アプト式
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アプト式(Abt system)とは、ラック式鉄道の方式の一つ。アブト式ともいう。開発者カール・ロマン・アプト(de:Carl Roman Abt 1850-1933)の名前に因む。「アプト」はドイツ語読み。
日本の営業用路線ではこの方式によるラック式鉄道しか存在しなかったため、ラック式鉄道そのものを「アプト式」と誤解して呼ぶ事がある。
なおラック式鉄道にはアプト式の他に、リッゲンバッハ、シュトルプ、ロッヘルの各方式があり、いずれもスイスの鉄道に現存している。
[編集] アプト式ラックレール
種々あるラック式鉄道のうち「アプト式」とは、複数のラックレール(Rack-rail)およびピニオンギア(Pinion-gear)を位相をずらして設置する方式を指す。複数の歯の位相をずらす事により、駆動力の円滑化および歯の長寿命化を図った。信越本線の碓氷峠では3組のラックピニオンを120度ずらして使用していた。
日本の鉄道では以下の路線・区間で採用された。
一般には碓氷峠が有名であったが1963年に廃止され、現在も使用されているのは静岡県の大井川鐵道井川線のみである。
なお、信越本線横川~軽井沢間が廃線になった後、碓氷峠鉄道文化むらが開設され(2000年)、鉄道資料館などでアプト式の展示を行っている(公表している説明に、アプト式がラック式鉄道のすべてであるような誤解を生む記述があるので、注意を要する)。
[編集] 関連項目
[編集] 日本のアプト式車両
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