アニー・ホール
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アニー・ホール Annie Hall |
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監督 | ウディ・アレン |
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製作総指揮 | ロバート・グリーンハット |
製作 | チャールズ・H・ジョフィ ジャック・ロリンズ |
脚本 | ウディ・アレン マーシャル・ブリックマン |
出演者 | ウディ・アレン ダイアン・キートン トニー・ロバーツ |
撮影 | ゴードン・ウィリス |
編集 | ポール・ハーシュ |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ |
公開 | 1977年4月20日 1978年1月21日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $4,000,000 |
興行収入 | 約1900万ドル |
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アニー・ホール(Annie Hall)は、1977年の米国映画。第50回(1977)アカデミー作品賞、監督賞(ウディ・アレン)、主演女優賞(ダイアン・キートン)、脚本賞(オリジナル部門:ウディ・アレン、マーシャル・ブリックマン)を受賞した作品である。
ウディ・アレンは純喜劇から出発したが、この作品の頃から一言でコメディとは片付けられぬ個性とユニークな作風が輝き始めた。
この作品はアレン自身の演じるスタンダップ・コメディアン、アイヴィ・シンガーがアニー・ホールに出会い恋をし、失恋するまでを綴ったもので、アニーに扮しているのはアレンと4度目の共演を果たしたダイアン・キートンである。この映画の直前まで二人は愛人関係にあり、そんな所でもアレンの映画は観客をくすぐり続ける。
アイヴィにかぎらず、この時期のウディの演じる人物はいつもニューヨークに住むユダヤ人で、そのことを絶えず意識し、それを笑いのネタにしている。それはまた、ウディ自身と勘違いされるが、このあとのウディ作品を見続けると、スクリーン内のウディは、彼が巧みに掘り下げた人物像であることもわかる。
アニーが他の男と出来て、ロサンジェルスに去った後、彼女を忘れられないアイヴィがロサンジェルスに出かけるくだりがある。そのロサンジェルスは冬だというのに太陽は燦々と輝き、人々はパーティばかりやっていて、彼の偏頭痛をひどくさせるばかりである。
そこで表現したように当時のウディはニューヨークにこだわり続け、ロサンジェルスには滅多な要件がない限り出向こうとしない。『アニー・ホール』がオスカーにノミネートされても会場へは姿を現さず、授賞式の時間には、いつものようにマンハッタンのマイケルズ・パブでクラリネットを吹いていたという。
そんなわけで、ハリウッドとアレンの相性は悪く、近年『マッチポイント』(2005)でアカデミー脚本賞にノミネートされたように、『アニー・ホール』以降何度もアカデミー賞の候補にあがっているが、アレンが会場に姿を見せたことがなく、再度の受賞もない。
また、この作品から東海岸出身の撮影監督、ゴードン・ウィリスが素晴らしい撮影を披露し、1980年代半ばまで連続してアレンの作品を任された。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
アルヴィ・シンガー(ウディ・アレン)はニューヨークに住むコメディアン。ある日、アルヴィは友人とテニスクラブへ出かけ、売れないクラブ歌手アニー・ホール(ダイアン・キートン)と出会う。帰りが一緒になったふたりはアニーのアパートに行くが、互いに腹の探り合いになって終わってしまう。
何日か後、アルヴィがナイトクラブへアニーの歌を聴きに行った夜、ふたりは大人の関係になった。それから、しばらくは楽しい日々が続くが、アルヴィのすすめで大学に通うことになるが、アニーが教授と妙な仲になったり、アニーがセックスの時にマリファナを吸う癖があるのをアルヴィが嫌がったりということもあって、気持ちの上では互いに相手を必要としながら、二人の仲はこじれていった。いったんはヨリを戻した二人だが、やがて別れのときがやってきた。
アニーはナイトクラブで知り合った歌手(ポール・サイモン)と一緒に住むためにロサンジェルスへ向かう。アニーを忘れられないアルヴィはロサンジェルスに飛んで、彼女に結婚を申し込むが断れてしまう。その後のアニーはニューヨークに戻って別の男と暮らしていった。街で偶然彼女と会ったアルヴィは、しばらく昔話をしただけでその場を立ち去る。
[編集] エピソード
- ダイアン・キートンの本名はダイアン・ホールで、愛称がアニーである。
- シガニー・ウィーバーの初出演作で、映画の終わりの方でアルヴィのデートの部分で台詞なしで出演している。
- アルヴィがメディア評論家で大学教授であるマーシャル・マクルーハン本人を画面袖から引っ張り出してくるシーンは、最初はフェデリコ・フェリーニかルイス・ブニュエルを希望していた。
- アルヴィが道行く人々に人間関係をインタビューするシーンは、実はカメラの映らない部分で大勢野次馬が見学していた。
- ラフ・カットで2時間20分あったので、アルヴィのクラスメートの現在の紹介、およびクリストファー・ウォーケンのドライブ・シーンなどをカットした。また、アルヴィとアニーが地獄を訪問するシーンもカットされた。後者の内容は20年後の『地球は女で回っている』(1997)で再度扱うことになる。
- 映画内で殺人のことが取り上げられているが、これは『マンハッタン殺人ミステリー』(1993)で再度取り上げられている。
- 完全に無音のタイトル・クレジットは、以前出演した作品『ウディ・アレンの ザ・フロント』(1976年、マーティン・リット監督)に即したものである。これ以後のアレン作品もタイトルは黒地の白いタイトルがほとんどである。
- 意外なことに、アルヴィとアニーの間には"I Love You"という台詞は使われていない。
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1961: ウエスト・サイド物語 | 1962: アラビアのロレンス | 1963: トム・ジョーンズの華麗な冒険 | 1964: マイ・フェア・レディ | 1965: サウンド・オブ・ミュージック | |
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