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Dreams(ドリームス)は、原作七三太朗、漫画川三番地の高校野球漫画。
週刊少年マガジンで連載していたが、現在はマガジンSPECIALで連載中。シンクロ打法など、難解な理論も取り入れている。単行本は累計700万部を突破。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
主人公、久里武志は野球の才能を持ちながら、タバコを吸い、髪の毛は茶髪で切れると殴ってくるなどする不良少年。今まで7つのチームを渡り歩いた上、何チームかは廃部になっているほど。いくつもの名門校のセレクションで蹴られ、流れ流れ着いた夢の島高校で最後のチャンスをかけることとなる。そして、面接中に監督、工藤を殴るも何とか条件つきで合格した。その条件とは、監督の家で一緒に暮らすことだった!そんな監督、工藤は名門・東陽で監督を務めたこともある男。始業式、武志は紅白戦に登板。しかし、そこには部長の嫌がらせが待っていた・・・。そして、数々の苦難を乗り越え、南東京大会、甲子園で大暴れをする。非常識野球が、全国に旋風を巻き起こす!
[編集] 登場人物
[編集] 夢の島高校
[編集] メインキャラ
- 久里武志(くり たけし)
- 夢の島高校の投手。右投右打。1年生。
- 夢の島高校でエースで4番。喫煙、髪の毛は茶髪で真ん中は金髪、試合中はガムを噛み、帽子のつばを後ろにしてかぶるなど数々の非常識を打ち出す男。すごく喧嘩っ早いなどの欠点はあるが、野球に対する意識は本物で、チームに助言を出したり、相手投手の癖を見分けたりする。中学時代、先輩との喧嘩、試合中の乱闘などで、いくつものチームを渡り歩き、2チームをつぶしている。そのため工藤監督は百瀬と小川を監視役にしている。幼いころ、父の特訓が虐待だと思い見かねた母は警察に連絡し、それ以来武志の父は家に戻ることも無く、また笑わなくなったという。ゆえに家庭内は既に崩壊している。普段も武志の母は、パチンコに精を出し、それゆえ武志はここまでひどくなったと思われる。トレーニング方法も独特だが、彼はそれによりできた筋肉をだぶだぶのユニホームで隠している。特訓のことを知った監視役の百瀬、小川は、それから必死に特訓を重ねたと言う。チームの主将大和田は、悪態をつくことによって自らを鼓舞し、決して矛先を相手に向けることはしないのだと話し、野球に関しては『清潔な男』、と話している。また、魔球の開発にも取り組んでいて、今までで9つの魔球を開発。速球は最速157km。9つの魔球のほかにも、スピードが速く沈む速球、スピードが遅く伸びる速球、普通の4シーム、フォーク、カーブ、シュート、スライダーなど球種は多彩。
- 百瀬朝夫(ももせ あさお)
- 夢の島高校の捕手。右投右打。1年生。
- 武志の恋女房。武志のことを「久里様」と呼んだりするなどの主従関係(?)だが、野球への意識は武志に勝るとも劣らない。武志は「百デブ」、「百瀬デブ夫君」と言うほど太っていて、足は鈍足の部類に入る。だが、加速すれば速い。肩は強肩の部類に入り、インサイドワークにも長けている。
- 小川耕三(おがわ こうぞう)
- 夢の島高校の二塁手(中堅手)。右投右打。1年生。
- 武志の殴られ役。実際は殴られるのは好きではない。クール(本人談)な男らしいが、実際はちびで、ぽっちゃりしているせいか、あまりクールといえる出で立ちではない。右打ち、バントの技術など小技が得意で、2番でセカンドに定着。足は決して速くないが、配球によって守備位置を変える技に長けている。甲子園大会2回戦では、それを工藤監督に見込まれ、マウンドに立った赤倉に代わってセンターの守備に就いた。
- 赤倉太(あかくら ふとし)
- 夢の島高校の中堅手(投手)。右投右打。1年生。
- 武志に「俺の次に才能のある男」と言わしめる通り、武志の前を打ち、また強肩でセンターを守る走攻守三拍子そろった選手。武志に感化され、武志に対してはものすごい対抗意識を持っている。甲子園大会2回戦の海聖戦では、泥酔した武志に代わってマウンドに立つ。
