サイケデリック
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サイケデリック (サイケ、形psychedelic/名psychedelia) は、1960年代後半、ヒッピー文化、カルフォルニア州サンフランシスコ近くのHaight-Ashburyなどの音楽や美術、芸術、ファッション、文化のスタイルの一大ムーブメントだった。それは1966年に徐々に始まり、1967年にはサマー・オブ・ラブとともにブレークした。はじめはサンフランシスコに関係したものだったが、そのスタイルはすぐにアメリカを駆け巡り、イギリスそして世界に広まったが、70年代中盤までには沈静化していった。
サイケデリックの名前は精神科医のハンフリー・オズモンドがpsycology+delicious(一説にはギリシャ語のpsyche/精神+delos/出現)を組み合わせた造語に由来する。LSDなどのドラッグによってもたらされる、騒々しく、ぐるぐる渦巻く、極彩色のビジュアルイメージやペイズリー模様などで特徴付けられる。また、ヒンドゥーやインディアン、様々なアジアのモチーフにも影響も受けていて、日本では横尾忠則などの作品にも影響が見られる。音楽的にはドアーズなどに代表される、独特の浮遊感と超現実的な音作りを基調としたロック・ムーブメントなどをさす。中期のビートルズもその影響を強く受けており、イエロー・サブマリンのアートワークやアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」「リボルバー」収録の「トゥモロー・ネバー・ノウズ」などにその傾向は色濃く見られる。これらのカルチャー・ムーブメントは当時の若者らに顕著に使用されるスタイルだった。
近年の60年代、70年代リバイバルに関連して再評価も進んでおり、映画「オースティン・パワーズ」などでは大々的にフィーチャーされた。