豊橋鉄道モ3700形電車
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豊橋鉄道3700形電車(とよはしてつどう3700かたでんしゃ)とは、1963年(昭和38年)に名古屋市電より移籍した豊橋鉄道の路面電車である。
[編集] 名古屋市電在籍時代
名古屋市在籍時代は1200形とされ、1927年(昭和2年)に製造された。日本初の半鋼製低床ボギー車(Bogie Low-floor A type)で、名古屋市電気局(現在の名古屋市交通局)ではBLA型と称していた。
大正末期の車両の大型化と半鋼製化の傾向に刺激されて計画され、1927年3月に2両試作。1928年3月までに引き続き8両が製造された。
10両中2両は戦災で全焼。1963年に6両が廃車(うち2両が花電車化)。残り2両は1967年(昭和42年)の廃車時まで、下之一色線にて使用された。
[編集] 概要
豊橋鉄道東田本線へは1963年(昭和38年)に名古屋市電で廃車となった6両のうち、1202・1204~1206の4両が入線した。登場時は700形とされ、車体色は黄色と緑色でツーマン車だった。
1967年(昭和42年)4両のうち、3702・3704の2両が柳生橋支線用のワンマンカーに改造される(この2両のみクリーム地に赤帯に塗装変更)。1968年(昭和43年)の改番でモ3700形となる。
1971年(昭和46年)にワンマン改造されなかった3701・3703の2両が廃車され、柳生橋支線廃止(1976年)の翌年にあたる1977年(昭和52年)に3704が廃車となった。
3702は1982年(昭和57年)『私は日本最初の半鋼製低床ボギー車です…これからも元気にがんばります』の文言が書かれた広告なしの塗装に変更され走るようになり、1994年(平成6年)に鉄道友の会の「エバーグリーン賞」を受賞した。
1996年(平成8年)に塗装変更とダミーポールを取り付け(登場当時の姿に復元)、レトロ電車となって、団体臨時運転または休日昼間のダイヤに組み込まれて運用されていた。
2005年現在すでに運用をはずれ、赤岩口車庫の敷地内に留置されている。が、方向幕等は残され、解体されるのは避けられると考えられる。
[編集] 主要諸元
- 製造初年:1927年
- 全長:12508mm
- 全幅:2206mm
- 全高:3497mm
- 自重:16.90t
- 車体構造:半綱製
- 定員:80人
- 出力・駆動方式:37kw×2、吊り掛け式