[編集] 3年生
- 大和田勝良(おおわだ かつよし)
- 夢の島高校の三塁手(投手)。右投両打。3年生。
- 夢の島高校の主将。武志が来るまではエースで4番を打っていた。中学時代に肘を故障し、マネージャーとしての入部であったが、工藤監督が大和田の影の努力を見て、正式に入部させることが決まった。武志に「恐ろしい男」と言わせた男である。武志のことは、野球に関してだけ言えば清潔な男であると話している。また、工藤監督は大和田がセレクション合格の第一号だと話している。
- 武志の入部後は後続の打者に球筋を見せるため、1番を打っている。経験の浅い1年生のため、普段はミート重視の右打席に入るが、長打を狙う時は左打席に入る。
- 熊野春雄(くまの はるお)
- 夢の島高校の左翼手(捕手)。右投右打。3年生。
- 夢の島高校の副主将。昨年の秋季大会までは捕手を守っていたが、百瀬が正捕手になったので、打撃を買われて左翼手にコンバートされる。全力疾走を怠ってアウトになったり、フライを落球したりと、ミスも目立つが、神戸翼成戦では生田からホームランを放つ活躍も見せる。もっともそれは、武志曰く「まぐれ」とのこと(本人は大喜びしていたので、その表現は熊野には酷だが)。
- 鈴木(すずき)
- 夢の島高校の一塁手。右投左打。3年生。
- 加山(かやま)
- 夢の島高校の二塁手。右投右打。3年生。
- 宮島(みやじま)
- 夢の島高校の遊撃手。右投右打。3年生。
- 桜井祐一(さくらい ゆういち)
- 夢の島高校の右翼手。右投右打。3年生。
- 南東京大会準決勝・駒場商業戦で、武志のアドバイスを忠実に実行して、頭部にデッドボールを受ける。一度は激昂するが、これが吉永を打ち崩すきっかけとなり、武志から感謝される。
- 伝田(でんだ)
- 右投右打。3年生。野球は素人でがむしゃらさだけがとりえ。歓迎試合で代走で出場しラフプレーを行うが、小川のタッチプレーから発生したいざこざの際、赤倉に見事なまでにボコボコにされてしまう。
[編集] 2年生
- 中村(なかむら)
- 2年生。
- 新入生歓迎試合では主審を務める。しかし、山華部長の指示に従い久里に不利なジャッジをし、試合後には百瀬からビンタを受ける。
[編集] 1年生
- 大村行秀(おおむら ゆきひで)
- 夢の島高校の一塁手。右投右打。1年生。
- 当初、1年生の中で最も実力が劣ると酷評されていた。しかし、武志のアドバイスによる練習を毎日続けた結果、代打出場した南東京大会3回戦でタイムリー2塁打を放ち、準決勝からはスタメン出場をしている。
- 藤本(ふじもと)
- 夢の島高校の一塁手。右投左打。1年生。
- 鯉渕(こいぶち)
- 夢の島高校の三塁手。右投右打。1年生。
- 河地大介(かわち だいすけ)
- 夢の島高校の遊撃手(二塁手)。右投右打。1年生。
- 上水流(かみずる)
- 夢の島高校の遊撃手。右投右打。1年生。夢の島高校の応援団長。上唇が出ているのが特徴。
- 光永(みつなが)
- 夢の島高校の右翼手。右投右打。1年生。
[編集] その他
- 工藤弘樹(くどう ひろき)
- 夢の島高校の監督。
- 年は本厄の42。かつては名門東陽で監督もやっていた。担当教科は物理で、武志のクラスを担当。くわえタバコがトレードマークで、ベンチからのサインもタバコで送る。
- 山華文博(やまはな ふみひろ)
- 夢の島高校の部長。
- あまり武志のことを快く思っていないが、実力だけは高く評価している。
- 工藤夏(くどう なつ)
- 夢の島高校のマネージャー。2年生。
- 工藤監督の娘。武志には「なっちゃん」と呼ばれている。年は武志よりもひとつ上。
[編集] 六郷高校
- 小沢(おざわ)
- 六郷高校のエースで4番。右投右打。3年生。
- 最速140kmの速球とスライダー・カーブ・シュートの他、新たに覚えたナックルを武器としている。また、足の上げ方を微妙に変化させるなど、クセを読まれない工夫もしている。しかし、武志に捕手の捕球姿勢から球種を見破られたのをきっかけに打ち込まれ、武志には決め球ナックルを完璧にホームランにされて、結局5回17失点でコールド負けを喫する。
