グレイトフル・デッド
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グレイトフル・デッド (The Grateful Dead) はアメリカのバンド。1960年代のヒッピー文化、サイケデリック文化を代表するアーティストである。デッドヘッズと呼ばれる熱狂的な追っかけファンが多く、ヒットチャートとはほとんど無縁の存在ながら、常にアメリカ国内のコンサートの年間収益では一二を争う存在だった。
グレイトフル・デッドの音楽は「アシッド・ロック (Acid Rock)」と呼ばれ、アシッド(麻薬類の総称)、特にLSDによる幻覚幻聴作用を連想させることを一つの特徴とした。
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[編集] 歴史
1965年、ジェリー・ガルシアを中心にサンフランシスコで結成、1967年にデビュー。当時サンフランシスコで勃興したサイケデリック・ロックのバンドとして人気を得るが、アルバムのセールスは芳しくなかった。きっちり作り上げられたスタジオ録音作品を聴かせるよりもライブでの即興演奏の方にバンドの妙味があり、やがてはそれが最大の売りとなる。
サイケデリック文化の衰退後も、脱退や死亡によるメンバーチェンジを頻繁に繰り返しながら米国随一のジャムバンドとして精力的なライブ活動を続ける。興が乗れば一つの曲で数十分も演奏を続けるため、長いときは公演時間が8時間に及ぶこともあったという。
即興型のロックが退潮した1980年代以降も根強い人気を保ち続け、スタジオ録音作品を出さずともコンサートの動員数や収益は常にトップクラスにあった。またデッドはライブの自由な録音と交換を許可したバンドとしても知られた。会場には録音者(テーパーと呼ばれる)のためのスペースまで確保されていたほどで、それゆえ高音質の音源が多い。録音されたライブ音源のカセットなどはその後ファンの間で交換され、ライブへのさらなる動員を促した。
デッドヘッズと呼ばれるファンの熱心さにおいても一種の宗教といえるほどの存在であり、親子二世代に渡るファンを獲得することで1990年代に入っても人気を保ち、1994年にはロックの殿堂入りを果たす。しかし1995年8月9日、リーダーのガルシアの死去によってバンドは活動停止を宣言、解散した。
その後メンバーが再集結してアザー・ワンズを結成、現在は「ザ・デッド」の名でライブ活動を行っている。
[編集] 豆知識
- グレートフル・デッドをモチーフとしたTシャツ類は現在に至るも全米での人気商品となっている。
- リトアニア代表バスケットボールチームのスポンサーになったこともある。この時、リトアニア代表のユニフォームにはグレイトフル・デッドのロゴが入った。
[編集] 関連項目
- フィッシュ
- 刑事ナッシュ・ブリッジス 登場人物にデッド・ヘッドが出演し、演じた役者ジェフ・ペリーも熱狂的なデッド・ヘッドとして有名。
[編集] 外部リンク
- Grateful Dead Official Home Page (英文)
- The Grateful Dead Family Discography
- The Compleat Grateful Dead Discography
- The Annotated Grateful Dead Lyrics
- GratefulDeadBooks.com
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