足洗邸の住人たち。
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『足洗邸の住人たち。』(あしあらいやしきのじゅうにんたち)は、ワニブックス・Comic Gumにて連載中の漫画。作者はみなぎ得一。2006年9月現在、第6巻まで発売中。
人間、妖怪、悪魔、妖精、科学文明、魔法技術――などの相反する存在を違和感なく一つの世界に集約している事が特色と言える。なお、登場キャラクターのほとんどにはいわゆる「元ネタ」――「
また、絵の描き方も一種独特であり、キャラクターはいわゆる「萌え絵」の部類に入るとも言える類のデザインだが、背景の描き込みが半端でなく、ギャップを感じる事もあるかも知れない。そのギャップがまた良いといった声も聞かれる。本人は「自分は“絵”で売っている漫画家ではない」と言っているが、実際には“絵”に魅かれている読者も多い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
20年以上前、どこぞの召喚士が起こした「大召喚」により、世界の至る所に「魔界」や「異界」が出現。自然、秩序、常識――全てのバランスが崩れ、人類の3分の1以上が死滅。その後、それ以上の数の異形が地上に溢れた。その混沌の中、絶大な「力」で全てをまとめ、世界を統括したのが謎の秘密結社「
それから20年、世界に7つある「中央」の1つ、「
[編集] 用語解説
- 足洗邸(アシアライヤシキ)
- 卍巴市不思議町に在するアパート。「外区」の物件は大抵家賃が安いが、特に安い。不良物件として扱われているらしい。庭には地獄に繋がっている井戸がある。名前の由来は二号室に出る「
千束 」という大足の妖怪。(時たま天井から降りてきて「洗え――洗え――」と言う。踏み潰される事もある)所在地の下に霊の通り道があり、北に火葬場、東に病院、西に寺と無縁墓地、南に自殺名所がある。一号室から八号室まであり、四号室はない。 - こま曰く、人生の変更点であり、黒は白へ、死は生へ、悪人は善人へ変わり、無から有を造り出す諸國民の家らしい。
- ファイターズ・ストリート
- 町の至る所に設けられた「易い闘技場」。「中央」に造られたアンドロイドである専用レフェリーにプレイ費100円を払えば、基本的に誰でも参加できる。試合は1対1で、武器の使用は禁止。ただし、「中央」地下や「外区」辺境ではチーム戦や刀剣・銃器・魔法・巨大機械人形・幽波紋の使用が許可されている所もある。設置された相手の体力ゲージを0にすると一本。クリティカルに成功すると、その場で勝利。大抵は三本勝負の二本先取で勝利。専用レフェリーには伝説のアナウンサー・審判員・レフェリーのクローン脳が使用されており、参加者の情報を「中央」のデータバンクから瞬時に検索する事ができる。対戦においては小・中・大・超技を見極め、それに応じて双方の体力ゲージを減少させる。これによって、観戦者たちはバトルをリアルに感じる事ができる。賭博の対象となっている場合がほとんど。なお、
F・N は申告制で、主に「鎮伏屋 」が自分の知名度を上げるためにH・N を名乗る事が多い。
- 万魔殿学園(パンデモニアムがくえん)
- 「秀真国」最大の異種族統合学園。建物自体は「大召喚」で現れた「魔界の城の一部」。学園長にして創設者は「蠅ノ王」のベルゼブル。設立理念は、異人種を集わせる事で各々の個性を生かしつつこの世界を生き抜くための強化と、人間の歴史・文化・知識を後世に伝える事。
- 夢見長屋(ユメミナガヤ)
- 卍巴市不思議町に在する長屋。「外区」の外れ、「白亜の森」の近くの川の中に建つ茶屋・「夢見屋」と、その東側に建つ長屋・「日の出長屋」、西側に建つ長屋・「日の入り長屋」の三棟から成る。「夢見屋」の真下の川底には、「夢見長屋」の悪夢を喰い流すといわれる「本邪魔迦石塚」があり、「咽」の「大太」が封印されている。
- 大家は累。店子は孫三郎、於夏、初音、團三郎、魔魅。なお、「夢見屋」の祠の中には累の祖母にあたる橋姫が眠っており、店子達は
大大家 さんと呼んでいる。
- 春雲楼(シュンウンロウ)
