グランディアIII
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グランディアIII | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | ゲームアーツ |
発売元 | スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM 2枚 |
発売日 | 2005年8月4日 |
価格 | 7,980円(税込) |
対象年齢 | CERO:12才以上対象 |
売上本数 | 約25万本 |
その他 | 予約者のみ特典有 |
『グランディアIII』(en:GRANDIA III)は2005年8月4日にスクウェア・エニックスより発売されたプレイステーション2用RPG。開発はゲームアーツ。
目次 |
[編集] 概要
本作は、「空」を舞台に描かれる大冒険活劇である。従来のシリーズから大きく進化したグラフィックと、キャラクターの声には声優ではなく俳優をキャスティングしたことで話題と波紋を呼んだ。
当初、2005年8月に発売が予定されていた『ファイナルファンタジーXII』が延期され、その穴埋めとして発売される形となった。しかし、販売を担当するスクウェア・エニックスのバックアップから本作品の注目度は高く、今作で初めて『グランディア』シリーズをプレイしたというユーザーは多い。
[編集] テーマソング
- 主題歌:In The Sky
- 歌手:Miz
[編集] スタッフ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
飛行機乗りに憧れる少年ユウキ。彼は飛行王シュミットという名だたる飛行機乗りに憧れ友人のロッツと二人飛行機の制作をしていた。何度も墜落し苦心の末作った新たな飛行機で、ユウキは退屈なアンフォグの村から大陸へと飛ぼうとする。 飛行は成功したが、母・ミランダにこっそり後部座席に乗られ墜落寸前となる。そしてその時何物かに追われている馬車を発見しユウキはそちらに眼をやった隙に再び飛行機を墜落させてしまう。 そこでユウキはミランダと共に神人になろうとする少女・アルフィナと出会う。 彼女が大陸の街アーリグリフを目指そうとしている事を聞き、ユウキはミランダと共に護衛を申し出た。
[編集] 登場キャラクター
[編集] 主要人物
- ユウキ(声:松風雅也)
- 本作の主人公。幼い頃に、飛行王「シュミット」の映画を観て以来、空を飛ぶことに憧れを抱く。かつてシュミットが成し得た、大陸横断を目指し、親友のロッツと飛行機を製作している。
- アルフィナ(声:木南晴夏)
- 本作のヒロイン。本名は「アルフィナ・デ・パメラ」。神獣の言葉を代弁する「神人(コミュート)」の一族。兄、エメリウスの企みを知るためアークリフへと向かう。ケーキ大好き。
- ミランダ(声:若村麻由美)
- ユウキの母親。女手一つでユウキを育ててきた。表裏のない性格で、人には遠慮しないできっぱりと言う性格。
- アロンソ(声:葛山信吾)
- ユウキ達が大陸へ渡るため、船を探している所へ現れた謎の男。自称「海の男」。しかし、その実態は、借金のかたに自分の船を取られてしまった、声も出ないギャンブラー。
- ウル(声:柴木丈瑠)
- 飛竜に乗って世界を駆け巡る少年。生まれは「飛竜の谷」だが、堅苦しい掟に嫌気がさして、一族を抜け出した。荒っぽい性格だが、情には熱い性格。肉が大好物。
- ダーナ(声:吉野紗香)
- バクラの集落の族長。2年前の姿を消した恋人、デュンケルを失った悲しみを拭えないでいる。
- ヘクト(声:前田綾花)
- 地上とは別の世界である、聖獣の故郷「バース界」に暮らす少女。いつも虚ろな目をしており、まるで表情がない。彼女の奏でるバイオリンの音色は生命を散らしている。手が冷たい。
- エメリウス(声:萩野崇)
- アルフィナの兄。3年前に忽然と姿を消したが、彼は再びアルフィナ達の前に現れ、「ゾーン」の力で世界の聖獣を殺し始める。
- デュンケル(声:笠原紳司)
- かつてはバクラの集落の族長を務めていたが、エメリウスと出会うことで供にバース界へ渡り、世界の真実を知る。「ゾーン」の力を手に入れたエメリウスを止めるため暗躍している。
[編集] エメリウスの配下
[編集] 評価
総じて言うならば、ベースとなる部分については、文句の付け所がないが、いくつかの細かな部分が、それをぶち壊しにしている…というのが総合的な評価である。いくつかの個人サイトでは、問題点を改善したリニューアル版グランディアIII の発売の署名を求めているなど、今後の改善が期待されている。似通った存在として「ローグギャラクシー」等がよく比較される。
良点
- グラフィックと背景が綺麗。細部まできちんと作りこまれている。
- 戦闘システムは、コマンド戦闘とリアルタイム戦闘を上手く複合させている。また、戦闘中のアドバイスシステムは、RPGに慣れないユーザーにも分かりやすく親切。
- 新たに取り入れた「空中コンボ」は、上級者向けのシステムではあるが爽快感がある。
- アルフィナがケーキを食べるシーンは本作屈指の名場面として、非常に評価が高い。
- NPCとの会話が一通りではなく、複数のテキストが用意されている。これはグランディアシリーズの特色であり、他のRPGにはあまり見られない。
- シリーズ内でも特に異彩を放つシナリオ。
- ロード時間が短く、快適にプレイできる。
悪点
- 声優を起用せず俳優をキャスティングしたことによる棒読み演技。そのため声が聴き取りづらく、ムービー中は字幕もないため、何を言ってるのかが分からない場面が多々ある。
- いわゆる一本道ストーリーの典型であるため自由度が少ない。また、世界も狭く、寄り道できる場所やシリーズお約束の隠しタンジョン等もない。
- ストーリーに荒と矛盾が目立つ。基本的に背景が語られることなくストーリーが進んでいくため、なぜ主人公たちは世界を救おうとしているのか、なぜ敵は世界を破滅させようとしているのかプレイヤーには全く分からない。ただ何となく行動しているような印象があり、プレイヤーの知らぬ間に行動原理・目的が入れ替わることが多々ある。キャラクターの言動も不可解なものが多い。
- 伏線が回収しきれていない(アルフィナはなぜアークリフを離れたのか、コーネルやヴィオレッタたちがエメリウスに加担する理由、等々)。
- カメラワークが悪い。
- ダンジョンが長く、ザコ敵も多いため(シンボルエンカウント方式なので避けることも可能だが)、一つのダンジョンの攻略に時間がかかる。
- Disc2以降の戦闘バランスが崩壊している(ほぼ先手を取られ一撃死に近い大ダメージを受ける等、異様に強くなっている)。それでも、きちんとキャラクターを育て、戦術を練って挑めばそれほど苦でもないが、やることが固定化され戦闘がワンパターンと化す。あまりRPGに慣れていないユーザーは途中で投げてしまう場合が多い。
- 序盤で最強魔法を作れたり、スキルの扱いが複雑等、前作「グランディア エクストリーム」から成長システムが明らかに退化している。
- Discが二枚組みにしてはボリュームがない。
- ヒロインの行動が理解不能で情緒不安定に思える。
- キャラに魅力がない。