アレクサンドル・グレチャニノフ
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アレクサンドル・ティホノヴィチ・グレチャニノフ (Alexander Gretchaninoff 〔露語: Александр Тихонович Гречанинов〕, 1864年10月25日 モスクワ - 1956年1月3日 ニューヨーク)はロシア人作曲家。
商人の父親の意に逆らって1881年にモスクワ音楽院に入学し、ピアノを学ぶかたわら、セルゲイ・タネーエフとアントン・アレンスキーに対位法、和声法、フーガ、楽式論を師事。1890年にペテルブルク音楽院に編入して、作曲をリムスキー=コルサコフに師事した。1896年に作曲家として成功を収めてモスクワに帰郷。さしあたって典礼音楽や舞台音楽の作曲で活躍し、童謡や合唱曲などで名声を得る。創作活動のかたわら、グネーシン音楽学校などで教鞭を執っていたが、1917年のロシア革命に国を追われてプラハやパリ、ロンドンを転々とした。1939年に戦火を逃れてアメリカ合衆国に向かい、1940年よりニューヨークに定住。1940年代後半にアメリカ市民権を得た。
5つの交響曲を残しており、そのうち第1番はリムスキー=コルサコフの指揮で初演された。4つの弦楽四重奏曲や2つのピアノ三重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、クラリネット・ソナタ、ピアノ・ソナタに加えて、バラライカのためにもソナタを作曲している。合唱曲や器楽曲のほかに、歌劇もいくつか残した。ウラディーミル・レビコフに似て、音楽史におけるグレチャニノフの立場は過渡的である。初期作品はチャイコフスキーや国民楽派(とりわけボロディン)の影響を受けており、同世代のヴァシリー・カリンニコフに似た作風を示しているが、後年の作品、とりわけ亡命後の作品は、後輩ロシア人作曲家のストラヴィンスキーやプロコフィエフのモダニズムから、多少の影響を受けている。
渡米を前に完成させた力作《ミサ・エキュメニカ》においては、エキュメニカル運動を支持し、ロシア人ながらもカトリック典礼にのっとり、グレゴリオ聖歌に加えてユダヤ教の賛歌をも利用している。
[編集] 主要作品一覧
- 交響曲
- 第1番 ロ短調 作品6 (1894)
- 第2番《田園》イ長調 作品27 (1902-09)
- 第3番 ホ長調 作品100 (1920-24)
- 第4番 ハ長調 作品102 (1923/24)
- 第5番 ト短調 作品153 (1936-38)
- 協奏曲
- チェロ協奏曲 イ短調 作品8 (1895)
- ヴァイオリン協奏曲 作品132 (1932)
- フルート、ハープと弦楽合奏のための協奏曲 作品159 (1938)
- 室内楽
- 弦楽四重奏曲
- 第1番 ト長調 作品2 (1892/93)
- 第2番 ニ短調 作品70 (1913/14)
- 第3番 ハ短調 作品75 (1915/16)
- 第4番 ヘ長調 作品124 (1929)
- ピアノ三重奏曲
- 第1番 ハ短調 作品38 (1906)
- 第2番 ト長調 作品128 (1930/31)
- ヴァイオリン・ソナタ
- 第1番 ニ長調 作品87 (1918/19)
- 第2番 ハ短調 作品137 (1933)
- チェロ・ソナタ ホ短調 作品113 (1927)
- 弦楽四重奏曲
- ピアノ曲
- ピアノ・ソナタ第1番 ト短調 作品129 (1931)
- ピアノ・ソナタ第2番 作品174 (1942)
- 子供のための本 作品98
- 緑の草原で 作品99
- 歌劇
- ドブルィニヤ・ニキティーチ "Dobrynja Nikitic" 作品22 (1895-1901)
- 尼僧ベアトリス "Soeur Betrice" 作品50 (1908-10)
- 児童劇《もみの木の夢》作品55 (1911)
- 児童劇《ネコ、おんどりとキツネ》作品103 (1924)
- 婚礼 作品180 (1946)
- 種々の声楽曲
- 金口イオアン・クリュソストモスの典礼 第1番 作品13 (1897)
- 金口イオアン・クリュソストモスの典礼 第2番 作品29 (1901)
- ミサ・エキュメニカ "Missa oecumenica" 作品142 (1933-36)
- ミサ・フェスティーヴァ"Missa festiva" 作品154 (1937)
- ミサ曲《地には平和》"Et in terra pax", Messe 作品166 (1942)
- 自由なるルーシへの賛歌 (1917)
- 勝利に向かって "Vers la victoire" (1943)
- 世俗歌曲や童謡、合唱曲など