イングリッド・バーグマン
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イングリッド・バーグマン (Ingrid Bergman, 1915年8月29日 - 1982年8月29日) はスウェーデンのストックホルム生まれの女優。スウェーデンでは、「ベルイマン」と発音される。
スウェーデン語、ドイツ語、フランス語、英語、イタリア語に堪能だった。
[編集] 生涯
スウェーデンでの主演作『間奏曲』(1936年)がある。1937年(21歳)のとき、 Petter Lindström (歯科医・医師)と結婚し、翌年に娘を産む。
その後、『間奏曲』を見たハリウッドのプロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックに招かれて渡米して、同作品のリメイクである『別離』(1939年)に主演した。1942年の『カサブランカ』で一躍スターになり、1944年の『ガス燈』でアカデミー主演女優賞を獲得した。
女優として頂点を極めたかに見えたが、イタリアの巨匠ロベルト・ロッセリーニ監督の作品を見て感動したすえ、仕事と家庭を捨て同監督の元に走り、彼の映画に出演する。当時の世論から不倫を激しく非難され、ハリウッドから実質的に追放された。
だが、やがて世論もやわらいだので、ようやく1956年の『追想』に出演して、二度目のアカデミー主演女優賞を受賞。1974年の『オリエント急行殺人事件』では同助演女優賞を受賞し、生涯に3回オスカーを獲得している。
ノーベル文学賞作家のヘミングウェイの著書で1930年代後半に起きたスペイン内戦を描いた『誰がために鐘は鳴る』の映画化(1943年)では、『別離』を観た原作者が自ら主人公のマリア役としてバーグマンを指名した。
知性を感じさせる美貌(芸能界では当たり前といわれた美容整形を拒否した)と情熱的な演技で人気を博す。名実ともに20世紀を代表する大女優のひとりである。なお、円熟期に出演できなかったのは、世間が当時の価値観で不倫を非難したからである。彼女の美貌や演技が衰えたからだと推測するのは妥当ではない。
ロベルト・ロッセリーニとの間で作成された映画は興行的に失敗した。映画界から追放されたあと、夫婦の生活は経済的にも実質的にも破綻して、やがて夫婦は離婚に至った。結婚中に生まれた娘イザベラ・ロッセリーニは母をしのばせる女優である。
1982年の誕生日にがんで死去した。享年67歳。彼女の墓には、「彼女は生の最後まで演技をした」と書かれている。
[編集] 主な出演作品
特筆事項があるものは、題名の後ろに追加。
- ムンクブローの伯爵 -Munkbrogreven (1935年)
- スウェーデンイェルムの家 -Swedenhielms Family (1935年)
- ワルプルギスの夜 -Walpurgis Night (1935年)
- 間奏曲 -Intermezzo (1936年)
- ドル -Dollar (1938年)
- 女の顔(1938年) -A Woman's Face *1941年にハリウッドでジョーン・クロフォード、メルヴィン・ダグラス主演でリメイク
- 一夜かぎり -En enda natt (1938年)
- 別離 -Intermezzo: A Love Story (1939年)
- 六月の夜 -Juninatten (1940年)
- ジキル博士とハイド氏 -Dr. Jekyll and Mr. Hyde(1941年)
- カサブランカ -Casablanca (1942年)
- 誰が為に鐘は鳴る -For Whom the Bell Tolls (1943年)
- ガス燈 -Gaslight (1944年)
- 聖メリーの鐘 -The Bells of St. Mary's (1945年)
- 白い恐怖 -Spellbound(1945年)
- サラトガ本線 -Saratoga Trunk (1945年)
- 汚名 -Notorious (1946年)
- 凱旋門 - Arch of Triumph(1948年)
- ジャンヌ・ダーク -Joan of Arc (1948年)
- 山羊座の元に -Under Capricorn (1949年)
- ストロンボリ/神の土地 -Stromboli(1950年)
- ヨーロッパ一九五一年 -The Greatest Love (1952年)
- われら女性(1953年) *オムニバス映画。ロッセリーニ編に出演
- イタリア旅行 -Journey to Italy (1954年) *1960年代にジャン=リュック・ゴダールによって再評価され、現在ではヌーヴェル・ヴァーグの先駆的作品と評価されている。
- 不安 -Fear (1954年)
- 恋多き女 -Paris Does Strange Things (1956年)
- 追想 -Anastasia (1956年)
- 無分別 -Indiscreet (1958年)
- 六番目の幸福 -The Inn of the Sixth Happiness (1958年)
- さよならをもう一度 -Goodbye Again(1961年)
- 訪れ -The Visit (1964年)
- 黄色いロールスロイス -The Yellow Rolls-Royce (1964年) *オムニバス映画。
- サボテンの花 -Cactus Flower (1969年)
- 春の雨の中を -Walk in the Spring Rain(1970年)
- オリエント急行殺人事件 -Murder on the Orient Express(1974年)
- 秋のソナタ -Autumn Sonata(1978年)
[編集] 外部リンク
- バーグマンの生涯 [1]
- Website Ran By The Family of Ingrid Bergman
- Official Ingrid Bergman Site Ran By CMGTemplate:Wikimedia