- 卍巴市不思議町五丁目に在する旅館。五丁目は「中央」のお膝下である事から、「中央」から来る者、「外区」から来た者のための宿泊地帯となり、それら旅館の全てを統括している。元々は本所七不思議の「津軽家の太鼓」の上屋敷であるとも、炭屋塩原の屋敷であるとも云われているが、改装・改築を繰り返しており、元の形は完全に消失、内部は迷路さながらの巨大屋敷となっている。
- 楼主は浄蓮。住人は靴、パヴェナ。
- 悪夢館(アクムカン)
- 卍巴市不思議町に在する洋館。「外区」の外れ、「白亜の森」のさらに外れにある湖と泥沢地帯に挟まれた地区に建てられている。名前と住人のイメージに反し、外観は寺院風。元々はクリストファー・ゴルド・グロウリーの屋敷であり、イギリスはリンカンシャーに在していたが、「大召喚」によって運ばれてきた。常に黒き憂鬱の霧に覆われているらしい。
- 館主はラウラ。住人はルチオ、飢烏、ディジー、ヴァイオレット。
[編集] 主な登場人物
- 田村・福太郎(タムラ・フクタロウ)
- 本作の主人公。「足洗邸」八号室住人。(当初は七号室に越してきたが、仙が妖怪化して住み着いていたため、換えてもらった)髪は黒。眼も黒。服装は主に黒。性別は男。画家。描くのは主に風景画。理由ははっきりしないが、人物画を描く事を好まない。社会保障ナンバーは「手持ち」。メフィストの誘いで万魔殿学園教師になる。担当は人間の芸術。
- 「中央」に出てきて8年ほど経った頃、「足洗邸」に引っ越してくる。元来、知りたがり屋な性格。意思疎通できる相手なら、妖怪だろうが普通に接する。情緒不安定な面があり、お人好しだが自己中心的かつ嘘をつくのが下手。「中央・外区」に来てからの8年の間に、全て有名な不良物件ばかり9回の引っ越しをしており、6回の自殺未遂を起こしている。1番キライなモノは「アスファルトで頭ケズられた黄色の首なしキン消し」。
- 人間の身でありながら、謎が多い。7歳の時にあった「大召喚」の影響もしくはショックにより、定期的に記憶喪失になるという奇病を患っているようで、当時親交の深かった美奈歩、実歩姉弟の事も憶えていないらしい…が、どこか気付いているような素振りも見せている。右背に「記憶」を司る「誰か」がいるようである。
- 須美津・義鷹(スミツ・ヨシタカ)
- 「足洗邸」五号室住人。髪は白。眼は琥珀色。服装は主に白。身長170cm前後。性別不明。鵼。探偵。社会保障ナンバーを受けていない。「中央」の分類上は「人妖種」鵼・鬼の二番とされている。
- プライドが高く好戦的な性格。笑い方は「ヒャハハ」。戦闘中に近づくと、無意識の攻撃が飛んでくるので非常に危険。愛用のエモノは「
風靁棒 」。天の川の砂鉄で作られたらしい。釣り竿にもなる。妖力を持つモノに対して絶大な威力を発揮し、形状は自在に変えられる。自分の妖力をストックする事ができ、相手の妖力を吸収しながら戦う事もできる。他の生物を捕食する事で、自分の身体に融合する事ができる。「人間の方が妖怪より優れている」に類する事を言うとキレる。それでいて、人間を学ぼうとしているらしい。 - 姿が鏡や写真に映りにくく、映ったとしても歪んでしまうため、自分の人間体の姿を見た事があまりない。そのため、自分の姿が描かれた絵には強い執着を持つ。
- 大復活祭やいろは双紙といった別作品にも顔を出すみなぎ作品の代表キャラ。雑誌の企画でレリーフのモチーフにもなった。
- 竜造寺・こま(リュウゾウジ・コマ)
- 「足洗邸」管理人。髪はオレンジがかった黄色。瞳は黄色。性別は女。猫又。「中央・八卦守・六十四卦」の一易「
水地比 」。H・N「猫ノ目 」。「六十四卦」とは「中央」の「隠密部隊 」に属し、「秀真國」各地に封印された「大太」の部位を守護・監視する事が役目。 - 語尾に「~ニャ」が付く。主の敵を討つため猫又になり、退治された時「七代タタル」と言い残して死に、見事に相手方を滅ぼす。一代滅ぼす毎にしっぽが増え、今は7本。本懐遂げて復讐心もなくなり、子猫の身体に宿って今に至る。夜はちょっと怖い。将棋が強い。自室でたくさんの猫を飼っている。非常に食欲旺盛な猫で、空腹時に近づくと非常に危険。
- 「足洗邸」に常に結界を張っている。佐用津比賣との戦いで瀕死の重傷を負うが、義鷹が福太郎に預けていった「
生玉 」の力で復活、「スーパーこま」に「神化」する。「神化」した事で、語尾は「~ナ」に変わった。福太郎が変に真面目にパラメーターを割り振ったため、胸が大きくならず残念らしい。
