アデニン
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アデニン | |
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(6-アミノ-9H-プリン) |
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IUPAC名 | 本文を参照 |
別名 | |
分子式 | C5H5N5 |
分子量 | 135.13 g/mol |
CAS登録番号 | [73-24-5] |
形状 | 無色固体 |
密度と相 | g/cm3, |
相対蒸気密度 | {{{相対蒸気密度}}}(空気 = 1) |
融点 | 360–365 ℃(分解) |
沸点 | ℃ |
昇華点 | {{{昇華点}}} ℃ |
SMILES | NC1=NC=NC2=C1N=CN2 |
出典 |
アデニン (adenine) は核酸を構成する5種類の主な塩基のうちのひとつで、生体内に広く分布する有機化合物である。右図の構造に対応するIUPAC名は 6-アミノ-9H-プリン (6-amino-9H-purine) であるが、ほかに、1H体、3H体、7H体 の互変異性体をとることができる。分子量 135.13、CAS登録番号は [73-24-5] である。デオキシリボ核酸 (DNA) ではチミンと、リボ核酸 (RNA) ではウラシルと、2本の水素結合を介して相補的に会合するプリン塩基。対応するヌクレオシドはアデノシンである。3つの重要な補酵素、補酵素A、FAD、およびNAD の構成成分である他、最も重要なエネルギー物質である ATP の塩基部分であるなど、他の核酸塩基に比べ生体内で利用される場面は多い。
プリン骨格は糖ともアミノ酸とも異なる独特の形状をしているにもかかわらず、アデニン、グアニンの他、コーヒーや茶に含まれるカフェイン、ココアに含まれるテオブロミン、緑茶に含まれるテオフィリンなどを構成し、また最近ではプリン体をカットしたビールなども販売されるほどありふれた有機物である。アデニンはシアン化水素とアンモニアを混合して加熱するだけで合成されるため、原始の地球でもありふれた有機物であったと考えられる。
[編集] 関連物質
- アデノシン
- アデノシン一リン酸 (AMP)
- アデノシン二リン酸 (ADP)
- アデノシン三リン酸 (ATP)
- 環状アデノシン一リン酸 (cAMP)
核酸塩基 |
ヌクレオシド | ヌクレオチド | ピリミジン塩基 | シトシン | チミン | ウラシル | プリン塩基 | アデニン | グアニン |