オナガザル科
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オナガザル科 | ||||||||||||||||
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オナガザル科は生物の分類で、サル目に属する1科である。 アジア南部およびアフリカに分布しており、旧世界ザルとも呼ばれる。 日本語のサルのイメージに近いサルである。「尾長猿」の名のとおり、長い尾をもつことが特徴であるが、 バーバリーマカクやニホンザルのように、二次的に尻尾を失ったものもある。 また、広鼻下目に属するサル(新世界ザル)のように、5番目の手足として尾で体重を支えることなどはできない。 日本国内に生息するニホンザルは下北半島を北限としているが、 これはヒトを除いた全世界の霊長類の中で、最も高緯度に生息している例である。
オナガザル科には、いくつかの興味深い解剖学的特徴をそなえたサルがいる。 コロブスの親指は小さな痕跡程度に退化したり、種によっては完全に消失してしまっている。
オスのマンドリルの顔は赤と青で彩られ、さらに陰茎は赤色で、陰嚢は紫色をしている。
テングザルは長く、舌のような形をした鼻をもっている。
[編集] 分類
オナガザル科はオナガザル亜科とコロブス亜科に二分される。オナガメジロザルが正しい。
[編集] オナガザル亜科 Cercopithecinae
マントヒヒ、ニホンザル、マンドリル、などが属する。 オナガザルの多くは母系社会を構成しており、オスは一定の年齢に達すると群れを離れる。 ただし、マントヒヒはオスを中心としたハーレムを形成している。
ヒトと同じ32本の歯をもつ。下あごには首まで広がる頬ぶくろをもつ。手に入れた食べ物は 一旦、頬袋に入れ、安全な場所に移動してから、あらためて食事をするという習性がある。 手足共に親指が他の指と対向することができる。これはものをつかむほか、毛づくろいなどの 社会的行動にも役立っている。
2005年タンザニア南西部で発見され、マンガベイ属の新種とされていた霊長類は、2006年5月アラスカ大学博物館のリンク・オルソンを中心とする研究チームが「DNA分析を行った結果、新属に属すると判明した」と米科学誌サイエンスで発表した。この新属は過去83年間で初めて確認された。 この新種のサルはルングウェセブス属キプンジ(Rungwecebus kipunji)と命名された。
[編集] コロブス亜科 Colobinae
テングザル、ハヌマンラングール、キンシコウなどが属する。 オナガザル亜科に比べ、比較的細身のサルが多い。 コロブス亜科には基本的に頬ぶくろがない、 親指が小さな突起程度だったり、完全に消失していたりする、などの特徴がある。
ほとんどのコロブスは葉食をするため、これに適応した2つにくびれた胃をもっている。胃の中の バクテリアで発酵させることにより、葉の主成分であるセルロースを消化吸収することができる。