・ウォーズ シリーズ
エピソード1/ファントム・メナス | エピソード2/クローンの攻撃 | エピソード3/シスの復讐
エピソード4/新たなる希望 | エピソード5/帝国の逆襲 | エピソード6/ジェダイの帰還
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