- 三輪(みわ)
- 六郷高校の捕手、5番。右投右打。2年生。
- 球種によって捕球姿勢が違うことを武志に見破られ、小沢が打ち込まれるきっかけを作ってしまう。
- 太田(おおた)
- 右投右打。
- 六郷一の長距離ヒッター。しかしリーチが長いため内角が苦手。夢の島戦で三輪に代わって代打で登場するも、武志に苦手の内角を攻められ、見逃し三振に倒れる。
- 藤岡(ふじおか)
- 右投左打。
- 六郷一の俊足の持ち主。とても小柄で小技を得意とする。夢の島戦で代打で登場しバントを試みるも、武志のシュートについて行けず三振に倒れる。
[編集] 駒場商業高校
- 吉永(よしなが)
- 「剛」の常陽学院と並んで「柔」と称される名門・駒場商業の投手(右翼手)、4番。右投右打。3年生。
- 元は武志と同じ不良で、その気性の激しさを活かしたケンカ投法と、スライダー回転する「袈裟斬りフォーク」を武器としている。序盤は夢の島打線を上手く封じられたものの、武志のアドバイスによるビーンボールを恐れない打法で配球を狂わされ、3回途中5失点でKOされる。
- 水谷(みずたに)
- 駒場商業高校の投手(一塁手)。右投右打。3年生。
- アンダースローからの浮き上がる速球や多彩な変化球に加え、吉永、華原と同じくケンカ投法を使う。吉永からの継投を予定していたが、武志、赤倉にケンカ投法がストレートの球威不足を補う為の苦肉の策だった事を見破られて、通用しなかった。
- 華原(かはら)
- 駒場商業高校の一塁手(投手)、3番。左投左打。3年生。
- 左のサイドスロー。上の2投手と同じくケンカ投法を使うが、ケンカ投法で隠していた弱点を露呈された挙句、武志に場外ホームランを打たれて以降、メッタ打ちに遭う。
- 上松(うえまつ)
- 駒場商業高校の左翼手、2番。3年生。
- 久里のリトルリーグ時代の先輩。
[編集] 常陽学院高校
- 大道春樹(おおみち はるき)
- 常陽学院の一塁手(投手)、4番。右投右打。3年生。
- 駆け引きが無ければ6割がホームランという、典型的な長距離打者。スイングは大きな構えながらコンパクトで、それがホームラン量産の大いなる要因といえよう。
- 草野球の試合で、助っ人として登板した武志からホームランを打ち、武志の心に火をつけた。また決勝戦では、武志の球をバックスクリーンに直撃させ、武志の無失点記録をストップさせた。しかし、第2・第3打席では大飛球を放つものの、いずれも打ち取られ、第4打席では本気を出した武志の前に空振り三振を喫する。
- 鍋島(なべしま)
- 常陽学院のエース、5番。右投右打。3年生。
- 南東京No.1投手。長身から投げ下ろす剛速球を武器とする。打者としても一流で、初回に武志からホームランを放つ。武志に感化され、本気を出し始めると武志以外の打者をきりきり舞に。武志には3打席連続ホームランを打たれ、最終回に最速157kmをマークするも、結局武志に場外に運び去られ、サヨナラ負けを喫する。
- 山野(やまの)
- 常陽学院の捕手、2番。右投左打。2年生。
- 7連続犠打成功という、バントの名手。しかし決勝戦では、武志の前に一度も決めることができなかった。
- 黒石(くろいし)
- 常陽学院の遊撃手、1番。右投右打。3年生。
- パワーもあるが、特筆すべきは武志の5秒6より速い脚。何と5秒2をマークする。しかし武志の前に、ことごとく山野と共に潰された。
- 玉木(たまき)
- 常陽学院の中堅手、3番。右投右打。3年生。
- プロがマークする走攻守三拍子揃った選手。傷のできた試合(その箇所は40箇所)は必ずホームランを打つ、というジンクスを持つ。2打席目に武志が打ったホームランを捕球しようとした際フェンスに激突して傷ができたが、結局ホームランは打てずじまいだった(9回に3塁打を放ったが、武志がわざと打たせたらしい)。
- 福田(ふくだ)
- 常陽学院の右翼手。
- 普段は7番を打っているが、5割の高打率を誇る強打者。
- 麦島(むぎしま)
- 常陽学院の監督。
- 好々爺然としているが、歴戦の名将。武志の「非常識野球」に「常識野球」で対抗するが、完敗を喫する。
