すべてがFになる
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『すべてがFになる』(すべてがエフになる)は、推理小説家森博嗣のミステリー小説。第一回メフィスト賞受賞作。S&Mシリーズの第一巻。
氏のデビュー作であるがもともとはシリーズ第4作として構想されたもの。デビュー作は派手なほうが良いとの編集部の意向により、第一巻として刊行された。
浅田寅ヲ作画による漫画化、KIDによるゲーム化もなされている。
目次 |
[編集] ストーリー
犀川研の旅行として、妃真加島(ひまかじま・架空)に向かった犀川創平とゼミの生徒達。そこは真賀田研究所の所有している島で、西之園萌絵と真賀田四季博士のつながりで利用できたのであった。
夜、萌絵の提案で研究所に向かう犀川だったが、その先で不可思議な殺人事件に遭遇することとなる。
[編集] 登場人物
- 犀川創平(さいかわ そうへい)
- 国立N大学助教授
- 西之園萌絵(にしのその もえ)
- 国立N大学建築学科生
- 真賀田四季(まがた しき)
- 世界的に有名な博士
- 新藤清二(しんどう せいじ)
- 真賀田研究所所長
- 山根幸弘(やまね ゆきひろ)
- 副所長
- 弓永富彦(ゆみなが とみひこ)
- 主治医
- 水谷主税(みずたに ちから)
- 主任プログラマー
- 島田文子(しまだ あやこ)
- 研究員
- 国枝桃子(くにえだ ももこ)
- 犀川研助手
[編集] ゲーム版
2002年3月28日にKIDより発売されたプレイステーション用アドベンチャーゲーム。小説には出てこないキャラクターを主人公に据えており、画面には一切登場させない。品薄のためか中古ゲーム市場での価格はやや高めである。
[編集] シナリオ
ゲームの基本的なシナリオは小説版と大きく変わるところはなく、選択肢を選んで分岐を楽しむタイプ。プレイヤーとしては小説版の筋に従った行動を選んでいけば、ほぼ自動的にベストエンドにたどり着けることになる。その反面、原作を知らない人には謎解きが難しいという意見もある。一方、メインシナリオが小説版に忠実すぎて原作のファンにはやや物足りないという声もある。それらの点への配慮のためか、選択肢次第では違った話の展開も楽しめる仕組みになっている。
[編集] 他のゲームとの関連
このPS版「すべてがFになる」の製作には、後にプレイステーション2とドリームキャストで発売され、ギャルゲー史上に残る傑作との評価を得た「Ever17」のスタッフが多く携わっている。一度プレイして見れば、サスペンスに満ちたシナリオ(「F」はミステリィ、「Ever17」はサバイバル)、無機質な密閉空間(「F」は研究所・「Ever17」は無人の近未来型海中遊園地)、BGMの雰囲気(ともに作曲は阿保剛)、時折挿入されるCGなど、「F」と「Ever17」には実に多くの共通点が存在し、「F」が「Ever17」のプロトタイプとすら言える存在であることが容易に推察される。
[編集] 外部リンク