インゲンマメ
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インゲンマメ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Phaseolus vulgaris L. | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
common bean |
インゲンマメ(隠元豆、英:common bean、学名:Phaseolus vulgaris)はマメ科の一年草。別名、菜豆(さいとう)、三度豆(サンドマメ)。仏語ではアリコ(haricot)。
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[編集] 歴史
中南米原産で、16世紀末にヨーロッパを経由して中国に伝わった。
1654年、明からの帰化僧、隠元禅師が日本に持ち込んだとされることからこの名がついた。
[編集] 生態
夏に白またはピンク色の花をつけ、秋に長いさやをつける。
[編集] 産地
日本では全国の生産量の約90%が北海道で生産され、その中でも十勝平野が栽培の中心である。
[編集] 利用
若いさやを食べる軟莢種(サヤインゲン)と、成熟した種子を食べる種実用種がある。金時豆、手亡、うずらまめ、虎豆、大福豆はインゲンマメに含まれる。 しばしば混同される、ハナマメ、フジマメは近縁の別種である。
サヤインゲンは、塩茹でにして和え物やおひたしにするか、あるいはバター炒めにすることが多い。
成熟した種子は乾燥させて貯蔵し、煮豆や甘納豆、菓子用の餡などに用いられる。フランス料理・イタリア料理では白インゲン豆が煮込み料理に好んで使用される。ラテンアメリカ諸国の重要な蛋白源でもある。
[編集] 毒性
2006年5月6日、TBSテレビで放送された『ぴーかんバディ!』で、白インゲン豆を3分間炒ってから粉にして、ご飯にまぶして食べるダイエット法を紹介したところ、激しい嘔吐や下痢などの健康被害が全国で発生した。これは豆類全般に含まれるレクチンの一種フィトヘマグルチニン(PHA)の作用によるものと考えられる。レクチンは蛋白質なので加熱すれば変性し人体には無害になる。レクチンを無毒化するためには、豆を少なくとも10分は加熱する必要がある(豆を美味しく食べるためには、柔らかくなるまでさらに加熱調理しなければならない)。例のダイエット法の加熱時間は短すぎるのである。なお、フィトヘマグルチニンを最も多く含むのは種皮の赤いいんげん豆である。