- 望月・玉兎(モチヅキ・ギョクト)
- 「足洗邸」六号室住人。髪は黄色、一部黒。瞳は赤。性別は女。兎の精。H・N「
月の雫 」。エロ小説家。P・N は「月のうさぎ」。10年前、デビューした当時は「ラビット・望月」。編集部に勝手につけられたらしく、その名前で呼ばれるとキレる。探偵業もしている。社会保障ナンバーは「手持ち」。 - 愛用のエモノは「
請仍棒 」。義鷹の「風靁棒」の欠片から造られたレプリカで、妖力に余裕がある者なら誰でも使える。人に煙草を喫われると喫いたくなる。疲れるという理由で戦いを好まない。料理の腕前は上々。ストレス発散法はモチつき。「足洗邸」の「住人たちの弱み大全集」を持っている。 - 詳細は不明だが、今の身体の3分の2程は義鷹にもらったものらしい。そのため容姿が似ている。血肉には体力回復と治癒の効力がある。
- 笠森・仙(カサモリ・セン)
- 「足洗邸」七号室住人。髪は紺色。瞳は赤。性別は女。享年16。
- 天井から入ってきたストーカーに襲われ、死体を天井に隠されていたため「
天井下 」として妖怪化した。犯人探しを義鷹に依頼しており、それによると自殺していた。福太郎との触れ合いによって「妖怪レベル2」になり(?)、天井からの呪縛が解け、自由に行動できるようになった。ただし「足洗邸」からは出られない。ゲーマー。一番キモイと思うモノは「30cmぐらいのハルキゲニア」。何があっても前向きな性格。 - 福太郎に好意を寄せているようにも見える。妖怪化してからの本質(本当の姿)は「足洗邸」の「
家神 」。「逆柱 」「影女 」「鳴屋 」などを使役し、住人の安息の「地」、帰る「場所」を侵すモノを撃退する事を生業とする。モットーは「家内安全」。また、那賀須泥毘古の妖力によって妖化したので、「妖怪」ではなく「怪異」。ただし那賀須泥毘古は「大太に支配されない自由意志」を与えているので、「大太」の「僕使」にはならない。蹴り技が得意。那賀須泥毘古曰く、足癖が悪いらしい。
- メフィスト・ヘレス
- 「足洗邸」一号室住人。髪は黒。眼も黒。服装は常に英国紳士といった様相。性別は男。「中央八卦守・六十四卦」。中央七支柱・第六軍前団長。H・N「
悪の華 」。万魔殿学園教師、担当は英語。 - 普段は飄々とした怪しいオッサンにしか見えないが、本性は読心・変身を軽々こなす「魔力の塊」。趣味は古美術(アヤシイモノ限定)蒐集。コレクションを披露したがるが、義鷹曰く、「生き人形」の散髪をさせられたり、「座ったら必ず死ぬ椅子」に座らされたり、「ふり返る霊のビデオ」の最終段階を見せられたりするらしい。部屋の容量をはるかに超えた大量の物品を収納するために部屋は異空間と繋がっており、迷路化しているため非常に危険。自室は自称「悪魔の美術館」。部屋には防犯用の「地獄送りの魔法陣」がある。
- バアル・ゼブスと親交があるが、「蠅ノ王」派でも「月ノ子」派でもないらしい。本来の姿は「ピエロの悪霊」といった風体。
- 味野・娯楽(アジノ・ゴラク)
- 「足洗邸」二号室住人。髪は白。眼は黒。服装は常に着流し。性別は男。3年前、「千束」に踏み潰されて死亡。H・N「
地上より賭場に 」。 - 関西から逃げてきたヤクザの組長で、素行がよろしくなかったため、義鷹が遺体を井戸に捨てた。そのせいで身体は半分腐ってしまっている。愛用のエモノは「片葉ノ葦」。持組「地獄組」は「
浪花天使 」の異名を持つ上池田・美奈歩1人に滅ぼされた。良い子にはアメちゃんをくれる。 - 子宝に恵まれなかったため、こまを孫のように可愛がっている。
- マサライ
- 「足洗邸」に生きるモノを守る物。髪は緑。眼は黄色。肌は褐色。性別は男。パプアニューギニアで発見された「マサライの神像」から現れた「
楯霊 」。 - 一人称は「
私 」。義鷹に喰われるところだったが、福太郎とこまの口添えで「足洗邸」に留まる事になる。福太郎の頼みで、「足洗邸に生きるモノ」全てを守ると約束したが、義鷹の事はキライらしい。 - 本来守護していた森や氏族は「大召喚」によって滅びたと思われる。
- バロネス・オルツィ
- 「
