エチレンジアミン四酢酸
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エチレンジアミン四酢酸 | |
IUPAC名 | エチレンジアミン四酢酸 |
分子式 | C10H16N2O8 |
分子量 | 292.24 g/mol |
CAS登録番号 | [60-00-4] |
形状 | 白色粉末 |
密度 | 0.086 g/cm³ |
融点 | 分解 250 ℃ |
沸点 | - ℃ |
SMILES | OC(CN(CC(O)=O)CCN (CC(O)=O)CC(O)=O)=O |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
二ナトリウム塩二水和物 | |
分子式 | C10H14N2Na2O8・2H2O |
分子量 | 372.24 g/mol |
CAS登録番号 | [6381-92-6] |
形状 | 無色結晶 |
密度 | - g/cm³ |
融点 | 分解 248 ℃ |
沸点 | - ℃ |
SMILES | C(CN(CC(O)=O)CC (=O)O[Na])N(CC(O) =O)CC(=O)O[Na] |
エチレンジアミン四酢酸( -しさくさん、ethylenediaminetetracetic acid)は金属キレーション剤であり、EDTA あるいはエデト酸と呼ばれることがある。示性式は (HOOCCH2)2NCH2CH2N(CH2COOH)2。通常、とくに断らない場合の EDTA はジナトリウム塩であり、日本薬局法ではエデト酸ナトリウムである。
EDTAはキレート剤であり、Ag+、Ca2+、Cu2+、Fe3+、Zr4+等のそれぞれ1価、2価、3価、4価の金属イオンと錯体を形成する(キレート結合)。特にカルシウム、銅、鉄(3価)、コバルト(3価)とは強く結合する。この特性を利用してキレート滴定に広く使われている。EDTAは4つのカルボン酸と2つの3級アミンを持つため、酸塩基反応にも利用される。
[編集] 使用例
EDTAの錯化特性を利用して硬水中のMg2+やCa2+をキレートで捕集することで軟水化することができ、その目的でシャンプーなどの化粧品に添加される。あるいは金属中毒の治療剤として処方される場合もある。
最も重要な利用法として以下のようなものがある。
- 工業的洗浄:重金属表面に付着したカルシウム、マグネシウムの錯化除去
- 合成洗剤:カルシウム、マグネシウムの除去(水の軟水化)
- 写真工業:鉄(III)-EDTA錯体の酸化剤としての利用
- パルプ・製紙業:非塩素系漂白剤を使用する際に生じる過酸化水素の安定化を目的とした重金属の錯化除去
- 繊維工業:漂白剤安定化のための重金属錯化除去
- 農薬:主に石灰質土壌における鉄、亜鉛、銅を含む肥料としての利用
またその他にも以下のような利用法が挙げられる。
- 食料品:保存料、安定化剤、鉄分強化剤としての利用
- 化粧品:保存料としての利用
- 石油生産:無機物の沈殿を防ぐためのボアホールでの利用
- 乳製品・飲料:乳成分由来の汚れの除去
- 排気ガス:窒素酸化物の除去
- 医薬品:急性高カルシウム血症、鉛中毒の治療
- 歯科治療:歯の根管の洗浄(有機物・無機物の除去)
- その他の治療:デトックス、キレーション治療、キレート療法等と称し、主にアメリカで行われているという
- これに関連してEDTAを合成アミノ酸と呼ぶ例が見られる。確かに広義のアミノ酸に違いないが、大衆向け広告の表現としては疑問がある。
科学の分野では以下のように利用される
[編集] 環境への影響
微生物には分解できないため、ヨーロッパでは使用が規制されている。