カニムシ
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カニムシ | ||||||||||
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Lasiochernes cretonatus |
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分類 | ||||||||||
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カニムシというのは、節足動物門鋏角亜門クモ綱カニムシ目に属する動物の総称である。触肢が大きな鋏となる。ほとんどは数mm程度以下の小型の虫である。
[編集] 特徴
四対の歩脚、一対の鋏状の触肢を持ち、体は円筒形、楕円形で、頭胸部と腹部の間がくびれない。全身の外形は、しっぽのないサソリという感じである。 カニムシの目立った特徴は、よく発達した、鋏の形の触肢である。大きいものでは体長と同じくらいの長さがあり、先端近くには感覚毛がはえている。この鋏を前方に延ばしてそろそろと歩き、何かにぶつかると、鋏を体に引き付けて、すっ飛ぶように後退する。その姿が印象的なためか、”アトビサリ”等の別名がある。
中には鋏角から糸を出せるものがあり、それを用いて巣を作る。
[編集] 生息環境
カニムシは、主として土の中に生息する。やや大柄なものは、石をめくればその裏面にいるのが見られる。小型のものは、野外で採集するのはほとんど不可能で、土壌動物を採集するための装置が必要になる。イソカニムシは、海岸性の大型種で、岩礁海岸の潮上帯で、岩のすき間や割れ目の間に住んでいる。 鋏が目立つことでもわかるように、捕食性の動物であり、より小型の動物、トビムシなどを餌にしている。土壌動物としては、密度はさほど高くないが、重要な肉食者である。