キープ (通貨)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キープあるいはキップ(Kip)は、ラオスの通貨単位。ISOによる略称はLAK。2006年5月現在、1アメリカドル=10,065キープ。補助通貨単位はアット(At)で、1キープ=100アット(at)。 1979年に行われたデノミによって100旧キープが1新キープとなった。
現在流通している貨幣単位は、50,000、20,000、10,000、5,000、2,000、1,000、500、100、50、20、10、5、1である。但し硬貨は現在発行されていない。
国内経済がタイとの交易に依存していることもあり、タイバーツ、ならびにアメリカドルが日常的に流通している。
[編集] 紙幣
紙幣は5 kip、10 kip、20 kip、50 kip、100 kip、500 kip、1000 kip、2000 kip、5000 kip、10000 kip、20000 kip、50000 kip。現在では主に500 kip紙幣以上が使用されている。
- 1 kip紙幣(薄青)
- 5 kip紙幣(薄緑) 表:商店での商品販売の様子、裏:象による木材運搬の様子、1979年発行
- 10 kip紙幣(オリーブ色) 表:木材の切り出しの様子、裏:病院医療・近代医学による手術、1979年発行
- 20 kip紙幣(薄赤) 表:近代織機による繊維生産、裏:ラオス人民解放軍の戦車と兵士、1979年発行
- 50 kip紙幣(薄赤) 表:稲刈りの様子、裏:ダム施設、1979年発行
- 100 kip紙幣(濃緑) 表:稲刈りの様子、裏:メコン川の友好橋と石油精製施設、1986年発行
- 500 kip紙幣(濃緑) 表:近代灌漑施設、裏:果実の収穫の様子、1988年発行
- 1000 kip紙幣(濃緑) 表:ラオ民族衣装の女性とタート・ルアン、裏:水牛の牧畜の様子、1998年新版発行
- 2000 kip紙幣(青/赤) 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:セメント工場、1997年発行
- 5000 kip紙幣(こげ茶) 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:近代穀物貯蔵施設、1997年発行
- 10000 kip紙幣(青) 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:パクセー付近のメコン川にかかるパクセー橋、2002年発行
- 20000 kip紙幣(オレンジ) 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、2002年発行
- 50000 kip紙幣(赤) 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党]書記長とタート・ルアン、裏:国立図書館、2006年発行
[編集] 通貨キープの変遷
- 王国キープ(または「ヴィエンチャン・キープ(Kip Vientiane)」):1957年に仏領インドシナ・ピアストルを廃止し新通貨キープが導入された。ラオス王国国立銀行(Banque Nationale du Laos, Kingdom of Laos)発行。1キープ=100セント。
- 「パテート・ラオ(Phathet Lao)」キープ(または「解放キープ(liberation kip)」):1975年12月の社会主義革命後、1976年6月13日に1パテートラオ・キープ=20王国キープで導入された。
- ラオス人民民主主義共和国(Lao PDR)キープ(または「国立銀行キープ(National Bank kip)」):1979年12月16日に通貨改革が実施され、1新キープ=100旧(解放)キープとされた。