青い空を白い雲がかけてった
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『青い空を、白い雲がかけてった』(あおいそらをしろいくもがかけてった)はあすなひろしの漫画作品。彼の作品の中で最も知名度が高い短編連作である。
[編集] 概要
1976年から1981年まで、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)、「月刊少年チャンピオン」に断続的に掲載された。単行本は1978年~1981年、少年チャンピオンコミックス(全3巻)、2004年、エンターブレイン(1巻)が出ている。なお、1980年に月刊に掲載された「源平じいさん」は単行本未収録となっている。
本シリーズは『風と海とサブ』の週刊誌連続連載が始まったため完結していない。
当時の週刊チャンピオンは『ドカベン』『ブラック・ジャック』『750ライダー』『百億の昼と千億の夜』、ギャグでは『がきデカ』『ふたりと五人』『マカロニほうれん荘』等の超人気作品を毎号連載していた人気誌であったが、その中で一年に数回(最大で8回)しか掲載されなかったこの作品を待ち望んでいた読者は多かった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 内容紹介
中学校三年生の主人公ツトムの日常的な生活の中で、青年期の一歩手前に居る少年特有の世界をコメディタッチで、しかも叙情性豊かに描いた作品。足掛け6年に渡る連載だが、設定はずっと中学三年のままだった。卒業まで描きたかったというあすなひろしの言葉が伝えられている。
当初は、読み切り短編の依頼ということで、ツトムに転校生のリョウがからみ、そして去っていくという枠組み設定での作品が3つ続く。幼馴染みのヨシエ(ヨシベエ)とクラス担任の先生は出てくるが、単なる脇役であくまでもツトムとリョウの物語であった。また、ユーモラスな部分はあるが、基本はシリアスな作品である。
その後、半年の期間をあけてから第4話の掲載となるが、ここからは主要登場人物のキャラクター設定も固まり、それぞれの関わり合いを基調とした物語となり、シリアスな場面もあるコメディといった作品となる。主要登場人物はツトムとヨシエ、それに番長、大人としてはツトムの両親、オールドミス(という設定の)夏子先生、それに飼い猫のタマ(途中で入れ替わるが)となる。
描かれる世界は陰湿な悪意や、構造的な喪失感や虚無感の存在しない、子供が子供らしく存在でき、大人に対する期待や不安を当たり前に持っていられる世界である。
第4話以降のギャグてんこ盛りの中にポンと出てくるリリシズムや詩的な世界、透明感や空気感は、美しい描線と魅力的な構図、さり気ないフレーズと共に作者の得意とするところであり、今尚愛されている由縁である。
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