イザヤ
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イザヤ は旧約聖書に登場する紀元前8世紀の預言者。ユダ王国後期の人。ウジヤ王からヒゼキヤ王の頃、活動した。伝承では『イザヤ書』の著者とされるが、現代の聖書学ではイザヤの手によると考えられるのはイザヤ書の39章までであり、以降の著者と区別して便宜的に第一イザヤと呼ばれることもある。
『イザヤ書』によればあまり高くない身分の出身。息子が二人おり、それぞれに神の啓示により象徴的な名をつけた。紀元前740年ごろ神の言葉を聞いて、預言者としての活動を始めた。この時期はアッシリアによるイスラエル王国侵略の時期に当たり、ユダ王国にも政治的圧力が多くかかっていた。イザヤは初期においてはメシアの支配と将来への希望を伝えるが、過酷な現実を前に、預言の言葉にも苦悩の色が濃くなっていく。