時間の精霊使い 」。髪は黒、後に白。右眼が青、左眼が紫。性別は男。本名不明。鎮伏業番付 ・第3位、H・N「大いなる眠り 」。元は大学の民俗学教授。 - 「大召喚」の日、左眼に「
第二視力 」が発現した。(いわゆる霊感)「大召喚」以来、知識を総動員し、霊との対話・契約に成功。「召喚能力」を手に入れ、「鎮伏業」として力を磨いている。その目的は「大召喚」の元凶とされているガール・マスター「月ノ子」を葬る事である。そのため「中央」上層部からは「力を伴う思想」「力を持ちすぎた人間」として「要注意人物 」に指定されている。 - 義鷹に負け、「足洗邸」の庭の井戸に生きたまま落とされた。それから6ヶ月後、「右足ノ鬼」の解放を巡る戦闘の最中に井戸から出てくる。髪が精神的ショックで白くなった他は、肉体が若返り、以前の殺伐さが消えるなど良い変化の方が多い。
- 羽生・累(ハニュウ・ルイ)
- 「夢見長屋」大家。髪はほとんど白に近い紫。瞳は緑。性別は女。吸血鬼と狼男のハーフと、人鬼と天狗のハーフの間に生まれた混血児。「中央・八卦守・六十四卦」の一易「風火家人」。H・N「
車輪ノ下 」。 - 様々な種族の特性を重ね持つため、あだ名は「カサネ」。生い立ちは不遇とも言えるが、実に明るく生きている。語尾に「~のワん」が付く。
- 黒瀬・誄歌(クロセ・ルイカ)
- 万魔殿学園教師、担当は数学とオカルト。
- 外見は子供。性格は明るく饒舌だが、どうも多重人格の気味がある。
- 本名はクローセル。
- バアル・ゼブス=ベルゼビュート
- 万魔殿学園学園長。「
蠅ノ王 」。髪は白。 - 「月ノ子」と共に「大召喚」を起こした「十支王」の一人。「十支王」の中で唯一、世間に自分の正体を明かしている。人間体の時は常にサングラス着用。学園長室でハルピュイア三姉妹、アエロー・オーキュペテー・ケライノーを飼っている。
- 著作「孫達への手紙」の中で「正しき進化」「起源回帰」「原始復古」を唱え、「大召喚」以前の世界に戻した方がいいと考えていた。
- ラウラ・シルヴァー・グローリー
- 「悪夢館」館主。髪は紫がかった銀。瞳は赤。性別は女。
生態吸血鬼 で、近寄るだけで精力吸収 されてしまう。「中央・八卦守・六十四卦」の一易「水沢節」。鎮伏業番付・第2位、H・N「死女ノ恋 」。 - 好きな血液型はO型。普段は非常に大人しい絵に描いたような御嬢様。執事・
飢鴉 、メイド・ディジー&ヴァイオレット、下男・ルチオなどを持つ。従者は鎌、鋏など武器になる者も多い。「死美人 」とあだ名され、「鎮伏屋」からも恐れられている。エロネタは嫌い。 - 福太郎が顔に触れた時には真っ赤になって逃げてしまった。去り際に非常に小さい声で「H」と呟いている辺り、人に触られる事に慣れていないものと思われる。
- 湯ヶ島・浄蓮(ユガシマ・ジョウレン)
- 「春雲楼」楼主。髪は薄い砂色。瞳は群青。性別は女。女郎蜘蛛。「中央・八卦守・六十四卦」の一易「水風井」。H・N「
黒イ蜘蛛 」。 - あまり外出しない事で有名。
- 「結界」を張る能力に長ける。
- 兼康・備後(カネヤス・ビンゴ)
- 医師。H・N「
黒イ大釜 」。 - パートナーの看護師はサッキュバスのルュスト。ルュストには自分の看護師として「女らしくおしとやかにかわいく」を徹底させている。
(ルュストが「戦う」だの「ヤル」というと下品な発言だと怒る。あと、うるさくすると(ボール)ギャグをかまされる。)
- 「パンドラ・ボックス」を解錠する事で、箱の中の「希望」と融合し、後考者「エピメテウス」に変身する事ができる。相手を倒し開錠する事でその本質を暴き、邪悪であるならば「パンドラ・ボックス」へと封印する変身ヒーロー(にしてはちょっとやさぐれているような気もするが)。
[編集] 単行本
- 足洗邸の住人たち。 1巻(2002年3月10日発売)
- 足洗邸の住人たち。 2巻(2003年4月10日発売)
- 足洗邸の住人たち。 3巻(2004年3月10日発売)
- 足洗邸の住人たち。 4巻(2004年12月10日発売)
- 足洗邸の住人たち。 5巻(2005年12月10日発売)
- 足洗邸の住人たち。 6巻(2006年10月10日発売)
[編集] グッズ
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