ゆば
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ゆば(湯葉、湯波、油皮)は、大豆の加工食品の一つ。豆乳を加熱した時、ラムスデン現象によって液面に形成される膜を、竹串などを使って引き上げた物である。
[編集] 日本のゆば
京都と日光が産地として有名で、京都では「湯葉」、日光では「湯波」と表記する。
日本では、引き上げた湯葉を生湯葉(または引き上げ湯葉)と呼び、料理の材料にする他、刺身と同様にそのまま食べる。また、普茶料理でもよく使用される。
生湯葉のほかに、生湯葉を乾燥させた物、半乾燥の状態のうちに巻いたり、結び目を作った物など、様々な種類が市販されている。巻いた状態の物は吸い物の具にされる事が多く、シート状の物は、復して各種の湯葉巻き料理にされる事が多い。
[編集] 中国のゆば
中国では、シート状に干した「腐皮」(フーピー fǔpí)と、棒状に絞ってから干した「腐竹」(フーチュー fǔzhú)が多く、日本の湯葉のような巻いた形状で市販されることは希である。結んだ状態の「腐皮結」(フーピージエ fǔpíjié)は中国でも作られている。
浙江省の杭州は、「腐皮」の産地として知られており、名物料理のひとつに、湯葉を素揚げにした「脆炸響鈴」(ツイジャーシアンリン cuìzháxiǎnglíng)という料理がある。
香港や広州でよく見られる広東料理の点心として、豚肉、椎茸、ニンジンなどの拍子木切りを湯葉で巻き、オイスターソースなどで煮てから、蒸籠で蒸した「鮮竹捲」(シンチョッキュン)、「鮮竹紮」(シンチョッザーッ)、「腐皮捲」(フーペイキュン)がよく食べられている。
「腐竹」は河南省の長葛腐竹、湖南省の永興腐竹、広西チワン族自治区の桂林腐竹など、各地に産地が点在している。「腐竹」は、湯で戻して、煮物の材料にしたり、鍋料理の具として食べられることが多い。