アクティベーション
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アクティベーション(activation)は、主にパーソナルコンピュータ用のソフトウェアに関する用語であり、特定のソフトウェアをインストールした後、実際に利用を行う前の認証処理のことを指す。正規のライセンスを受けずに使用されるコピーソフト(Warezなど)の防止のために導入された。元々は、ある機能をアクティブ(有効)にする。という意味である。
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[編集] 概要
ソフトウェアに内蔵されたシリアル番号や、インストールされたパソコンの構成要素(RAMやHDD容量、イーサネットカードのMACアドレスなど)をキーに、ソフトウェアメーカーのウェブサイトと接続し、シリアル番号(12345-67890-ABCDE-FGHIJ-KLMNO など)をメーカー側へ送信して登録し、認証する形が多い。これにより、初回に導入された環境が正式なライセンス保持者と見なし、この情報と異なる環境下で動作させる、いわゆる正規のユーザーおよび環境下以外の第三者などに不正に渡ってしまったソフトウェアを利用されるのを防ぐ事ができ、結果として不正コピーソフトへの対策ができるという構想である。
[編集] 問題点・課題点
アクティベーションの問題点として、正式にライセンスを受けたユーザーや環境下であっても、パソコンに不具合が生じたなど、何らかの事情でソフトウェアを再インストールしなければならなくなった場合は、(一度シリアル番号を送信し、既にメーカーに登録されているため、)複数回のインストールと見なされてアクティベーションを拒否されたり、パソコンの性能アップのためにHDDやメモリなどを交換するといった改造を加えた場合にも、パソコンの構成が異なってしまうため別のパソコンにインストールしたと見なされ、同様にアクティベーションに失敗する事が多々あるなど、大きな問題がある。このような状況を回避するには、アクティベーションを導入しているソフトウェアメーカーのサポート電話口での事情説明が必要となるなど、非常にわずらわしく、問題を生じることもある。また、ユーザーにとってある種の個人情報を送信するようなシステムである事から、現行のアクティベーションシステムに批判的な立場の者も多い。
電話の窓口による認証の場合、マイクロソフトのように24時間態勢で、かつフリーダイヤル(0120-****-****)で受け付けてくれることが最も理想的であるが、企業によっては電話番号がフリーダイヤルでない場合や、年中無休でない場合(特に土・日・祝日の休業)もある。これは地方の在住者にとって通話料の負担が大きいばかりでなく、(24時間態勢でなくても)毎日受け付けていないことによる不便さでの問題等さまざまである。
[編集] 主なソフト
- Adobe Acrobat(7.0から)
- Adobe Photoshop
- Macromedia StudioMX (Dreamweaver、Fireworks、Flash)
- Microsoft Windows XP
- Microsoft Windows Server 2003
- Microsoft Office(Office 2000の一部で初めて採用され、Office XP以降は全製品に実装)
- Microsoft Visual Studio .NET(アカデミックパッケージのみ採用)
- Symantec Nortonシリーズ(英語版は2004から、日本語版は2005から)
- TMPGEnc
- RPGツクールXP ほか
その他、アダルトゲームの一部機能にもこのようなアクティベーション機能が付加されている場合もある。
[編集] 関連項目
- 著作権
- 個人情報
- プライバシー
- コンピュータソフトウェア著作権協会
- コンピュータソフトウェア倫理機構(一部のアダルトゲームに対してのアクティベーション処理業務を担当)
- ライセンスキー