ガンダムファイト
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ガンダムファイトとは、TVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』において行われる、架空のイベントである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ガンダムファイトとは
ガンダムファイトとは、コロニー国家間の全面戦争を回避する為にデューサー教授が提唱した概念で、即ち、地球をリングに、各コロニー国家がコロニー国家連合の主導権を賭けて「ガンダム」と名付けられた機動兵器で競い合う武闘大会である。参加資格はコロニー国家全てが持っている。つまり、どんな弱小国家であろうと巨大国家であろうとコロニー国家連合の主導権を手に入れる事が出来る、究極的に公平且つ平和的な代理戦争である。未来世紀8年に第1回大会が開催され、以後4年毎に開催されているが、第12回大会のみ、コロニー間の緊張が高まったためにさらに4年延期されたことがあり、未来世紀60年の時点のガンダムファイトは第13回大会に当たる。
優勝した国家はそれから次回のガンダムファイト開催までの4年間、コロニー国家の代表となると同時に、次回のガンダムファイトの主催国となる。また、優勝者には「ガンダム・ザ・ガンダム」の称号が与えられる。
尚、国家間の戦争を巨大ロボットの闘いで代用する、という設定は1989年に公開された映画『ロボ・ジョックス』と同じである。
[編集] ガンダムファイト国際条約
全7箇条からなり、以下の7項目が規則として定められている。ガンダムファイター(GF)達にも浸透しているようだ。
- 頭部を破壊されたものは失格となる
- 相手のコクピットを攻撃してはならない(補足:試合中の過失によるガンダムファイターの殺傷は認められる)
- 破壊されたのが頭部以外であれば、何度でも修復し決勝リーグを目指すことが出来る
- ガンダムファイターは己のガンダムを守り抜かなくてはならない
- 1対1の闘いが原則である
- 国家の代表であるガンダムファイターは、その威信と名誉を汚してはならない
- 地球がリングだ!(補足:ガンダムファイトによって地球上の建築物を破壊しても罪に問われない )
ちなみに、大会運営には他に開催国によるレギュレーションが制定されており、その中には機体がモビルトレースシステムを採用していることも規則として定められているらしい。第13回大会に出場したマスターガンダムの査察の際、ファイティングスーツを使わずに操縦することに対して、レギュレーションに違反することがないという結論が出されている。
[編集] ガンダムファイター
ガンダムファイトは、人類が戦争を回避する最後の手段といっても過言ではない。国家が総力を挙げて行う戦闘で発生する甚大な被害を避ける為、各国共モビルファイター(以下MF)の開発は国家の威信をかけて行われる。
MFがモビルスーツと大きく違う点は、モビルトレースシステムにより搭乗者の体の動きをそのままMFが再現し、人機一体を実現させている事である。それ故MFは大口径ビームライフルやハイメガキャノン等の兵器は使わず(一部使われている例もあるが)機体性能と操縦者の実力が頼りとなっている。MFのモビルトレースシステムはただ搭乗者の動きをトレースするだけではなく、受けるダメージも同じように搭乗者に帰ってくる。それ故MFの操縦者には常人離れした心・技・体が要求される。つまり、MFの操縦者は「エース・パイロット」ではなく、「格闘技の達人」が最適なのである。MFに搭乗するパイロットは特に「ガンダムファイター」と呼ばれる。
ガンダムファイターとは選出国が世界の主導権を握る為の戦争代理人でもある。
[編集] ガンダムファイトの問題点
一見公平且つ完璧に見えるガンダムファイトであるが問題も抱えている。例えば、第7条の補足に於ける「地球上の建造物の破壊」に制限がない事はそのまま地上の荒廃に繋がりかねない条文である。また、地球をリングとするガンダムファイトは、地球上で生活する人間の事情を全く考えていないという側面もあり、その為地上の人間からは忌み嫌われるイベントでもある。第1話におけるベルチーノ警部の言葉は、それを象徴していると言ってもいいだろう。
また、ジェントル・チャップマンやアレンビー・ビアズリーの例から考えるとドーピング規制が未整備の可能性があり、ファイターの健康に対し十分な配慮がされていないようである。
敢えて挙げ足取りのような問題点を提議するならば、リック・ディアスやサイコガンダム、サザビーなどのように頭部にコクピットを有するガンダムが現れた場合、これをどう扱うのかという問題がある。
もしそのような機体が登場した場合、ガンダムファイト国際条約第一条では「頭部を破壊した者が勝者」となるが、頭部にコクピットであることを知っていながら攻撃・破壊した場合、同条約第二条「相手のコクピットを(故意に)攻撃してはならない」に違反することになるため、対戦相手は手も足も出せなくなるジレンマに陥る可能性がある。ただし勝負によっては相手のダウンが結果的に敗北になることもある。
[編集] 歴代優勝者と所属国家
- 第1回:ヘローダ・ディオニソス(ネオギリシャ)
- 第2回:フィアー・フィラデル(ネオアメリカ)
- 第3回:ダハール・ムハマンド(ネオエジプト)
- 第4回:サイ・フェイロン(ネオチャイナ、サイ・サイシーの祖父)
- 第5回:フェルナンド・ロワール(ネオフランス)
- 第6回:ビットリオ・アルジェント(ネオイタリア)
- 第7回:ウォルフ・ハインリッヒ(ネオドイツ)
- 第8回:スキレイ・ジリノフス(ネオロシア)
- 第9回:ジェントル・チャップマン(ネオイングランド)
- 第10回:ジェントル・チャップマン(ネオイングランド)
- 第11回:ジェントル・チャップマン(ネオイングランド)
- 第12回:東方不敗・マスターアジア(ネオホンコン)
- 第13回:ドモン・カッシュ(ネオジャパン)
[編集] ゲームの中のガンダムファイト
PlayStation用ゲーム「SDガンダム GGENERATION F」には、ガンダムファイトというモードがある。これは上記のガンダムファイトの要素を取り入れ、ゲーム独自の制限を課した上でプレイするモードである。出場可能な機体は1機のみで、生き残ればオプションパーツが与えられるようになっている。また、大量破壊兵器(MAP兵器)の使用は出来ない。