エルステッド
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エルステッド(oersted, 記号:Oe)は、CGS単位系における磁場(磁界)の強さの単位である。その名前は、1820年に電流の磁気作用を発見したハンス・クリスティアン・エルステッドに因む。
1エルステッドは、磁場の方向に沿って1センチメートル隔てた二点間の起磁力が1アンペアである磁場の強さと定義されている。また、半径1センチメートルの1巻きの円形の閉回路に1/2πアンペアの電流が流れている時に、閉回路の中央に生じる磁場の強さと定義することもできる。
SIにおける磁場の強さの単位はアンペア毎メートル(A/m)である。1エルステッドはその定義より、1Oe = 1000/(4π) A/m = 約79.577A/m となる。
真空中では、磁場の強さが1エルステッドのとき磁束密度は1ガウスとなる。1932年までは、磁場の強さの単位にはガウスが用いられており、定義は現在のエルステッドと同じであった。1932年にガウスは磁束密度の単位とされ、それまでのガウスと同じ値の単位としてエルステッドが導入された。
名称 | 記号 | 次元 | 物理量 |
---|---|---|---|
アンペア (SI基本単位) | A | A | 電流 |
クーロン | C | A·s | 電荷・電気量 |
ボルト | V | J/C = kg·m2·s−3·A−1 | 電圧・電位 |
オーム | Ω | V/A = kg·m2·s−3·A−2 | 電気抵抗・インピーダンス・リアクタンス |
オーム・メートル | Ω·m | kg·m3·s−3·A−2 | 電気抵抗率 |
ワット | W | V·A = kg·m2·s−3 | 電力・放射束 |
ファラド | F | C/V = kg−1·m−2·A2·s4 | 静電容量 |
ファラド毎メートル | F/m | kg−1·m−3·A2·s4 | 誘電率 |
逆ファラド(ダラフ) | F−1 | kg1·m2·A−2·s−4 | エラスタンス |
ジーメンス | S | Ω−1 = kg−1·m−2·s3·A2 | コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンス |
ジーメンス毎メートル | S/m | kg−1·m−3·s3·A2 | 電気伝導度 |
ウェーバ | Wb | V·s = kg·m2·s−2·A−1 | 磁束 |
テスラ | T | Wb/m2 = kg·s−2·A−1 | 磁束密度 |
アンペア毎メートル | A/m | m−1·A | 磁場(磁場の強さ) |
アンペア毎ウェーバ | A/Wb | kg−1·m−2·s2·A2 | リラクタンス |
ヘンリー | H | Wb/A = V·s/A = kg·m2·s−2·A−2 | インダクタンス |
ヘンリー毎メートル | H/m | kg·m·s−2·A−2 | 透磁率 |
(無次元数) | χ | - | 磁気感受率 |