[編集] 神戸翼成高校(兵庫代表)
- 生田庸兵(いくた ようへい)
- 神戸翼成高校のエースで4番。左投左打。3年生。
- 150kmを超える速球を持ち、スライダー・シュート・フォーク・ナックルに加え、高速ナックル「魔球KOBE」が武器。
- 武志曰く、「どんなハードルの高い名門に入ってもお山の大将に収まる大道と鍋島をごっちゃにしたような」男。プロ入りを念頭に置いた木製バットで、武志から3本ホームランを放つ。しかし、武志の3打席連続を含む4本のホームランを浴び、9失点で敗退。阪神大震災によって両親を失う苦い過去を持つ。夢の島の工藤監督曰く、才能は武志以上らしい。
- 最上(もがみ)
- 神戸翼成高校の一塁手、3番。左投左打。3年生。
- 兵羽(へいわ)
- 神戸翼成高校の三塁手。
- 豪爆打線の力が集中されているクリーンナップの5番を打つ。
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[編集] 海聖高校(高知代表)
- 秋吉広大(あきよし こうだい)
- 海聖高校のエースで4番。右投右打。3年生。
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[編集] 私徳館高校(山形代表)
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- 私徳館の投手。右投右打。1年生。
- バッターのチェックゾーンの限界である1.7m手前で変化する魔球1.7、連続で変化する魔球セーリングボールの持ち主。1回戦ではノーヒットノーランを達成している。監督曰く「完成品」らしい。
-
- 私徳館の捕手。右投右打。1年生。
- タンザニアの少数民族で暮らしていたが、団監督に買われて私徳館に入学。風を読む特殊な才能を持ち、それを応用したリード、守備を行って夢の島打線を苦しめる。父親を食い殺したライオンの群れをバットで撲殺した逸話を持つ。
-
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-
- 私徳館の監督。
- 武志の実の父親にして、トラウマの元凶。幼少時の武志に「地獄の特訓」を施して、現在の武志を作り上げた。武志を「欠陥品」扱いする非常に冷酷な男。
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[編集] 試合結果
|
1 |
2 |
計 |
1年生チーム |
8 |
2 |
10 |
2・3年生チーム |
1 |
|
1 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
計 |
六郷 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
夢の島 |
4 |
10 |
1 |
2 |
X |
17 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
計 |
駒場商業 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
夢の島 |
0 |
0 |
5 |
8 |
X |
13 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
常陽学院 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
夢の島 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1X |
4 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
夢の島 |
0 |
0 |
0 |
2 |
6 |
0 |
0 |
1 |
0 |
9 |
神戸翼成 |
2 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
