ジャパンプロレス
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ジャパンプロレスは、昭和後期に存在したプロレス団体。1982年、長州力の俗に言われる「噛ませ犬発言」より誕生した維新軍団が元となり、新日本プロレスを離脱した面々を中心に旗揚げされた団体である。
[編集] 概要
長州、アニマル浜口から始まった維新軍団は、当時ロサンゼルスに在住していたマサ斎藤を訪ね、「好きなようにやれよ、骨は俺が拾ってやるから」というマサの言葉を胸に帰国。その足で新日本に辞表を提出した。これに共鳴した小林邦昭、寺西勇らがこの「維新軍団」に合流した。
1984年、維新軍団を始め、新日本プロレスの体制(アントニオ猪木が会社の金を使い、自分の事業につぎ込んでいたと言われる)に不満を持ったレスラーを、新日本プロレスで営業部長をしていた大塚直樹が取りまとめ「新日本プロレス興行」を旗揚げ。同年10月に「ジャパンプロレス」に改称した。メンバーは小林、寺西、キラー・カーン、谷津嘉章ら維新軍団のほか、栗栖正伸、保永昇男、永源遙ら。ジャパンプロレスはジャイアント馬場率いる全日本プロレスと業務提携し、メンバーは全日本マットを主戦場にしたほか、幾度か自主興行も行った。
全日本に参戦した長州らジャパン勢は、アメリカンスタイルと言われた「受けて勝つ」全日本のプロレススタイルに大きな影響を与えたと言われる。どちらかと言うとさっさと蹴散らしてしまう、いわゆる「ハイスパートレスリング」を身につけていた長州らのプロレスは、その後の天龍源一郎ら全日本の主力陣にも影響を与えている。また、代表である大塚直樹の尽力により、ジャイアント馬場と梶原一騎が会談する機会が生まれ、このことが縁で二代目タイガーマスク(三沢光晴)が全日本プロレスで誕生している。
1985年6月に長州が大塚に代わりジャパンプロレス社長に就任。全日本では未だにファンから「伝説」と言われるジャンボ鶴田との一騎打ち(大阪城ホールにて。60分フルタイムドローだったが、長州はロッカーで伸び、2時間近く動けなかった。しかし鶴田は試合後すぐにシャワーを浴び、そのままバスに乗り込み、飲みに行ったといわれる)などの名勝負を繰り広げるも、1987年3月、まだ残る全日本との契約を一方的に解除し、独立した。
契約解除に関しては、長州側は「3月一杯で切れる契約を更新しなかった」と語っているが、馬場は「まだ契約は残っていた」と語っており、このとき激怒した。当時、全日本プロレスとその放映権を持つ日本テレビは一番関係の強かった時期であり、全日本の重役(社長などのポスト)も日テレから役員が出向、あるいは転籍の形で就任していた(馬場は会長ポスト)。裏切りや契約には人一倍厳しかったと言われる馬場だが、馬場からしてみれば日テレに大変迷惑がかかることであり、そのことが許せなかったようだ。
長州はジャパンを追われ、新日本に再び戻ることとなった。ジャパンは全日本に残留する者、新日本に再び戻る者に分裂し、崩壊。長州、マサらは新日本に戻ったが、谷津、永源らは全日本に残留。新日本に戻った長州らは「ニュー維新軍団」を結成し、谷津はジャンボ鶴田とタッグチーム(五輪コンビ)を組む。また永源は、タニマチとの顔の広さを馬場から買われ、営業を任される重要なポストに就く事になる。
一説にはこの分裂劇は、二枚看板のうちの一枚が離脱し経営が苦しく、UWFの誕生などで興行も苦しかった新日本の打開策として、アントニオ猪木、坂口征二が長州に「帰ってきてくれ」と頼み込んだと言われている。しかし、当時新日本役員だった坂口はその後も馬場との付き合いがあり、お互いに信頼しあっていたことを考えると、何が本当なのかは謎である。
裏切りで始まり、裏切りで終わった形になってしまったジャパンは、マスコミを中心に非難された。その十数年後、再び長州は新日本を離脱し、WJプロレスを旗揚げしているものの、再び同じような格好となってしまい、佐々木健介をはじめ多くの面々が辛い状態を余儀なくされている。
[編集] 構成員
- 長州力
- マサ斎藤
- 永源遙
- アニマル浜口
- 小林邦昭
- 寺西勇
- 仲野信市
- キラー・カーン
- 谷津嘉章
- 新倉史祐
- 保永昇男
- 笹崎伸司
- 栗栖正伸
- 馳浩
- 佐々木健介
- スーパー・ストロング・マシーン(ハリケーンズ)
- ヒロ斎藤(ハリケーンズ)
- 高野俊二(ハリケーンズ)
- (田上明のプロフィールには「ジャパンプロレス入団」となっているが、これは当時、大相撲廃業後すぐに全日本プロレスに入門を志願したことで、ジャイアント馬場が角界の目を気にして行った暫定的な措置である。従って、籍はジャパンに置いていたが、実質は全日本所属選手だったということになる。)
- スタッフ
- 大塚直樹
- タイガー服部(レフェリー)
[編集] 関連項目
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