ウェーバー方式
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ウェーバー方式とは、主に日本・アメリカ合衆国におけるプロフェッショナルスポーツでのドラフトの際に用いられる、選手の指名要領を規定するものである。
- シーズン終了時の球団順位を参考にし、最下位の球団から順に選手を指名する
- 指名は即ち独占交渉権獲得を意味し、他球団との競合は起こらない
日米で採用度合が異なる。
なおウェーバー方式という呼称は日本プロ野球独特のもので、野球協約によるとシーズン中に支配下選手との契約を解除して自由契約にする際にいったん「ウェーバー公示」(waiver:権利放棄)して契約譲渡先の球団を募集しなければならないが、このとき現在のウェーバー方式と同様の手順で下位球団が優先されることに由来する。
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[編集] 日本のドラフト制度
[編集] プロ野球
日本プロ野球のドラフト会議は11月に実施され、ウェーバー方式を部分的に採用している。
- 1965年、1966年は第2位以下の指名の際、あらかじめ提出された氏名リストの中から偶数順位の時はその年のペナントレースの下位のチーム(日本シリーズ敗戦チーム所属のリーグ最下位チーム)から、奇数順位の場合は上位のチーム(日本シリーズ優勝チーム)から選手を指名できる仕組みだった。(以下順序同じ)
その後、重複指名選手については抽選で交渉権を獲得する球団を決めたためこの制度は一旦中断するが、1991年以降部分的に復活した。
- 1991年、1992年は5位以下の指名について、奇数順位の場合は下位チームから、偶数の場合は上位チームからそれぞれウェーバーによる選手指名が可能となった。
- 1993年~2000年は1、2位が逆指名制度(大学生、社会人選手限定)になった関係で、3位以下指名の際に奇数順位の場合は下位チームから、偶数の場合は上位チームからのウェーバーによる選手指名となった。
- 2001年以降、これまでの順位付けではなく「○巡目」に表現を変更し、1~3巡目は自由獲得枠の適用人数に応じて指名入札できるチームが決まる(1巡目のみ重複指名の場合抽選、2巡目と3巡目は下位チームから順番のウェーバー)が、4巡目からは全チーム参加のウェーバー(偶数巡の場合は上位から、奇数巡は下位から)となっている。
- なお、2005年はドラフトが10月の高校生対象のものと11月の大学・社会人(四国アイランドリーグなどセミプロ・独立リーグの所属選手含む)対象のものの2回にわたって開催されるが、高校生対象のドラフトの場合はシーズンの途中に行われるので、奇数巡の場合はオールスターで勝ち越したリーグに所属する最下位チーム→オールスターで負け越したリーグに所属する最下位チーム→オールスター勝ち越しリーグの5位チーム…、偶数巡の時はその逆でオールスターで負け越したリーグ所属の1位チーム→オールスター勝ち越しリーグの1位チーム→オールスター負け越しリーグの2位チーム…というような形で行われる。このウェーバー順はドラフト開催1週間前の順位を対象とする。
[編集] bjリーグ(プロバスケットボール)
bjリーグのドラフト会議は5月または6月に実施され、ウェーバー方式を採用している。
- 2005年は、初年度につき抽選で指名順を決め、奇数巡目は大分、埼玉、仙台、新潟、大阪、東京、偶数位はその逆の指名順となった。
- 2006年以降は前年度の順位によって決定され、奇数巡目の場合は下位チームから、偶数の場合は上位チームからそれぞれウェーバーによる指名となる。新規参入チームは希望する順番で参加することができる。エクスパンション・ドラフトで既存チームが3名より多くプロテクトを行うと、超過した人数分だけドラフト会議での指名巡目が後になる。
[編集] アメリカでは
アメリカンフットボールでは日本のような指名順位による特定規定・抽選はなくウェーバー方式を完全実施している。
アメリカメジャーリーグでは毎年6月に新卒者対象のドラフトが行われるが、日本のような指名順位による特定規定・抽選はなくウェーバー方式を完全実施している。