6 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
海聖 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
夢の島 |
4 |
5 |
1 |
0 |
2 |
0 |
3 |
1 |
X |
16 |
[編集] 用語
- バクボール・・・南東京大会準決勝駒場商業戦で見せた球。左右に微妙に揺れる。また、回転数も少ないため、バッターは打っても重く感じる。駒場商業は、バットをミートしやすい中距離打者型に統一することで、この球までは対応した。
- バクボールII・・・同じく南東京大会準決勝で見せた球。速球だと思って振るとスライドする。
- バクボールIII・・・同じく南東京大会準決勝で見せた球。シンカーのようにシュート回転しながら沈む。
- バクボールIV・・・同じく南東京大会準決勝で見せた球。バクボールとバクボールIIを合成した球で、上下に小刻みに変化して更にスライドする。
- 目くらまし投法・・・魔球という訳ではないが、南東京決勝戦で常陽学院の4番大道が名付けた投法。普通、速い球が伸びて、遅い球が沈むと言うのがセオリーである。だが武志は真逆で、速い球を沈ませ、遅い球が伸びるという投球をした。だが、所詮遅い球が伸びたところで軌道は山なり、見事に沈む速球と似たような軌道をなぞる。よって、球の出所も軌道も同じなのにスピードが違う球にしているのである。球速の差は最大で30km、まさに目くらましである。
- バクボール0・・・甲子園大会1回戦、神戸翼成戦で見せた球。通常の速球と縫い目を逆にして握る。ライジング・ファストボール。
- 魔球ブラック・・・甲子園大会2回戦、海聖戦で見せた球。アンダースローから指を使わずに手のひらで投げる。二階から一階へ落ちてくるような落差。また、指を引っかけることで、スライダー回転やシュート回転をかけることもできる。元々赤倉の嘘だったが、武志が魔球として実現した後、赤倉がこれを見事に真似ている。
- 魔球エンジェル・・・甲子園大会3回戦、実の父が監督を務める私徳館戦で見せた球。回転する方向とは逆に変化する(例えば、バックスピンのかかったボールは伸びると言われているがその逆で落ちていく)。
- 魔球ミーティア(流れ星)・・・甲子園大会3回戦、私徳館戦で見せた変化球。球を高速に回転させつつ、あまり伸びない。そこから、恐らく2シームジャイロではないかと思われる。
- 袈裟斬りフォーク・・・南東京大会準決勝、駒場商業の吉永が投げた得意球。普通のフォークよりもスライドしながら落ちる。大和田(スイッチヒッター)以外右打者の夢の島打線は、見事にこれで内角を突かれて、2回まで無得点に抑えられた。
- 魔球KOBE・・・甲子園大会1回戦、神戸翼成の生田が投げた得意球。通常のナックルでは考えられないスピードで変化する、高速ナックル。ナックルを投げるには強靭な指の力が必要とされるが、生田は140km以上のスピードで変化するこの球を体得するため、高速回転するバイクの後輪に板を当て、それを指で支えるという、狂気の特訓を課した。
- 魔球1.7・・・私徳館高校のエース名倉が投げる変化球。打者の1.7m手前で変化する。打者が打つときの始動を始めるのは、どんなに遅くても球が1.7m手前のときだという。そこから大きく風を利用して変化する魔球1.7は、まさに"打たれない球"の一つであろう。武志らは、指にツバをつけて風の流れを読む打法で一時的には攻略したのだが、私徳館は既に弱点を克服した改良型、武志が真似た時の攻略法すらも編み出していた。
- セーリングボール・・・私徳館高校のエース名倉が投げる変化球。左右に不規則かつ小刻みに変化する。その原理は、2シーム或いは4シームの握りから回転を与えないままリリースし、結果縫い目に交互に空気が当たることによって変化を引き起こす、というもの。武志ですら攻略に手つかずだったが、赤倉が対応策を閃いた。
- 一本釣り打法・・・海聖の4番秋吉が使う打法。カツオ漁で鍛えた足腰を活かして長打を生む。武志の魔球ブラックの前に打ち取られる。