ウデムシ目
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ウデムシ目 | ||||||||||
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ウデムシ目 (Amblypygi) は、節足動物門鋏角亜門クモ綱に所属する分類群であり、カニムシモドキとも言われる。ただし、カニムシとは全くと言っていい程、似ていない。偏平で、丈夫な体と、横に張った長い足を持ち、その姿はちょっと他に比べるものがない迫力がある。小さいものでは体長5mmだが、大きいものは体長4cmを越え、しかも足は体長の二倍以上あるので、かなり大柄な動物である。
体はおおよそはクモに似ている。頭胸部は平たく、丈夫な造りである。前方中央と左右とに目が配置する。鋏角は鎌状に近い鋏となり、歯が並んでいる。触肢はまず左右に大きく張り、そこから前方に向けた二節分で丈夫な鎌を形成する。鎌の内側には鋭い歯が並び、いかにも捕獲用に向いた造りになっている。
歩脚四対は、アシダカグモのようにいずれも前方に向いている。第一脚は細長く、その先端部は鞭のように伸びて触角のようになっている。他の足も長く、大きく横に張り出す。
腹部は腹背に偏平で、節に分かれる。頭胸部との間はクモほどではないが、くびれる。
森林の朽ち木の隙間や、樹皮上、洞穴などに生息する。夜行性で、昼間は物陰に隠れる。種類によっては、洞穴の壁に張りつき、天井もはい回る。肉食性で、昆虫などを捕らえて食べる。
配偶行動としては、婚姻ダンスを行うことが知られている。ただし、鋏などで互いを固定することはないらしい。卵は塊として雌が腹につけて保護する。生まれた幼生は雌の背中に登り、しばらくはそこで過ごす。
世界の熱帯地方に広く分布する。ウデムシ科とカニムシモドキ科の2科からなり、合わせて約六十種。日本には分布しない。時にペットとして持ち込まれる場合がある。