ショウリョウバッタ
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ショウリョウバッタ | ||||||||||||||||
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ショウリョウバッタ(オス) Acrida cinerea antennata |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Acrida cinerea (Thunberg, 1815) |
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和名 | ||||||||||||||||
ショウリョウバッタ | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Oriental longheaded |
ショウリョウバッタ(長頭蝗、ショウジョウバッタ) Acrida cinerea は、バッタ目・バッタ科に分類される昆虫の一種。日本に分布するバッタの中では最大種で、斜め上に尖った頭部が特徴である。
目次 |
[編集] 特徴
オスの成虫は体長5cm前後で細身だが、メスの成虫は体長8cm前後に達し、オスよりも体つきががっしりしている。メスは日本に分布するバッタでは最大で、オスとメスの大きさが極端に違うのも特徴である。
頭部が円錐形で斜め上に尖り、その尖った先端に細い紡錘形の触角が2本つく。他のバッタに比べると前後に細長いスマートな体型をしている。体色は周囲の環境に擬態した緑色が多いが、茶褐色の個体も見られる。また、オス成虫には目立った模様がないが、メス成虫は体側を貫くように黒白の縦帯模様が入ることが多い。幼虫は成虫とよく似るが、幼虫には翅がない。
[編集] 分布
ユーラシア大陸の熱帯から温帯に分布し、日本でも全国で見られる。ただし北海道に分布するようになったのは20世紀後半頃からと考えられている。
[編集] 生態
成虫が発生するのは梅雨明け頃から晩秋にかけてで、おもに背の低いイネ科植物が生えた明るい草原に生息する。都市部の公園や芝生、河川敷などにも適応し、日本のバッタ類の中でも比較的よく見られる種類である。食性は植物食で、主にイネ科植物の葉を食べる。
生息地に踏み入ると、オス成虫が「キチキチキチッ」と鳴きながら飛行する。これは飛行する際に前後の翅を打ち合わせて発音することによる。幼虫とメス成虫は飛行せず、後脚でピョンピョンと跳躍して逃げる。
成虫は秋に産卵すると死んでしまい、卵で越冬する。卵は翌年5~6月頃に孵化し、幼虫はイネ科植物の葉や双子葉植物の花を食べて急速に成長、6月中旬から7月の梅雨明けにかけて羽化し、11月頃まで生息する。
[編集] 名前の由来
俗説で、8月の旧盆(精霊祭)の時季になると姿を見せ、精霊流しの精霊船に似ることから、この名がついたと言われる(同様の命名にショウリョウトンボがいる。)。 また、オスメスの性差が非常に大きく、別の名前が付くくらい違って見えるので「天と地ほども違う」という意味の「霄壤」から、ショウジョウバッタ(霄壤バッタ)と呼ばれる。
オスは飛ぶときに「キチキチキチ…」と音を出すことから「キチキチバッタ」とも呼ばれる。特にメスは捕らえやすく、後脚を揃えて持った際に身体を縦に振る動作をすることから「コメツキバッタ」(米搗バッタ)とか「ハタオリバッタ」(機織バッタ)という別名もある。
精霊飛蝗(ショウリョウヒコウ)は、日本ではショウリョウバッタと読めなくもないが、本来「飛蝗」とは相変異し群生相となったサバクトビバッタ、トノサマバッタを指し、このバッタに似つかわしくない名前である。日本でいうところのバッタは「蝗」一文字である(中国語では蝗蟲)。(日本では一般に「蝗」はイナゴ(稲蝗)を意味するがイナゴとバッタを区別しない地域もあり統一的ではない。精霊飛蝗も単に「盆になると出現するよく飛ぶバッタ」として作られた当て字の可能性もあり不適切とは云い難い。「蝗」とバッタ・イナゴの混同についてはイナゴの項を参照のこと。)
漢名「長頭蝗」は Acrida属を指す。
[編集] 類似種
ショウリョウバッタと同様に頭が前方に尖るバッタにはオンブバッタとショウリョウバッタモドキがいるが、生息環境や体の大きさが異なる。
オンブバッタ Atractomorpha lata はショウリョウバッタよりずっと小型で、おもに草丈の高い畑やクズ群落などに生息する。成虫に翅はあるが飛行しない。
ショウリョウバッタモドキ Gonista bicolor は姿や分布・出現時期がショウリョウバッタに似るが、小型であること、頭部が斜め上でなくまっすぐ前に尖ること、背中が褐色であること、後脚が短いこと、草丈の高い湿った草原を好むことなどで区別できる。