DayDa.Laboo
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
DayDa.Laboo(デイダ ラボー)とは、株式会社ターボデータラボラトリー 代表取締役 古庄晋二氏により考案された成分分解法を基礎とするLFM(Leniar Filtering Method)と呼ばれるアルゴリズム群を持つオンメオリ型DBエンジンである。
【特性】 DayDa.Labooはその特殊なデータ構造(FASTと呼ばれる)によりインデックスや事前設計無しに多様な処理(一括更新・データ変換・計算・ソート・検索・集計・マッチング等)が非常に高速であり、特に大量データの一括処理では絶大な効果を発揮する。その一方、一件処理を積み上げる逐次更新処理はさほど速くないとされる。このような特性から既存のRDBを置き換えることはできず、一部ではデータベースというより巨大データの表計算を実現するエンジンと評される。実際、事前設計無しに自由にデータ構造を変更しながらバッチ処理を進めてゆく様は表計算の操作に類似している。
【高速な理由】 これまでの一般的なデータ処理方法では処理に関係する全てのデータがアクセスされ、処理結果は処理に関係した全てのデータが移動もしくは書き換えられていた(テーブルのソートを考えると良い)。成分分解法に基づくアルゴリズムでは処理に関係する成分のみが選択的にアクセスされ、処理結果は変化した成分のみが書き換えられて記録される。このことにより処理の実施コストと処理結果の記録コストが圧倒的に小さいため高速になる。また何段階も処理が進行しても成分分解された状態は維持されるため、多段階処理でも高速性が失われない。
【データ構造の種類】 DayDa.Labooに用いられた特殊なデータ構造(FASTと呼ばれる)はテーブル、ツリーなどの処理対象データの形式と稼働環境が一般的なコンピュータかグリッドなどの分散並列処理環境でのコンピュータシステムかによってバリエーションがある。同社は2006年現在、6種のFASTが開発済みと発表している。
【用途】 大量データのバッチ処理エンジン、バッチ処理の中間及び最終結果に対して即座に対話型分析を行うシステムのエンジン、高速にデータマートを作成できる巨大なセントラルウェアハウスのエンジン、システム移行に伴うデータの変換とクレンジングを行うツールのエンジンとして実績と定評がある。
【その他】 DayDa.Laboo(デイダ ラボー)及びその理論的基盤である成分分解法は2003年日経BP技術賞の情報通信部門賞を受賞している。