キリスト教民主主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キリスト教民主主義(キリストきょうみんしゅしゅぎ)は政治思想の1つで、19世紀のローマ教皇・レオ13世が労働者の惨状とそれへの対応の必要性を認識しつつ、当時勃興しつつあった社会主義や労働組合運動に対抗して発した初の社会回勅『レールム・ノヴァールム』を受けてヨーロッパで勃興した。カトリック教会のこの問題に対する立場はピウス11世の『クアドラジェジモ・アンノ』でより明確にされている。
ただし実際のキリスト教民主主義運動はとても幅広く、いくつかの問題については一般的な合意がもたれている。基本的な国家像は権力分立であり、経済は人間性を保って行われるべきだと考える。特に課税前所得こそ平等であるべきだ、という主張に帰結する。ただしキリスト教民主党の多くは資本主義それ自体に懐疑的ではない。キリスト教民主主義者は国家の市民への義務をある程度重視するが、キリスト教社会主義には反対する。この10年間でヨーロッパのキリスト教民主政党は経済面でより右翼側へ、経済における政府の役割を減らす自由主義経済にシフトしているが、同時に所得移転を強化する方向性も打ち出している。ラテンアメリカのキリスト教民主政党はヨーロッパのそれと比較するとより幅広く左翼的な経済的視点をも包含している。
道徳観や伝統に関してはキリスト教民主主義は保守的である。本来はこの教義こそが根本であり、所得格差を放置することが家族や地域社会を破壊するという認識から、極端な自由主義に懐疑的である。と同時に、無宗教的に思想に近い社会主義にも敵対的である。
[編集] 関連項目
この「キリスト教民主主義」は、キリスト教に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 |